>ロータス(Lotus)

ロータスが「中国側で5年、英国側で20年以上にわたる法的闘争の結果、中国で”ロータス”の商標をついに奪還」。これで晴れて「ロータスNYO」から「ロータスへ」

ロータス

| さらにロータスは2024年12月に販売面における新記録を樹立 |

加えて2025年はF1チーム創設75周年、エスプリの50周年である

さて、ロータスが中国においてブランド名、ロゴ、および中国での商標権を正式に再取得したことを発表。

この発表は2024年12月の売上が記録的な伸びを示し、ロータスが2024年のトップ3に入る超高級車ブランドの1つであることを主張していることと同時に行われていますが、中国市場では「LOTUS」の商標がすでに他社によって抑えられており、よってロータスは中国にて「LOTUS NYO(ロータス ニョ)」という名称にて展開を行っていたわけですね。

中国だとロータスは商標の関係で「ロータス」を名乗れず「ロータスニョ(LOTUS NYO)」を名乗っていた。なお電動ハイパーカー、エヴァイヤの納車はこの夏に開始
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ロータスの売上は2024年12月にはじめて2,000台を超える

さらにロータスは「2024年12月の売上が初めて2,000台を超えた」とも報告し、正確な数字はまだ公表されておらず、それでもこれはロータスにとっての新たな記録。

また、ロータスは現在、超高級車ブランドのトップ3にランクインしているとも主張しているものの、「超高級車ブランド」そしてこの順位が何を意味するのかについては”まだ定義されていない”という不明点も。

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ロータスは中国にて法的闘争を展開していた

さらにロータスグループのCEO、冯清峰(フォン・チンフォン)氏は、上述の通りロータスが中国での法的闘争に勝利したと発表していて、その結果、2024年12月7日以降、ロータスの象徴的な丸いロゴ、中国語商標「莲花(リャンホア/ロータス)」、および関連するワードマークがロータスグループに戻ったことが確認されています。

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ロータスは2017年にジーリー(吉利汽車)が過半数の株式を取得して以来、中国では「ロータスNYO」という名前で販売されていましたが、これも上述のとおり他社がロータスの商標を取得していたためで、この「ロータス名に関する問題」は2000年代初頭に中国のヤンマン(Youngman)グループとの契約にまでさかのぼります。※2010年〜2011年にかけてもロータスはF1において商標問題が生じ、”2つのロータス”が誕生している

元々ヤンマンはロータスとの契約により」その販売権と中国名である「莲花」の使用権を取得していて、この契約の下、ヤンマンはロータスの車両を中国へと輸入していたわけですね。

そして「ヤンマンとロータス」との契約が成立した背景にはさらにややこしい事情があり、まず1996年以降、ロータスブランドはマレーシアの自動車メーカー、プロトン(Proton)によって所有されていたのですが、ヤンマンはプロトンと契約を結び、マレーシアのプロトンGEN-2用の30,000台分のCKD(コンプリート・ノックダウン)キットを購入します。

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これにより、ヤンマンはプロトンをベースにした車両の生産を開始し、「エンジニアード・バイ・ロータス」というタグライン付きの「Europestar」ブランドで販売を開始するのですが、2000年代に入ってからこのブランド名が廃止され、単に「莲花(リャンホア/ロータス)」と呼ばれるように。

ヤンマンとプロトンとの契約は2012年に期限が切れたものの、プロトンベースの車両の生産は2015年まで続けられ、ロータスの英国側とジーリーは、この名前の使用権をヤンマンから取り戻すため、長期間にわたる法的手続きを行ってきたというのがこれまでの経緯ですが、この12月のロータスの勝利は、中国側で5年、英国側で20年以上にわたる法的闘争の結果であり、ついに商標とロゴの問題が解決されということを意味します。

これにより、ロータスは中国で「ロータスNYO」という名前を使用する必要がなくなり、となるとこれまでロータスが中国で用いてきた「LOTUS NYO」なるエンブレムはある意味希少な存在となるのかも。

いすれにせよ、これは「快挙」ともいえるもので、F1創設75周年、そしてロータス・エスプリ50周年にあたる2025年の展開にはずみをつけることになりそうですね。

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