| つい1年前まではこの規格を採用する会社はテスラのみだったが、今では充電ネットワーク会社を含めると28社が採用を表明している |
のこるはステランティスのみだが、おそらくはこの流れに乗らざるを得ないだろう
さて、北米においてはテスラの充電規格(NACS)が事実上のスタンダードとなりつつありますが、今回フォルクスワーゲングループもこれを採用すると発表し、「ほぼ全て」の自動車ブランドがNACSへと対応することとなっています。
そして「ほぼ全て」に含まれないのはステランティス(プジョー、シトロエン、マセラティ、アルファロメオ、フィアットなどの親会社)のみとなっていて、しかステランティスがNACS採用を発表するのも時間の問題なのかもしれませんね。
フォルクスワーゲングループは「2025年から」順次テスラの充電規格、NACSを採用
今回フォルクスワーゲングループは2025年からテスラの北米充電規格(NACS)を採用すると公式にコメントし、これは北米向けのアウディ、ポルシェ、スカウト、フォルクスワーゲン車がテスラの設計による充電ポートを持つことを意味します。
現時点では「NACSへの対応」が発表されたのみであって詳細についてはリリースされていないものの、詳しくは後日発表されるということ、そしてフォルクスワーゲンは "オープンスタンダードと相互運用性を通じて充電体験を向上させることにコミットしている "と述べています。
加えて、他の自動車ブランド同様、既存オーナーと「2025年までに車両が納車される」オーナーに対しても便宜をはかり、複合充電システム(CCS)を持つVWグループの車両についてもNACSの充電器へと対応できるようアダプターを提供することになるもよう。
テスラの充電担当シニア・ディレクター、レベッカ・ティヌッチは氏は今回の発表を受け、「VWグループのコミットメントにより、ほぼすべての主要自動車メーカーが我々のNACSへと参加し、すべてのEVドライバーの充電体験を向上させるという共通のビジョンの下に結集しています。今年のはじまりには、NACSを採用するのはテスラのみであり、世界中の自動車ブランドがこれを採用するというのは”夢”にすぎませんでしたが、今回のフォルクスワーゲンの発表は、わずか1年でこの業界に根本的な変化が訪れたということを意味します」とコメントすることに。
たしかにこれは「誰もが(おそらくテスラですら)想像しえなかったこと」であって、そう考えると「2024年には、はさらに想像や想定を超える出来事」が待ち構えているのかもしれませんね。
Automakers committed to the North American Charging Standard (NACS) in 2022: 1
— Tesla (@Tesla) December 20, 2023
Automakers committed to NACS in 2023: 28
Thank you for joining our vision to improve charging experiences for all EV drivers!
現在NACS採用を表明した自動車ブランドと対応時期はこうなっている
そしてこちらはNACSを採用すると発表した自動車メーカー/ブランド、そして対応予定(アダプター含む最短スケジュール)への一覧です。
なお、そのブランドとして対応を発表したものの、たとえば日産リーフのように「車体の設計(アーキテクチャ)そのものがNACSに対応しておらず、コネクタ形状やその周辺を変更することだけでは対応が不可能であり、よってどうやってもNACSに対応できない車種」も存在することには注意を要します。
加えて、自動車メーカー/ブランドのほか、チャージポイントやEVgoなど、北米にて展開する充電ネットワークも(合計で8社)NACS対応を表明するに至り、このトレンドはもう止めることができないかもしれませんね。
- フォード・・・2023年5月
- GM・・・2023年6月
- リヴィアン・・・2023年6月
- ボルボ/ポールスター・・・2023年6月
- メルセデス・ベンツ・・・2023年6月
- 日産/インフィニティ
- ・・・2023年8月
- フィスカー・・・2023年8月
- ホンダ/アキュラ・・・2023年9月
- ジャガー・・・2023年8月
- ヒョンデ・・・2023年10月
- キア・・・2023年10月
- ジェネシス・・・2023年10月
- BMW・・・2023年10月
- ロールス・ロイス・・・2023年10月
- ミニ・・・2023年10月
- トヨタ/レクサス・・・2023年10月
- スバル・・・2023年11月
- ルシード・・・2023年11月
- フォルクスワーゲン・・・2023年12月
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