■そのほか自動車関連/ネタなど

クラシックカーオーナーの50%が「世間の目が(環境面から)厳しくなった」と回答!加えて大半が自身のクルマに乗り続けるにはエレクトロモッドよりも合成燃料を希望

2022/11/20

ポルシェ

| エレクトロモッドはコストがかかりすぎる割に得られるものが多くはない |

クラシックカーであれば、やはり内燃機関を回してクルマとの対話を楽しみたい

さて、最近はガソリンエンジンをエレクトリックパワートレインへと入れ替える会社がいくつか登場しており、これまでにもコルベットやフェラーリ、ポルシェなどのエレクトリックコンバージョンが登場しているほか、ジャガーやミニはメーカー純正扱いにて「ピュアエレクトリックカーへとコンバート」し、外したガソリンエンジンを預かっておいてくれるというサービスも開始しています。

本家ミニが自らクラシックミニをエレクトリック化する「ミニ・リチャージド」プログラムを公開!これで旧ミニも安心して乗ることができそうだ
本家ミニが自らクラシックミニをエレクトリック化する「ミニ・リチャージド」プログラムを公開!これで旧ミニも安心して乗ることができそうだ

| 出力は122馬力、満充電あたりの走行距離は160km | 外したエンジンはミニが保管、いつでもガソリンエンジンへと戻すことも可能 さて、これまでにもクラシックミニをエレクトリックカーへとコンバート ...

続きを見る

ただし人々はエレクトリックコンバージョンを望まない?

こういったエレクトリックカーへのコンバートは「ガソリン車に乗ることが違法になってしまう時代に備えて」あらかじめ行ったり、メカニズム的に不安のあるクラシックカーの機関を電動へと入れ替えてトラブルフリー、そして安心して乗れるようにという意図があるものと思われます。

ただ、最近行われた調査では「圧倒的多数の人が」エレクトリックパワートレインへの換装つまりエレクトロモッドを望んではおらず、自身のクラシックモデルを合法的に、そして将来にわたって乗るためには「合成燃料(Eフューエル)」を支持すると回答したもよう。

この合成燃料は現在ポルシェやランボルギーニほかいくつかの自動車メーカーが開発に取り組んでおり、これを使用することで「カーボンフリー」を実現できるというものですが、従来のガソリンエンジンに対してガソリンと同じように給油して使用できるため、既存のインフラを使用したり、クルマを買い換える必要がないわけですね。

今話題の「合成燃料」!そのままガソリンエンジンに使用できカーボンフリーを実現できるものの「何が問題でなぜ普及しない」のか?
今話題の「合成燃料」!そのままガソリンエンジンに使用できカーボンフリーを実現できるものの「何が問題でなぜ普及しない」のか?

| そもそも合成燃料に対する国際社会の理解が進まず、その有用性が理解されていない | やはり普及させるには国際的な共通認識確立、各国政府の理解が必要 さて、昨今話題となっている合成燃料。これは石油由来 ...

続きを見る

正確に言うならば、合成燃料といえどエンジン内部で「燃焼」が行われるためにCO2が排出されるのですが、合成燃料はその製造過程において「合成」がなされる際にCO2を吸着するため、いかにCO2を排出したとしても、製造段階でCO2を吸収しているという理由にて「プラスマイナスゼロ」という計算が可能となっています。

さらに言うならば、EVは製造過程において(バッテリーの製造に必要な気象希土類のいくつも考慮すると)ガソリン車よりも多くのCO2を排出し、充電のための電力がクリーンエネルギーによるものでなければ「走れば走るだけCO2を排出しているのと同じ結果」となってしまいます。

電気自動車の製造は「ガソリン車の1.7倍のCO2を排出」していた!ボルボの試算だと、EVがガソリン車よりもエコになるには、約11万キロも走らねばならない
電気自動車の製造時には「ガソリン車の1.7倍のCO2を排出」していた!ボルボの試算だと、EVがガソリン車よりもエコになるには、約11万キロも走らねばならない

| ボルボがC40、XC40を用いて調査したというのだから間違いはなさそう | つまりEVは「距離を走らなければ」ガソリン車よりもよっぽど環境によろしくない ボルボは、COP26にて「ゼロエミッション ...

続きを見る

そう考えると、EVを製造してガソリン車からEVへと買い換えさせるよりも「合成燃料を普及させる」ほうがどう考えてもエコということになりますが、多くの政治家は「EVこそが未来」だと信じているようですね。

ポルシェ911のマニュアル・トランスミッション

ただし合成燃料の普及には課題も残る

しかしながら合成燃料の普及にはいくつかの課題があり、ひとつは「非常に高価(普及したとしてもガソリンの倍くらい)」ということ、そして「合成燃料が広く認知されなければ、世間にエコとして認識されない」ということ。※加えて、国によっては合成燃料をCO2削減の手段として認めないかも

後車に関していえば、「クラシックカー愛好家の約50%が、自分のクルマに対する世間の監視の目が厳しくなっている」という統計があるそうで、つまり今後ますますクラシックカーに乗る人々は世間の目と戦いながらクルマに乗らねばならず、たとえ合成燃料が実用化されたとしても、「合成燃料=エコ」だと世間が認識していなければ、自分たちは環境の敵だとみなされることを懸念しているのかもしれません(エレクトロモッドにしても同じかもしれないが、少なくともEV化すれば排気音がなくなるので、多くの人にはそれがEVであると理解できそう)。

法的な面だと、EUが「2035年にガソリン車全面禁止」という決定を行っているものの、これはあくまでも「新車販売」に限定されたものであり、中古車の取引や、すでに所有しているガソリン車についてはまだまだ(あと数十年、少なくともぼくらがクルマを運転できる年齢である間は)乗ることが可能です。

よって、その間に「EVだけがカーボンフリー達成の手段ではないこと」そして「ガソリン車であっても合成燃料を使用すればエコな存在であること」という周知が広くなされ、そしてなにより合成燃料が普及し、ガソリンスタンドで入手できるようになることを願わんばかりです。

あわせて読みたい、関連投稿

ランボルギーニ
ランボルギーニはまだ「完全に電動化するかどうか」について最終判断を下していない?合成燃料(eフューエル)に対するEUの対応を注視しているようだ

| たしかにeフューエルが認められるかどうかによって今後の流れが大きく変わる | しかしeフューエルが一般に流通するとは考えにくく、将来はディーラーにて販売するようになるのかも さて、現在多くのスーパ ...

続きを見る

フォードGTをエレクトリックコンバート
フォードGTをEV化する会社が登場!過去には911をエレクトリック化しており、「EV化することでガソリン時代よりも性能を向上させる」ことを目的としているようだ

| 近い将来、ガソリン車をEV化するビジネスが一般化しそうだ | ただしまだまだコストが高いのが難点ではある さて、ポルシェ911をフル電動化したことで一気にその名を知られることとなったエヴァラッティ ...

続きを見る

【動画】ポルシェ356をエレクトリック化する会社が登場!純正トランスミッションを使用し「ガソリン車同様、発進にはクラッチ操作、走行時にはシフトチェンジが必要」
【動画】ポルシェ356をエレクトリック化する会社が登場!純正トランスミッションを使用し「ガソリン車同様、発進にはクラッチ操作、走行時にはシフトチェンジが必要」

| こういったエレクトロモッドは大歓迎 | ガソリン車同様の感覚がどれくらい残されているのかが非常に気になる さて、ここ数年のEVの進歩には眼を見張るものがあり、ちょっと前だとEV=遅い、環境のために ...

続きを見る

参照:CARBUZZ

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

-■そのほか自動車関連/ネタなど
-, , , ,