| ハマーブランドは2010年に消滅。現在はGMのもとで再建案を模索中 |
ハマーが「エレクトリック」SUVとトラックブランドとして復活する、との報道。
ハマー(HUMMER)はご存知の通り一世を風靡したSUVで、しかし湾岸戦争の勃発、原油価格の高騰、そして燃費の悪い車は中東を儲けさせるだけであるという風潮のもとに販売が悪化。
その後ハマーブランドを保有するGMはハマーブランド売却を試みるもうまくゆかず、有力と見られていた中国は四川の会社への売却にも失敗。
そしてやむなく2010年にブランドを廃止するに至っているわけですね。
ハマーは「間が悪かった」ブランドの一つ
ただ、ぼくはハマーについては「色々と時期が悪かった」ブランドだとも考えていて、というのもハマーブランドが消滅した後に原油が安くなり、「SUVブーム」がやってきたため。
そしてアメリカではお金持ちの乗るクルマNo.1がフォードF-150という状況になっていますが、ハマーがもうちょっと頑張っていれば、今のF-150の地位はハマーのものになっていたのかもしれません。
そして「売却」の時期にしても、あと数年遅ければ中国の長城汽車(SUVで世界No.1を取ると豪語しており、ジープブランドの買収を表明している)が買ってくれた可能性があったんじゃないかと思ったり。
現在GMは「ハマーブランドのリニューアル」について調査を開始していると言いますが、近いうちにテスラはエレクトリックトラックを発売する計画を持っていますし、マスタングのエレクトリックSUVも発売が計画され、さらにエレクトリックトラックのスタートアップ、RIVIANの受注も好調だと言われるので、GMがここで「ハマー復活」を考えるのも当然なのかもしれません。
ハマーのルーツは軍用車
なお、ハマーのルーツはAMゼネラルが作っていた軍用車「ハンヴィー(HMMWV=High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle(高機動多用途装輪車)」。
その後AMゼネラルは「レンコ」グループに買収され、時を同じくして「ハマーH1」が登場しています。
そして1999年にレンコは「ハマー(HUMMER)」の商標権をゼネラルモータースへと譲渡し、GMはそこからH2、H3とバリエーションを拡大することになりますが、わずか10年でハマーブランドは生涯を閉じてしまったということになりますね。
ただ、その知名度とインパクトは「絶大」なブランドでもあり、そしてかつてのハマーのイメージとは真逆の「エレクトリック」で復活するとなればさらに衝撃は大きく、ぜひ復活して欲しいものだ、と思います。