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ブリジストンが「月面車(ルナローバー)向け」として新世代のタイヤを発表。宇宙空間では地球と全く異なる考え方が要求される

ブリジストンが「月面車(ルナローバー)向け」として新世代のタイヤを発表。宇宙空間では地球と全く異なる考え方が要求される

Image:Bridgestone

| 最新の宇宙用タイヤは「第40回宇宙シンポジウム」にて発表 |

「宇宙」は多くの企業にとってのフロンティアである

さて、トヨタや日産、ホンダといった自動車メーカーに加え、ヒョンデやGMといったメーカーが目指すのが「宇宙」。

そして今回はブリヂストンが「月面を走行するためのオールインワンタイヤの革新的なコンセプト」を発表しており、これらは小型および中型の月面ローバーをサポートするために設計されています。

ちなみにですが、月面や他の惑星を走行する際に考慮せねばならないのが「重量」そして「摩耗」。

重量についてはロケット打ち上げ時のペイロード低減、そして実際に活動(走行)する際の機動力に直結し、もう一方の「摩耗」は車両の活動期間に影響することとなり、例えばタイヤが摩耗すれば「車体はまだまだ使用に耐える」状況であったとしても、その探査車の寿命はそこで尽きてしまうことになるわけですね。※過去のNASAの月面車は、これら両方の問題を解決するため、タイヤが「メッシュシートを丸めたもの」で構成されている

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ブリジストンが発表する「月面タイヤ」はこんな仕様をもっている

そこで今回発表された「第2世代月面ローバータイヤ」を見てみると、その素材は「鋼鉄製(キャタピラーを円形に構成しなおしたような感じ)」。

これはもちろん「ゴムは月面の過酷な環境では機能しないから」で、上述の「摩耗」に加え、ゴムは極端な温度や紫外線に非常に敏感であり、しかし月面では「温度変化や紫外線にさらされるから」。

たとえゴムの成分が劣化しなかったとしても、ゴムは非常に重く柔軟性に欠けることになるうえ、”空気入り”のタイヤは(宇宙の常である)真空状態では最適ではないため、地球上とは全く異なる考え方が必要となるわけですね。

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そこでブリヂストンの打ち出した解決策は、外側に「トレッド」を持ち、基本的にホイールとして機能する柔軟な支持構造を持つ金属製のタイヤを作ること。

一番上の画像で示されるタイヤは軽量の小型ローバー向けに設計されており、スポークの数が少なくなっていますが、次に示されるタイヤは”より厳しい地形を走行する可能性がある”中型ローバー向けのハード仕様で、ブリヂストンは「重量、耐久性、能力のバランスを取ることを目指している」と述べています。※月は重力が小さいため、やはり地球上での常識を取り払うことができる

これらのデザインは、いずれも2024年にブリヂストンが発表した月面タイヤを発展させたもので、2024年のタイヤも柔軟な内部構造を特徴としていましたが、トレッドには鋼鉄ウールメッシュが使用され、長方形のパッドに配置されていたという点において異なります。※これらはともに、数年前に発表されたブリヂストンの「第1世代」月面タイヤとは大きく異なる構造を持つ

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参照:Bridgestone

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