元アップルのデザイナー「流行は振り子のように戻ってくる。今のタッチ式ディスプレイによる操作は時代遅れになり、物理コントロールが復活するかも」

｜ ジョナサン（ジョニー）・アイブはフェラーリ初のピュアエレクトリックカー、そしてアップルカープロジェクトにも関わっている ｜

たしかにすべてデジタル式がいいとは限らない

さて、現在多くの自動車メーカーはアナログ式の操作系を排除し、様々な操作をタッチスクリーンにて行う方向性を採用していますが、一部自動車メーカー、そして一部評論家はこれに反発しているという様子も見られます。

そしてこの「なんでもタッチ」の方向性に反対しているのは元アップルコンピューターのデザイナー、ジョナサン・アイブ氏で、「タッチスクリーンによる操作を多用する自動車は好きではない。それらは、マルチタッチのようなものによって不適切に動かされている インターフェースの一例だ」とコメント。

なお、アップル・コンピューターはなんでもタッチで行おうとするインターフェースを採用することで有名ですが、ジョナサン・アイブ氏にとって、「自動車はそうあるべきではない」ということなのかもしれません。

流行は振り子のように戻ってくる

そしてジョナサン・アイブ氏は「トレンドはタッチスクリーンから違うものへと移行するかもしれない。潜在的に、流行の振り子は、触覚と物理的に魅力的なインターフェイスを持つほうへと少し揺れる可能性がある」とも語っており、行き過ぎたタッチスクリーン化の反動によって物理スイッチが見直される可能性も指摘しています。

タッチスクリーンを推進する自動車メーカーとしてよく知られるのはテスラですが（ミニマルさを求めるという美的な理由と、スイッチを排除してコストを抑えたいという経済的な理由があると言われる）、テスラをベンチマークする多くの中国系自動車メーカーもこの流れに乗っており、ちょっと前だとメルセデス・ベンツ、ポールスター、アウディも同様です。

しかしながらここ最近はちょっとした変化があり、アウディは2020年頃には「物理スイッチをなくす」と言っていたものの・・・。

つい最近では物理スイッチを残す、とも。

ただしこれは高級感の演出という側面があるようですね。

そしてBMWのインテリアデザイナーであるマティアス・ユンガンス、ポールスターではコニー・ブロンメ、DSのティエリー・メトロスも「そろそろ大型スクリーンは時代遅れ」とも語っており、メルセデス・ベンツでは「ハイパーデジタル」から「ハイパーアナログ」へと移行しているモデルも出現しているので、確実にタッチスクリーンは時代遅れとなりつつあるようですね。

参考までに、アルファロメオCEOも「クルマは走るipadではない」。

なお、ホンダもタッチ式からアナログへと一部操作系を戻していますが、この理由は「タッチ式だと機能を呼び出すのに手間がかかり、事故のリスクが増える」からで、そのためエアコンやオーディオのボリューム系についてはアナログへ操作を採用することとなっています。

ジョナサン・アイブはフェラーリやアップルカーのプロジェクトに参加

ジョナサン・アイブ氏はフェラーリ初のピュアエレクトリックカーのデザインに参加し、Apple Car（プロジェクト・タイタン）の企画にも参加しているそうなので、これらにおいて自身の考える最新の試みを実現する機会が訪れるかもしれませんね。

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参照：Verge