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ブガッティの「20億円ハイパーカー」は1930年代のT57SCをモチーフに?世界に3台しかない「T57SC」とは?

2019/02/22

T57SCアトランティークは「世界でもっとも美しいクルマ」と言われる

ポルシェ創業者であるフェルディナント・ポルシェの孫、フェルディナント・ピエヒ氏が「ブガッティに、20億円にも達するワンオフハイパーカーを注文したのでは」というウワサが出ていますが、どうやらこれは「本当」のようで、そのウワサに呼応するかのように、ブガッティが突如かつての「タイプ57SCアトランティック(アトランティーク)」を起用した動画を立て続けに公開。

ポルシェ創業者一族が注文したというブガッティの20億円ハイパーカーはこうなる?なお一族にとって「20億円」は資産4500万円の人の「2000円」と同じレベル

ブガッティ・タイプ57SCアトランティークって?

そして「ブガッティ・タイプ57SCアトランティーク」とは何かということですが、これを語るにはブガッティの歴史から入る必要が。

まず、ブガッティ創業者のエットーレ・ブガッティは1881年にイタリアはミラノに生まれ、その後一家とともにパリへと移住。
最初に自ら製造したのはエンジン付き3輪車で、その後彼はこの車両でレースに参戦し、いくつかのコーチビルダーにて開発や設計を担当しています。

その後1907年に自身で設計した最初の「4輪車」タイプ10(T10)を完成させ、1909年に自らの会社「オトモビル・エットーレ・ブガッティ」を設立していますが、 その後レーシングカーとしてタイプ35(T35)、12,763ccという常識はずれの排気量を持つタイプ41(T41)ロワイヤル、タイプ57(T57)SCアトランティック等をリリース。

現ブガッティCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏への最近のインタビューでは、ブガッティの三本柱として 「T35のような合法レーシングカー」「T41ロワイヤルのような快適性と高級さ」「T57SCアトランティークのようなアイコン的デザイン」 を掲げていて、つまりT57SCアトランティークは「ブガッティの象徴」とも言えるクルマのひとつ。

このブガッティ・タイプ57SCアトランティークのエンジンは直列8気筒3.3リッター、出力は200馬力(スーパーチャージャーつき)で、最高時速は200キロを超えるとされ、1930年代に製造されたクルマとしては規格外の性能を持っていた、と言えますね。

なお、ブガッティ・タイプ57は1934年から1940年にかけて全シリーズ通じ710台が生産されていますが、タイプ57アトランティークは自動車史上「最も美しいクルマのうち一台」だとされ、その生産台数はわずか3台のみ(オープンを入れると4台)。

ちなみにこのタイプ57シリーズ(ボディ形状は4種類ある)は創業者であるエットーレ・ブガッティの息子であるジャン・ブガッティによる設計。
エットーレ・ブガッティの父も芸術家であったとのことなので、ブガッティ家は「三代にもわたり、その類まれな才能を発揮した」ということにもなります。

そして3台のうち1台を所有するのがかのラルフローレンで、同氏はほかにもタイプ57(SCアトランティークではない)を所有。

ただ、その中でもタイプ57SCアトランティークは特別のお気に入りだと見え、ラルフローレンは自身の腕時計コレクションより、このタイプ57CSアトランティークをモチーフにしたモデルも発売しています(正規販売店にゆくと、T57アトランティークのミニカーと一緒に展示してある)。

そしてフェルディナント・ピエヒはド級のクルマが大好きだ

今回この「20億円ハイパーカー」を注文したフェルディナント・ピエヒ氏は無類のハイパーカー(というか”デカい”クルマ)が大好きで、そもそもフォルクスワーゲングループの会長を務めていた際、ブガッティを買収したのも、ヴェイロン発売を手がけたのもフェルディナント・ピエヒ氏。

それ以前にも「アウディ・ローゼマイヤー(8リッターW12、700馬力)」を企画したり、フォルクスワーゲンとしては異例中の異例でW12エンジンを搭載した「フェートン(まさか発売するとは思わなかった)も同氏主導のプロジェクト。

こんなコンセプトカーもあった。スチームパンクなアウディ「ローゼマイヤー」

そのほか同氏は、ブガッティW18/3シロンの企画も率いたことで知られます(ランボルギーニ・ディアブロがベース)。

こんなコンセプトカーもあった。ディアブロのシャシーを使用したブガッティW18/3シロン

アウディ・アヴス(W12、6リッター)もやはりフェルディナント・ピエヒ氏の仕業。

こんなコンセプトカーもあった。鏡面仕上げのアルミボディを持つ「アウディ・アヴス・コンセプト」

こんな感じで、とにかく「デカいエンジンとパワー」大好きなのがフェルディナント・ピエヒ氏ですが、ここで思い出すのが、以前に目撃された「とんでもなくデカいブガッティ」。

下は昨年夏に捉えられたプロトタイプですが、これまでの情報を総合するに、「こんなにバカでかいクルマを注文するのは、世界広しといえどもフェルディナント・ピエヒ氏しかいないだろう」と思われます(ボディカバーも特注っぽい)。

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