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クーペSUVはなぜ人気?購入者は「若く、価格を気にせず、しかし外観を気にする」。そこからわかる自動車の目指すべき方向とは?

2020/05/11

| 重要なのは数字ではなく、感覚に訴えかける”何か” |

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さて、近年はクーペスタイルを持つSUVが比較的人気。

もともとの火付け役は「BMW X6」ですが、その後BMWはさらにX4を投入し、ライバルたるメルセデス・ベンツはGLCクーペ、GLEクーペを投入しています。

そのほか、ランボルギーニもウルス、アウディもQ8そしてQ3スポーツバック、ポルシェもカイエン・クーペを発売済み。

これら以外にも、「クーペ風」のデザインを持つSUVは数多く、ひとつのブームだと捉えていいかもしれません。

クーペSUVはどんな人々が買っているのか

なお、日本だとあまりクーペSUVは人気がなく、しかし米国と中国では比較的高い人気を持つ、とも。

私見ではありますが、「セダンとSUV、そしてクーペSUVが好まれ、ワゴンが好まれず、コンパクトカーはサッパリ」という点において”米国市場と中国市場はよく似ている”と考えていて、「コンパクトカーが好まれ、ワゴンも比較的好まれるものの、セダンはオワコン」というところにおいて”日本市場と欧州市場は似ている”のかもしれないと捉えています。

ただ、アメリカで人気のトラックが中国では好まれず、日本で人気のミニバンも欧州では一般的ではないという傾向もあり、必ずしも「一致」とまではゆかないようですね。

そして不思議なのは、アメリカで人気が高く、欧州でも「まずまず」と言われるクーペSUVにつき、日本市場ではほぼ人気がないこと。

この理由は不明ですが、米国において「クーペSUVを買う人」の傾向についてAutoblogがレポートしており、ここでその内容を見てみたいと思います。

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クーペSUVを買うのはこんな人

まず、この統計で明らかになったのは、クーペSUVを購入するのは、同クラスの箱型SUVの購入者よりも年齢が2-5歳ほど若いこと。

そして価格を気にする傾向がより低く、自身やクルマのイメージを大切にすること。

なお、この「イメージ」というところについて、クルマそのものが他とどれだけ差別化できているかということを気にしたり(一般的なクルマを好まない)、クルマを自分の延長線上つまり自分のアバターとして捉える傾向が顕著だと触れています。

つまるところ、若くて、お金があって、クルマをファッションだと捉える人々だということになりそうですね。

なお、「価格」という観点だと、たしかにクーペSUVは割高で、たとえばメルセデス・ベンツGLCだと、同じ220d 4MATICで比較した場合、SUVボディのGLCだと690万円、しかしGLCクーペだと721万円。

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参考までに、BMWだとX3 M40iの価格が889万円、X4 M40iの価格が999万円という設定です。

こうやって見るとクーペSUVは「スペース効率からすると割高」で、ロジカルな買い物ではないということになりますね。

ただ、買い物はいつもロジカルに進められるというものではなく、いわゆる行動経済学では「経済は感情で動く」としており、つまりは明らかに合理的ではない選択肢にお金を支払うのが消費者であるとしています。

クーペSUVの場合は、「モノは乗らず、割高だが、カッコイイので」という理由にて選ばれていることになり、「モノが乗る、価格が安い」という数値で判断できる合理性より、「カッコイイ」という数値化できない感情が勝った結果だということにもなりますね。

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そう考えてゆくと、自動車メーカーは「燃費」や「馬力」、はたまた荷室が何リットルとかそういった数字ではなく、「いや不便だけど、どうしてもこのクルマが欲しい」という”感情に直接訴えかける”製品づくりを目指したほうがいいのかも。

現在の自動車市場で活発なのはスーパースポーツや超高級SUVですが、これらは常識的に考えると「無用の長物」ではあるものの、”それでも欲しい”と思わせるからこそ、消費者も財布の紐を緩めるのだと思われます。

そして日本では、「合理的ではない判断」がときに好まれず(とくに家庭を持っている人の場合は要求が却下されることも)、クルマはファッションアイテムではなく実用品として捉えられる傾向があり、よって”ロジカルではない”クーペSUVが好まれないのかもしれませんね。

なお、古来の日本(”いとをかし”な時代)では無駄なことが好まれる傾向があったと認識していますが、いつのまにか日本ではそういった「無駄を楽しむ」心を忘れてしまったようにも思います。

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VIA:Autoblog

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