| ブガッティにおけるカスタムの内容は台数を追うごとに「複雑化」している |
実際に目にすると恐ろしいほどのインパクトを放っていそうだ
さて、先日は「黄金時代」にちなんだゴールドのシロン・スーパースポーツを公開したブガッティですが、今回は「ゴールドのW16 ミストラル」を自身のインスタグラム上にてドロップ。
これはペブルビーチの「ザ クウェイル・モータースポーツギャザリング」において披露されるもので、くだんのシロン・スーパースポーツ”ゴールデン・エラ”と同時に展示される、とのこと。
なお、このW16ミストラルもまたブガッティのパーソナリゼーションプログラム「シュールムジュール」にて製作される特別仕様車であり、そのカスタムの可能性を示す一台です。
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ブガッティはW16エンジン時代の終焉を迎える
現在ブガッティはシロンシリーズ、そしてそれをベースにしたハイパーカーの受注を終了させ、現在はその受注分を粛々と製造しているという状況ですが、2024年にはシロン後継モデルの発表を控えており、「新世代」へと移行する予定です。
ただしその新世代ハイパーカーについてはW16エンジンを搭載せずにハイブリッド化されることがわかっており(エンジン型式はアナウンスされていない)、よってW16エンジンを搭載するモデルはもう新車で購入できないわけですね。
そしてW16エンジン最後のモデルとして発表されたのがこの「W16ミストラル」。
ブガッティ最強スペックである1,600馬力の「トール」スペックエンジンを搭載し、はじめて、そして唯一車名に「W16」と入るブガッティです。
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ブガッティ W16ミストラルは「特別中の特別」
そして「W16」という名を持つだけあってミストラルは非常に特別な作りをもっており、そもそもこのW16ミストラルは「ブガッティ唯一のオープンモデル」。
元々シロンはオープンモデルを想定しない設計を持っているので、このW16ミストラルのを製造するにはそうとうな構造変更を行わねばならないのは間違いのないところ。
「通常」のクルマであればいざしらず、ブガッティの場合は時速400キロ以上(W16ミストラルの最高速は420km/h)での走行を考慮に入れねばならず、よって「ちょっと屋根を切っただけ」のオープンモデルではまったく用をなさないわけですね。
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よってこのW16ミストラルの価格はおよそ7億円(限定台数は99台)という、ラ・ヴォワチュール・ノワールを除けば最も高価なブガッティとなっていますが、その価値は当然ながら数倍にも達するものと思われます。
ブガッティ・シロン・スーパースポーツ・ゴールデンエラと同じオーナーの所有?
なお、このW16ミストラルの詳細については現時点では公開されておらず、おそらくはシロン・スーパースポーツ・ゴールデンエラのと同じオーナーのもとへ納車されるのではと推測。
というのもシロン・スーパースポーツ・ゴールデンエラは顧客からブガッティへの働きかけによって誕生したモデルであり、その特別なボディカラーもブガッティとの話し合いの過程にて誕生したものだと紹介されています。
となるとブガッティがそのカラーを他の顧客向けに転用するとは考えられず、もしそうするとブガッティは最も重要な顧客の一人を失ってしまう可能性も出てくるわけですね(それがオートクチュールの世界でもある)。
かつ、この顧客はシロン・スーパースポーツ・ゴールデンエラのように「もっともデザインと制作に時間のかかったブガッティ」を所有するにたる人物ということになり、であればW16ミストラルを発注している可能性も非常に高く、よって今回シロン・スーパースポーツ・ゴールデンエラと「同時に」このW16ミストラルを製造したのかもしれません。
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