
| 今のポルシェは「ユーザーの意向を無視した電動化」を行うことがいかに危険であるかを思い知っている |
実際のところ、タイカンは「唯一の販売が減少したモデル」に
さて、昨今の自動車市場におけるひとつのキーワードが「飢餓感」。
ビジネス上の「集中と選択」、あるいは様々な規制によってマニュアル・トランスミッションやガソリンエンジン、あるいはボディタイプが消滅してゆき、そしてそれらは「二度と復活することがない」可能性が高く、よってそれらが失われる前になんとか手に入れようと動く向きが増えているということですね。
ポルシェは718ケイマンとボクスターを「完全電動モデル」に切り替える予定ではあるが
ポルシェのエントリーレベルのスポーツカー、「718ボクスターと718ケイマン」は、今年をもってすべて電動化される予定ですが、やはり「もう現行のガソリンエンジンオンリー」モデルが手に入らないという飢餓感からか「直近で最も大きな成長率を示したモデル」となっています。
その販売台数は2022年の3,484台、2023年の4,526台、2024年では5,698台へと増加トレンドにありますが、直近の2025年第1四半期では前年同期比の797台から2025年では1,497台へと大幅増(85.2%)。
2022年頃にはすでに「時期718ケイマン・ボクスターはピュアエレクトリックモデルになる」という話が出ているため、やはり人々は「何とか現行型を手に入れよう」としているのかもしれません。
あるいは「911があまりに高価になってしまった」ため、718ケイマン・ボクスターへと顧客が流れている可能性もありますが、911も全然同期比で(1,930台から)2,086台へと増えており、まだラインアップが(992.2へと)切り替わっていないにもかかわらず販売台数においては718ケイマン・ボクスターを大きく超えることに(よって911の顧客が718に流れているとは考えにくい)。
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ポルシェは718ケイマン・ボクスターの今後を「再考」か
上述の通りポルシェは718ケイマン・ボクスターを「完全電動化」する意向を見せているものの、もしかするとこういった傾向を鑑みて「路線の変更」がなされるかもしれません。
実際のところ、ポルシェはカイエンの延命を決めたり、新しい”ガソリンエンジンを搭載する”SUVの投入を決定していますが、このほか「EV専用として開発された車種にもガソリンエンジンを積むことを検討する」とも述べているので、もしかすると718シリーズにおいては「ガソリンエンジン継続」という判断が下される可能性もありそうですね(次期718に関してはいろいろなウワサがあり、ハイブリッド化が不可能という説、はたまた次期モデルも現行モデルのプラットフォームを使用するのでハイブリッド化も問題ないという説も)。
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なお、もっとも「ありうる」シナリオは現行718ケイマンとボクスターの販売期間を延長することで、それは欧州では「サイバーセキュリティ法の関係で」法規的な理由から販売を終了しているものの、718ケイマン・ボクスターの人気が高い北米ではこの法規の適用がなされず、「再設計を行うことなく、そのまま販売を継続できるから」。
よってポルシェは「当面の対策」として、法規的に販売できる地域においては現行718ケイマン・ボクスターを”延命”するのではないかとも考えています。
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