| 完璧なコンディションを目指すため、その復元台数には「上限」があるという |
独自の技術を盛り込むことで「もともとの性能を取り戻すだけではなく、プラスアルファの耐久性と性能」を持たせることが可能
さて、奈良県吉野郡にあるGT-Rのレストア/リペアショップ、ガレージヨシダを紹介する動画が公開。
これはD1グランプリ公式フォトグラファー、ラリー・チェンが取材しハガティのYoutubeチャンネルより公開されたもので、ハガティいわく「ガレージヨシダは日産GT-Rのレストアショップとして世界をリードしている」。
動画の内容を見るに、ガレージヨシダでは日産が(ニスモと共同で)行う公式レストアサービス「以上の」ものを提供しているようですね。
-
【動画】日産とニスモが公開したR32 GT-Rのレストア「NISMO Restored car」。実際のレストアはこうやって行われる!
| ここまで手をかけてくれるのであればGT-R乗りも納得しそう | さて、日産とニスモは昨年末に「R32 GT-Rのレストアを開始する」と発表していますが、今回はその様子を記録した動画が公開に。このレ ...
続きを見る
ガレージヨシダではカスタム治具やオリジナルパーツの製作も
R32/R33/R34世代の「スカイラインGT-R」は今やその名声を世界に轟かせ、多くのファンを有しているものの、R32スカイラインGT-R(BNR32)の登場は1989年、R34スカイラインGT-R(BNR34)は1999年の発売なので「ややくたびれてきている」のもまた事実。
すでに手に入らないパーツも多くなっていて、しかし日産はスカイラインGT-R愛好家のためにパーツの復刻も開始しており、そして2021年には日産自らがレストアサービスを開始しています。
一方、今回紹介するこのガレージヨシダは吉田光造氏によって運営され、そのミッションは「世界中のすべてのGT-Rを救う」。
ただし1台1台のGT-Rになみなみならぬ情熱を注ぐためにレストアできる台数は限られており、必要なクオリティを保つために「あと100台しかレストアしない」とも(この100台の枠が埋まっているのかどうかはわからないが、GT-Rのレストアを考えているのであれば、少しでも早くコンタクトを取ったほうが良さそうだ)。
レストアに際しては完全に車体をドンガラ状態にまで分解して塗装を剥離し、電解槽に沈めて錆を落とすところから始めるのだそう。
その後は純正の防錆コーティングを2度施すことになりますが、「元に戻す」こと以上に、「より長い間、本来の性能を発揮できる」ように最大限の注意が払われているように思います。
そしてレストアを行うには様々な治具を自ら製作し・・・。
カスタム治具も。
現在日産が再販しているGT-R用パーツも十分に保有していますが・・・。
ガレージヨシダの最大の武器は「日産では手に入らない部品を作れること」だといい、高張力鋼板を使用し、オリジナルのパーツ以上の強度や耐久性を持った部品を製作できると紹介されています。
そのほか各パーツの再メッキやパウダーコートの導入による耐久性アップ、GT-Rを長年手掛けてきたことによる知見を生かした「泣き所」の改良など、日産では行うことが難しい、ガレージヨシダいわく「プラスアルファ」の作業による長寿命化も可能となっています。
ガレージヨシダでは「事故車」のレストアも可能
そして重要なのは、ガレージヨシダでは事故車の修復、そしてレストアも行っていること。
日産の提供するレストアプログラムについては「コンディションによって施行可否」を判断されることになるそうですが、おそらくはマツダの提供するロードスターのレストアプログラム同様、「無事故、無改造、無破損」でないとレストアを受けてもらえない可能性も。
ただしこれくらいの車齢になると「新車時から所有している」例は非常に少ないものと思われ、中古で入手したとしてもどこか改造されていたり、クルマの性格を考慮すると事故や損傷があってもおかしくはないと思われます。
そして、ずっとあこがれ、ようやく手に入れたGT-Rを今後も長く乗ろうと考えレストアを行おうを考えたとき、「ノーマルじゃないから」「事故車だから」「サビがあるから」としてレストアを受けてもらえないのはあまりにもオーナーに対してもクルマに対しても不幸というものです。※ただし日産の提供する「NISMO Restored Car」ではレストア可否の詳細(条件)を公開してない
-
マツダによる初代ロードスターのレストア第一号が完成!レストア基本費用は250万円~、フルレストアでは485万円
| マツダの「レストアプロジェクト」第一号車が無事にオーナーのもとへ | マツダが開始した、初代ロードスター向けのレストアサービス。 2017年に発表され2018年から実際に受付け→レストアが開始され ...
続きを見る
一方、ガレージヨシダの場合はビジネスとしてこのGT-Rの修復や復元を行っているというよりも、ライフワークとして(上述の通り)「世界中のGT-Rを救う」ことを目的としているため、おそらくはもとの状態を問わずにGT-Rを蘇らせてくれると期待して良さそうですね。
日産スカイラインGT-Rの救世主、ガレージヨシダの仕事ぶりを紹介する動画はこちら
あわせて読みたい、日産スカイラインGT-R関連投稿
-
その価格4500万円!ニスモがR32 GT-Rのレストア事業を開始。新車時価格の約10倍なるも、それだけの価値はありそうだ
| NISMOだけあって最高レベルのレストアを行ってくれそう | さて、日産とNISMOは共同にて、スカイラインGT-Rのパーツを復刻する「NISMOヘリテージプログラム」を2017年より展開していま ...
続きを見る
-
日産スカイラインGT-Rを中心に50台以上を保管しているショップが名古屋にあった!400R LM(R34)、NISMO R34 CRS、トミーカイラなどその内容がスゴすぎる【動画】
| ここまでの希少GT-Rが揃うと常に窃盗グループから狙われていそうでちょっと怖い | すべての在庫を合計するととんでもない額となりそうだ さて、日産スカイラインGT-RはR32、R33、R34世代と ...
続きを見る
-
その在庫額「数億円」。東京近郊に裕福なアメリカ人のためにGT-Rを買い付け、そして輸出できるようになるまで保管する倉庫があった
| 多くの顧客は25年ルール対象外となる数年前から「青田買い」をはじめ、数年間ここに寝かせているそうだ | なんだかんだ言ってGT-Rも「あるところにはある」ようだ さて、日産R32〜R34世代のスカ ...
続きを見る
参照:Hagerty