| クルマを試乗するときはこんなところに注意している |
さて、ぼくは数々のクルマの試乗を行いますが、そこで「気をつけてチェックしている」ことを紹介してみたいと思います。
チェックする内容は「ディーラー」「担当者」「クルマそのもの」となりますが、順を追って見てみましょう。
ディーラーここんなところを見てみよう
まずは「ディーラー」編。
ここで気をつけて見ているのは主に駐車場、サービス工場、施設の整理整頓。
「駐車場」については入れやすさや停めやすさということですが、購入後になんども入庫することになるので、ここはけっこう重要ですね。
その次にサービス工場ですが、ここでのクルマの扱い方や保管方法は気になるところ。
つまり預かったクルマを大切に扱っているかということですが、急発進・急停止やハンドル据え切りが多いとちょっとやだなあ、と思います。
加えて預かっているクルマが「雨ざらし」だとこれも心配になるところですね。
これらについては、ズバリ「サービス工場ってどうなってるんでしょうね」と聞いて、迷惑にならない範囲で見せてもらえばよく、自信があるところは「どうぞ」と快く見せてくれます(安全確保のため、関係者以外立ち入り禁止の場合もある)。
そして施設の整理整頓ですが、これはショールームや工場両方で、ちゃんと設備が揃っているか、片付いているか、というところですね。
このあたりは明確な判断基準があるわけではなく、「比較」と「経験」でしかその判断ができないので、いくつかのディーラーを訪問し(同じブランドのディーラーでも複数回ってみるべき)、比較してみると良いでしょう。
そのほかだと、ぼくは購入時にけっこうカスタムを行うことが多く、「どこまでやってくれるのか」のも重要。
あれもダメ、これもダメということだと購入後も同様に要望を聞き入れてくれない可能性が高く(ディーラーの規則でカスタムNGなところもあったり、単に”面倒臭いから”断るところもある)、あまりにダメダメだと購入を見送ったり、同じブランドであっても他のディーラーで購入することも。
ディーラーの担当者は重要だ
ぼくがかなり重視するのが「担当者」。
要はセールスさんですが、やはりクルマ好きの担当者から購入したいと考えますし、少なくとも自社の製品(クルマ)とそのライバルについてはしっかり把握しておいて欲しいもの。
もちろん研修でそのあたりについては講習を受けているはずですが、それを習得できていないようだと「購入後も」なにかを忘れられたりすることがあります。
このあたりは商談中に競合車の名を挙げて「迷っている」と言ってみると、その返答でセールスさんの熱意を推し量ることができる、と考えています。
そして、自社のクルマばかりを推し、他社のクルマを貶めるようなセールストークを行う人はちょっと受け入れるのが難しく、公平にいいところとそうでないところを述べてくれる人や、こちらの家族構成や使い方など、ヒアリングをしっかり行ってくれるセールスさんは信用がおける、という印象。
こちらも「ディーラー編」と同じで、信頼できるセールスさんが見つかるまで、同じブランドのディーラーであっても複数訪問することがあり、実際に「最寄りでなくとも」他府県のディーラーにてクルマを購入することもあります。
そしてやはり、「仕事だからクルマを売っている」という人ではなく、そのクルマの魅力をわかってくれる人にこそ乗って欲しいと考えているセールスさんは信頼がおける、とも考えているのですね。
試乗ではこんなところを見てみよう
そしていざ試乗ですが、なかなか試乗でそのクルマを判断するのは難しく、ぼくが一番重要視するのは「乗り心地」。
たとえスーパースポーツであっても「乗りにくい」クルマはいずれ乗る機会が減ってしまいますし、優れたスポーツカーは「そもそも乗りやすい」とも考えています。
具体的にはクルマの出だしが滑らかか、視界は優れるか(けっこう重要)、ブレーキのタッチは自然か(カックンではないか)、ハンドリングは自分の感覚に近いかどうか。
ハンドリングについては、「曲がろうと思ってハンドルを回した分」と実際にそのクルマが曲がる度合いが一致しているかどうか、さらにステアリングを切り足さないといけないのか、思ったよりも曲がってしまうのか、ということですね。
あとはそのクルマの「インターフェース」で、ぼくがとくに重要視するのは「シート」。
全く記憶に残らないようなシートが「いいシート」だと考えていて、柔らかかったり硬かったり、という印象が残っているシートはあまり「いいシートではない」と考えています。
そのほかはスイッチ類のタッチや操作した時の楽しさなど、「飽きさせない」要素があるとベター。
ただし憧れのクルマに乗ると冷静に判断できないケースがほとんどで、そこでもっと簡単にそのクルマを判断する方法は「フィーリング」。
異性への「一目惚れ」と同じで、理屈抜きでいいと思えるクルマは買うべきクルマであり、試乗の時間が短く感じられ、「もっと乗っていたい」と思うのもいいクルマ。
さらに言えば、試乗を終えて家に帰った後でもその感触がまだ手に残っていたり、「もう一度運転したい」と思うのは確実に「買い」なクルマだと思います。
逆に「早くディーラーに戻ってクルマを降りたい・・・」と思うクルマは、いかに憧れていたクルマでも購入を見送ったほうがいいかもしれません。
なお、試乗においても「エンジンを始動させるところから」行わせてくれたり、試乗車の機能や装備をしっかり説明してくれるセールスさんはやはり信頼が置けると考えて良さそう。