| ただしこれに代わる技術が存在しない今、すべての自動車メーカーがタッチスクリーンを廃止するとは考えにくい |
現時点でも大型タッチスクリーンを拒否するメーカーがあるように、今後はその方向性が分化することになるものと思われる
さて、BMWは先日発表した新型7シリーズ / i7に31.3インチサイズのパノラマディスプレイを搭載したところですが、カーデザインニュースが開催したライブストリームにて、BMW iシリーズのデザイン責任者であるマティアス・ユンハンス氏が「将来的には、巨大なタッチ式スクリーンは姿を消すだろう」とコメント。
その意図としては、「将来的なインターフェースは、必要なときにだけ姿を表す」先進的なものになるだろうと考えているからだと述べており、つまり現代のタッチ式スクリーンは「時代遅れになるだろう」ということですね。※ホログラムやジェスチャーのような操作方法をイメージしているのだと思われる。思えばBMWは昔からジェスチャーコマンドに積極的だった
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ポールスターも同様の見解を示す
そしてボルボの高級ブランドであるポールスターもまたタッチ式スクリーンを好傾向にありますが、ポールスターのインテリアデザインマネージャー、コニー・ブローメ氏は「すべてのデザインにピークがあり、おそらく大型インフォテイメントスクリーンは現在がピーク」だとコメント。
加えて「たいていの場合、クルマで移動しているときは、スクリーンを楽しむよりも景色を楽しむものです」とも述べていますが、まさにそのとおりなのかもしれません。
現在高級車市場においては多くの自動車メーカーが「大きなインフォテイメントスクリーン」を採用する傾向にあるものの、これはもともとテスラが始めたもので、しかし当時は多くの自動車メーカーが(テスラやEVを軽んじていたのと同様に)このインフォテイメントスクリーンを否定しており、しかしその後多くのメーカーがテスラをベンチマークとした車両開発を行うようになって、それとともにこの大型スクリーンが「常識」となってきたように思います。
それを考えると、大型インフォテイメントスクリーンが「過去のものになるのかどうか」は消費者や自動車メーカーは決めるのではなく、「テスラが次に何を採用するのか」によって決まるのかもしれませんね。
参考までに、テスラは「首振り式」インフォテイメントシステムを導入するものと見られ、走行中であっても助手席の人がゲームなどを楽しめるという方向性を採用することになりそうです。
なお、現在出会っても一部自動車メーカーは液晶式インフォテイメントシステムをミニマムに留める例が存在し、ホンダやジャガーはそういったメーカーのひとつであり、そしてアルファロメオも「我々が作るのは走るiPadではない」とも。
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つまりこれらは「重要なのはインフォテイメントシステムではなくドライバビリティ」だと主張していることになりますが、またある一部の自動車メーカーは「走るスマホ」的性格を強調しており、インフォテイメントスクリーンがなくなるというよりは、その捉え方や消費者の選び方が二極分化するだけなのかもしれません(ドライバーズカーに大きなインフォテイメントスクリーンは不要だが、ファミリーカーには必要かもしれない)。
BMWはその販売の25%をオンライン化する計画を持っている
インフォテイメントシステムが変わってゆくのと同様、BMWは「新車販売の方法も変わってゆく」と考えており、BMWは将来的に新車の25%をオンラインにて販売する計画を持っているもよう。
すでにアドビとのパートナーシップにて「パーソナライズされたデジタル顧客体験」を提供する準備を進めているといい、BMWの副社長であるイェンス・ティーマー氏によれば、「全購入者の3分の1は、オンラインで車を購入することを明確に想像できます。そして、それを可能にするために、私たちは小売業者と一緒に準備をしなければならないのです」とのこと。
ただし新車販売のすべてがオンライン販売に移行することは難しいとも述べておいて、それは「オンライン販売が中心のテスラが、物理的なディーラーの拡充を行っている」ことからも明らかだとし、つまりは「オンライン販売とリアル店舗とは相互に補完し合う」関係にあると言いたいのだと思われます。
なお、こういった動きはコロナ禍に突入してから顕著になったと理解していますが、かつては軽視されていたものが急に重視されるようになったり、またその逆もあったりして、そうやって世の中は変わってゆくのでしょうね。
ちなみに一部の自動車メーカーはオンラインにて点検など入庫の予約受付を行うようになっていて、整備が終了した際の報告や、修理箇所の説明についても動画を配信することで完了させるようになっており(けっこう便利)、こういった動きも加速してゆくものと思われます。
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