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【V8復活?】マセラティがV6時代に終止符を打つ日が来るか?開発責任者が語る可能性

マセラティ

| マセラティは「怪我の功名」にて思わぬ復活を遂げるか |

「運命」とはわからぬものである

さて、先日は「MCPura(エムシー プーラ」を電撃発表したマセラティ。

この「Pura(プーラ)とはイタリア語で「ピュア」を意味しますが、これはマクラーレン、フェラーリ、ランボルギーニが「ハイブリッドへ」移行しつつある中、ピュアな「ガソリンオンリー」を貫くマセラティの主張であると言われています。

ただ、これはぼくとしては「怪我の功名」だとも捉えていて、というのもマセラティはMC20に対し、もともと「ガソリンオンリー」「エレクトリックオンリー」の2つの構成を与えることを計画しており、しかし様々な事情から「エレクトリックオンリー」つまり”フォルゴーレ”の投入が中止になり、結果的に「ガソリンだけが残った」から。

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2022年は「全モデルに電動板”フォルゴーレ”を用意する」と明言したマセラティ。今回は「誰も欲しがらないため」MC20フォルゴーレの発売を中止すると正式に認める

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これがもし、「マセラティがガソリン→ハイブリッド→ピュアエレクトリック」という段階を踏んで電動化を進めていたならばこうはならなかったものの、「ハイブリッドをスキップした」ために現在の状況を迎えていて、もしかするとマセラティはこの現状を「逆に利用し」思わぬ復活を遂げる可能性が出ています。※ぼくとしては、この状況を逆手に取って活用しない手はないと思う

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V8を失ったマセラティ、復活の兆し?開発責任者が語る「V8復活の余地」

マセラティといえば、かつてフェラーリ製V8エンジンを搭載したスポーツモデルで知られており、しかし現在では、すべての市販モデルには3.0リッターV6ツインターボ「Nettuno(ネットゥーノ)」エンジンが搭載され、V8は完全に姿を消した状態です。

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とはいえ、V8復活の可能性が完全に消えたわけではないというのが今回のニュースであり、マセラティのエンジニアリング責任者ダヴィデ・ダネジン氏がオーストラリアのメディア「Car Expert」とのインタビューで以下のように発言しています。

「市場のV8に対するムードは理解している。将来的に特別仕様や限定モデルでV8を再導入する可能性はある」

つまり、量産車ラインナップでの復活は未定ながら、プレミアム仕様での復活は選択肢として残っているようですね。

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「Nettuno(ネットゥーノ)」V6のメリットとV8の難点

現在マセラティの主力であるNettuno V6には、以下のような利点があることが知られており、一方でV8は物理的に大きいため、現代のプラットフォームに適合させるには課題が多いとされています。

  • コンパクト設計により、フロントミッドシップやミッドシップレイアウトに適応
  • AWD(四輪駆動)システムとの両立が容易
  • 高出力(630馬力)・高トルク(730Nm)
  • 前後重量配分に優れる
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V8消滅の経緯:フェラーリ製エンジン供給終了

マセラティのV8は、もともとフェラーリから供給されていたもので、しかし、2019年にはフェラーリとの契約が終了。

その後、ギブリ、クアトロポルテ、レヴェンテの「トロフェオ」シリーズ、「ギブリ334 Ultima」といった特別仕様で“さよならV8”が演出されたことも。

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Ghibli 334 Ultimaのスペック

  • エンジン:3.8L V8 ツインターボ
  • 出力:572馬力/730Nm
  • 0-100km/h加速:3.9秒
  • 最高速度:334km/h(車名の由来)
  • 限定生産:103台(1959年の5000GTへのオマージュ)
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アメリカ市場がカギ?マセラティ再編の動きも

現在マセラティの世界販売の35〜40%はアメリカ市場が占めており、アメリカでの戦略が今後を左右する重要要素です。

現在、親会社のStellantis(ステランティス)はコンサル企業「マッキンゼー」と共に、マセラティとアルファロメオの将来戦略を検討中だと報じられ、こうした再編の中で、ブランド価値を高める「V8復活(アメリカ市場はV8エンジンが好まれる)」案が注目される可能性は大いにあります。

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まとめ:マセラティV8復活は「完全否定されていない」

現在の技術的・戦略的な中心はV6「Nettuno」ですが、以下のようなシナリオでV8が再び登場する可能性は残っているものと考えられ、次なるマセラティのスーパーカーが「MC25」の名で登場するとも噂される中、再び“8気筒の咆哮”が蘇る日が来るのか――注目が集まります。※ただ、MC20の車体にV8を押し込むことは物理的に用意ではないだろう

  • 限定生産モデル
  • プレミアム仕様
  • ブランド価値向上の一環

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参照:Car Expert

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