
| ここ最近テスラに関する報道が多数なされているが、ある意味でそれらは正しくもあり、ある意味では正しくない |
やはり公式情報以外は鵜呑みにすることはできない
さて、テスラはその大きなアドバンテージでもあるスーパーチャージャーの展開速度を緩め、スーパーチャージャー部門を解体したうえで関係する人員を解雇したと報じられていますが、こういった報道とは逆に、イーロン・マスクCEOが自身の公式Xへと「今年、スーパーチャージャーネットワークを拡大するために巨額の資金を投じる計画を持っている」と投稿し、投資家をさらなる混乱へと陥れています。
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テスラはスーパーチャージャーに5億ドルを投資
今回Xに投稿された内容によれば「5億ドルを投資して既存の充電ステーションを拡充し、数千台の充電器(スーパーチャージャー)を拡充する」。
そしてこの5億ドルはスーパーチャージャー事業拡大に向けた資金にすぎず、充電ステーションの運営コストを考慮すると同社はさらに多くの費用を支出していると述べたものの、正確な金額は明らかにしていません。
テスラは2020年以来初めて収益と売上高が減少したと発表して以来、様々な方針変更や人員削減が報じられ、1か月ちょっと前にはコスト削減のため世界中で従業員の10%を削減する計画であることが明かされたものの、その後の報道によって解雇対象は20%に近いという確証が得られています。
その中でも最悪だったのは、スーパーチャージャーネットワークの責任者だった2人の上級幹部とその部門全体を解雇したと報じられたことで、 イーロン・マスクCEOは「これらの行動により、人員数とコスト削減については徹底的に取り組む必要があることが明確になることを願っている。一部の(幹部の)スタッフは対策を講じているが、 ほとんどの人がまだそうしていない」と従業員に宛てたメール内にて述べています。
数々の報道によって、スーパーチャージャー部門が解体されたのは間違いなさそうですが、今回のイーロン・マスクCEOによる「スーパーチャージャーへの投資増加」というコメントを見るに、正しくはスーパーチャージャ部門の解体というよりも、「スーパーチャージャー部門の再編成、あるいは全体的な組織の統廃合」と表現するべきであったのかもしれません。
Just to reiterate: Tesla will spend well over $500M expanding our Supercharger network to create thousands of NEW chargers this year.
— Elon Musk (@elonmusk) May 10, 2024
That’s just on new sites and expansions, not counting operations costs, which are much higher.
スーパーチャージャービジネスはテスラにとって利益の要となっている
なお、スーパーチャージャーは他の自動車メーカーでは持ち得ない「テスラならでは」のアドバンテージであり、それを証明するかのようにリビアンのような新興EVメーカーから、BMW、メルセデス・ベンツ、そしてトヨタや日産、ホンダまでもがスーパーチャージャーに対応すべく、テスラの採用するNACS(北米充電規格)の採用を決め、そのためのアダプター配布、さらには車両の設計変更を行っています。
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テスラは現在、米国ではチャージポイントに次ぐ2番目に大きな充電ネットワークを持っており、チャージポイントの31,000か所 / 56,000ポートに対し、6,000か所 / 33,000ポートを誇ります。
ただ、 テスラの33,000ポートのうち実に20,000以上が急速充電ポートであることには注意する必要があり、さらには故障せずに可動している充電器の数のみを抽出すればその数はチャージポイントと逆転するとも言われているほどですが、ここ数ヶ月は厳しい現実もあったものの、テスラは期待通りに前進しており、とくにスーパーチャージャーネットワークは(困難に直面している)自動運転の行方とともに新たな注目を集めることになりそうですね。
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