| 500台のうち、もっとも価値の高いブガッティ・ベイビーIIであることは間違いないだろう |
車体にはブガッティのデザイナーが直接ドローイングを行っている
さて、ブガッティは先日、「ブガッティの黄金時代を全身で表現した」歴史絵巻的なグラフィックをボディ上に施したシロン・スーパースポーツ・ゴールデンエラ、そして同様のテイストをもし(しかしグラフィックなしの)W16ミストラル・ゴールデンエラを発表していますが、この”ゴールデンエラ”シリーズにはなんと三番目の車両が存在することが明らかに。
そしてこの3番めのゴールデンエラとはリトル・カー・カンパニーが製造するブガッティ・ベイビーIIで、シロン・スーパースポーツ・ゴールデンエラ同様のカラーリング、そしてグラフィックを持っています。
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ブガッティの最高傑作、シロン・スーパースポーツ「ゴールデンエラ」発表。車体には過去のブガッティ、そして車体を構成するパーツが描かれる「動く歴史絵巻」に
| ボディカラーは専用色のゴールド、そこでデザイナーが直接アートを再現することで「走る芸術品」が誕生する | インテリアは左右で「過去と未来」を表現し、それぞれの革新を視覚的に表現 さて、ブガッティが ...
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ブガッティ・ベイビーIIとは?
ブガッティ・ベイビーIIについておさらいしておくと、これは1920年代にまでルーツを遡ることができ、当時ブガッティ創業者であるエットーレ・ブガッティが、自身の息子であるローランド・ブガッティのプレゼントとして作ったタイプ35の縮小版、「ブガッティ・ベイビー」がその原型。
このブガッティ・ベイビーはローランド・ブガッティのためのワンオフモデルだったそうですが、これを見た顧客から次々と制作依頼が舞い込み、1927年~1936年にかけ合計500台が生産されています(シロンの創生産台数は500台であるが、シロンと並んでもっとも多くの台数が作られたブガッティがこのベイビーでもある)。
そのあまりの精巧さ、実車のブガッティと変わらぬクラフトマンシップによって製造されていたことから、当時のブガッティファンの間では「ブガッティの真のコレクションは、ブガッティ・ベイビーを揃えてようやく完成する」と言われており、そして現代に復刻されたのが「ブガッティ・ベイビーII」というわけですが、これは内燃機関の代わりにエレクトリックパワートレーンを備え、実車の2/3サイズにて再現されています。
そして今回、特筆せねばならないのが、ボンネット上に描かれた、在りし日のエットーレ・ブガッティとローランド・ブガッティ(”Ettore et Roland”と書かれている)。
そのタッチはノスタルジーを感じさせるもので、思わずホロリとしてしまいそうですね。
ブガッティ・ベイビーII ゴールデンエラはこんなクルマ
そしてこのブガッティ・ベイビーII ゴールデンエラの車体には、シロン・スーパースポーツ・ゴールデンエラ同様のモチーフ(ブガッティの過去から現在までのクルマ、そしてパーツなど)にてイラストが描かれていますが、この作業を担当したのはブガッティにて実際に(シロン・スーパースポーツへと)ペンを入れたその人。
こんな感じで鉛筆を使用して直接車体に絵を入れてゆきます。
なお、ブガッティはシロン・スーパースポーツ・ゴールデンエラを制作する際に「ボディに直接絵を描くための手法や塗料」を開発することからはじめたといい、このベイビーII ゴールデンエラにもまったく同じスキームが用いられているものと思われます。
左の方にはエットーレ・ブガッティの弟であるレンブラント・ブガッティが(ブガッティのクルマのために)考案した”立ち上がる象”。
このモチーフはシロン・スーパースポーツ・ゴールデンエラには見られなかったように思われ、このベイビーII専用のデザインなのかもしれません(となると、このベイビーIIは非常に特別な存在ということになる)。
左テールにはブガッティの現代のハイパーカー、そして社屋のイラスト。
これらはシロン・スーパースポーツ・ゴールデンエラに描かれるものと同じではあるものの、ややレイアウトが異なるようです。
こちらはひと世代前のヴェイロン、そしてその前EB110スーパースポーツ。
ブガッティ・ベイビーIIは合計で500台が生産される予定となっていますが、もちろん「ゴールデンエラ」仕様はこの一台のみ。
当然ながらシロン・スーパースポーツ・ゴールデンエラのオーナーへと納車されるものと思われ、W16ミストラル・ゴールデンエラとあわせてガレージに保管されることとなるのだと思われます。
そしてこれだけの手間がかかっていることを鑑みるに、ベイビーII史上もっとも高価な個体となる可能性が高く、つまり1000万円をゆうに超えると考えて良さそうで、いかに大人も乗れるとはいえど、基本的にキッズ用乗用トイであるこのクルマにその金額を出すのは勇気が必要となりそうですが、ブガッティの歴史を全身で表現していること、そしてさらに1台しか存在しないとなれば「話は別」であり、いったん売りに出せば新車時よりはるかに高い価格にて買い手を見つけることができそうですね。
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参照:little.cars