「5年でもっとも価値が下がらないクルマ」はポルシェ911、次いで718ケイマン。ここに家族に対し「ポルシェを買う」と説得する明確なエビデンスが登場する

｜　数年前まで「ポルシェのスポーツカーは比較的値が下がる」傾向にあったものだが　｜

逆にもっとも価格が下がるのはマセラティ・クワトロポルテ

さて、米中古車ポータル「iSeeCars」にて価値が下がらないクルマのランキングが公開。

なお、同サイトによると「コロナウイルスのパンデミックが収束したといえど、その影響は色濃く残っている」コメントしており、該当期間中には車両の生産が十分ではなく、これが今でも中古車市場に「タマ不足」を引き起こしているのだそう。

そして「2020年以前は、5年落ちの中古車は平均して50％以上の価値を失っていたが、それ以降に生産されたクルマは38.8％しか価値を失っていない」ことにも言及しています。

たしかに日本においても、コロナ禍以降「一部の車種において、中古車のほうが新車よりも高い」という状況が普通になってしまっていて、サプライチェーンが回復し生産が滞りなく行われるようになった今であっても我先にと新車を買い求め、そして中古市場では人気モデルの低走行車が大量に高値販売されているという現実があるように思われます。

中古市場ではハイブリッド車、トラック、SUVが好まれる

今回の統計からは、中古市場においてハイブリッド車とトラックが「値段が下がらない車種」ということが鮮明になっており（それぞれ5年で37.4％と34.8％しか下がらない）、これに次ぐのはSUV（41.2％）、逆にEVはもっとも価格が下るセグメント（49.1％）という結果が出ています。

そこでまず、こちらはEVの値下がりしないランキングですが、それでも業界平均である38.8％に比較して大きく値下がりしていることがわかりますね。

この理由としては、EVに関する技術が日進月歩であり、たったの1年でもそのEVが時代遅れになったり、そして5年もたてばバッテリーが劣化したり、そして現在の（中国車主導による）価格競争によって新型EVの価格が下がってきていることが考えられます。

ただ、逆の視点から見ると、「中古EVは格安で購入でき、かつ維持費も安い」という（単なる移動手段としては）優良物件であるとも捉えることが可能です。

「5年で価格が下がらない」クルマのTOP15はこんなメンバー

そしてこちらは「5年で価値が下がらない」クルマのランキング。

パンデミック以前は比較的値下がりの大きかったポルシェのスポーツカーが多数ランクインしており、これはちょっと前からすると「異変」と言って良いかもしれません（ポルシェのスポーツカーを購入する理由のひとつとして、家族を説得できるかもしれない）。

全般的に見ると趣味性が高いクルマが多いように思われ、しかしいつの世であってもこの傾向は変わらない（ただしメンバーが入れ替わっている）と認識しています。

5年で価値を大きく下げるのはこういったクルマ

そして逆にこちらは「新車登録から5年でもっとも大きく価値を下げる（価値を失う）クルマ」のランキング。

これもまた以前と変わらない傾向を維持しており「プレミアムセダン」「プレミアムSUV」が大きくその価値を下げるという流れとなっていますが、やはり逆の見方をすると「中古のプレミアムセダン、プレミアムSUVはお買い得である」と考えることもできそうですね（ただし、そこからまだ価値が下がる可能性がある）。

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参照： iSeeCars