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ベントレー「現時点で、今年は昨年同期比+50%の受注があった」。大きく伸びたのはやはり中国。そしてベントレーは中国偏重姿勢を強めるも「落とし穴に注意すべき」とボクが思うワケ

ベントレー・ベンテイガ

| おそらく現在の「好調」は一時的な規制緩和によるものだと思われる |

ベントレーが「今年は現時点で、昨年比の+50%の受注がある」と発表。

これはベントレーCEO、エイドリアン・ホールマーク氏がロイターに語ったものですが、中でも特段に伸びたのは「中国」。

昨年のこの時期だとまだコロナウイルスがさほど大きく騒がれておらず、よって昨年同期は「平年並み」だったとも考えられますが、今年はそれを大きく超える受注があったということになりそうです。

なお、ベントレーは2020年通じ、ほとんどの自動車メーカーが販売台数を落とす中でも2%の成長を記録していて、これに寄与したのは中国の+48%という驚異的な伸び。

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やはりどの自動車メーカーも中国ナシでは生き延びることができない

ベントレーやロールスロイスはとくに中国依存度が高いと言われ、その要因としては「中国人は押し出しの強いクルマを好むから」。※ベントレーにおける中国市場は北米に次ぐ二番目

そして中国市場の特徴としては、他の国に比較して「女性オーナーが多いこと」。

これは「愛人需要」のほか、そもそも中国には女性経営者が多いということが関係しているそうですが、成功した女性起業家が高級車を購入するケースがかなり多いのだそう。

ちょっと前の数字ではあるものの、ブランドによっては女性オーナー比率が35%以上にものぼるという統計も見たことがあり、よってベントレーが「今後は女性ウケするクルマを作る」と(以前に)コメントしたことも頷けます。

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中国の経済政策はフレキシブル

なお、中国はコロナウイルスの発生源として世界中から避難されていますが、その後「パンデミックからのいち早い回復」を世界にアピールしており、かつ視覚化可能な、経済的な指標においてもそれを示そうとしているように感じられます。

つまり、国内での強い消費を見せることで「困難な状況においても、世界で真っ先に回復した」という状況をアピールし、世界に対しての存在感、リーダーシップを強めようとしているということですが、そのため、おそらく中国は現在「相当にインパクトのある景気対策」を実施しているのだと想像(このあたりはあまり報道されず、調べても出てこないので推測でしかないけれど)。

たとえば、中国人の特徴として、日本含む世界中での「爆買い」が報じられていますが、これは「中国でモノを買うと高いから」。

嗜好品や高級品、国内産業と競合する製品に対して高額な関税を課しており、しかし海外では「免税」にて購入できるので、今まで中国のお金持ちは海外にまでモノを買いに行っていたということですね。

そして、中国としては、その「海外で消費するお金」を国内消費に回せば国内需要を大きく盛り上げることができるということになり、主に高額な輸入品の価格を引き下げ、これまで海外に流れていたお金を国内にて消費させるようにしているのかもしれません(国内の製造業にダメージを与えないよう、国内産業と競合するモノの関税は引き下げず、このあたりはうまくコントロールしていそう)。

さらに、関税ほか税金の引き下げによって、これまで「あまりに高価なので購入をためらっていた」製品を購入するように仕向けている可能性があり、もしかするとそのひとつが「高額な輸入車」なのかも。※ハイブランド品の売上も伸びていると報じられるので、それらも対象になっていそう

現在、中国では輸入車に高額な関税を課し、一定の価格を超える場合はさらに高額な税金(贅沢税的なもの)を課していますが、ここまで急激に輸入車が販売を伸ばしているということは、これを「緩和」した可能性もありそうです。※もともと、この税制は緩和される傾向にはあった

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中国市場にはそれなりの危険性も

ただ、中国市場はこういった「フレキシブルな緩和」を実施できる反面、「フレキシブルな締付け」も可能。

よって、景気が回復したと判断すれば、再び税率を引き上げる可能性もありそうです。

加えて、国内の自動車メーカーと競合する場合、そして中国政府の意向にそわない場合は「独断で」排除することができるのも中国市場の特徴。

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そのため、中国市場に依存していると、数年前のロールスロイスのように「一瞬で販売台数が1/3になったり」、マセラティのように1/10になったりということも起こりうるわけですね。

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このあたり、中国は実に多彩な方法で市場および人民をコントロールしているということを意味しており、「大きな魅力もあるが、同時に大きなリスクもある」のが中国市場ということになりそうです。

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参照:Reuters

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