![さすが「おフランス」!レーシングカーなのに内外装ともオシャレさを忘れないル・マン用レーシングカー「プジョー9X8」が公開](https://intensive911.com/wp-content/uploads/2021/07/Peugeot-9X8.jpg)
| レーシングカーなのにリアウイングなしとはこれいかに |
エンブレムは「新型」、前後ランプにはライオンの爪痕を想起させる「クローライト」
さて、ル・マン24時間レース「ハイパーカークラス(LMH)」に参戦を表明し、これまでにもその参戦車両の情報を小出しにしていたプジョーですが、今回はル・マン・レーサー「9X8」を正式発表。
プジョーとル・マンというと関係性が薄いようにも思えるものの、過去にはアウディの連勝記録を破ったこともあり、そこから10年以上の沈黙を破っての復帰ということになります。
![Peugeot-9X8-2](https://live.staticflickr.com/65535/51296421985_20fac03737_c.jpg)
ライバルはトヨタ、そしてスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス
このプジョー9X8はル・マン24時間レース含むWECを戦うマシンであり、2022年シーズンにおいてトヨタやスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスのマシンと戦うことになりますが、ライバルたちが「丸っこい」デザインを採用する中、手が切れそうなほどのエッジを持っていることがひとつのトピック。
![Peugeot-9X8-3](https://live.staticflickr.com/65535/51295593473_eb5445e144_c.jpg)
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そのデザインはレーシングカーと言うよりもレンダリングアーティストの描く「未来のコンセプトカー」のようですが、レーシングカーには珍しい「直線」が多用されています。
![Peugeot-9X8-4](https://live.staticflickr.com/65535/51296421955_ded129df11_c.jpg)
なお、このプジョー9X8をレーシングカーっぽく見せていないのは「直線」だけではなく「リアウイングがない」のもその一因だと考えて良さそう。
![Peugeot-9X8-5](https://live.staticflickr.com/65535/51296421920_838d8b026f_c.jpg)
プジョーのエンジニア及びデザイナーたちは「リアウイングがなくともダウンフォースを十二分に発揮できる」エアロパッケージを実現させており、ステランティスのモータースポーツ・ディレクターであるジャン-マルク・フィノ氏いわく、「PEUGEOT 9X8にリアウイングを搭載しなかったことは、大きな革新的ステップです。我々は、この特徴をなくすことができるほどの空力効率を達成しました。しかし、その方法は聞かないでください(ライバルには秘密にしておきたいから)」。
![Peugeot-9X8-11](https://live.staticflickr.com/65535/51296421995_d51150223e_c.jpg)
フロントホイールの上には他のレーシングカーにも見られるカットアウトがあるものの、9X8はその上にウイング状の構造物を採用。
https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/51296422045/in/dateposted-public/ホイールハウス内から排出されたエアはボディサイド上部を通ってリアへと流れるようですね。
![Peugeot-9X8-9](https://live.staticflickr.com/65535/51296134759_46254d65e1_c.jpg)
そこからフィンを伝ってリアエンドへとエアが導かれるようですが、そのダウンフォースの秘密はボディパネルの下に隠されている可能性も。
なお、テールランプはライオンの「爪」をイメージした「クローライト」。
ドアは非常に小さく、「このサイズでドライバーの交代を素早く行えるのか」と思うものの、そこはなんとか訓練にてカバーするのかもしれませんね。
![Peugeot-9X8-6](https://live.staticflickr.com/65535/51296421900_4cc86f21ea_c.jpg)
ホイールデザインもレーシングカーというよりはコンセプトカーのように見え、WECを走るレーシングカーとしては全体的にあまりにもオシャレ。
おそらくはこの姿でサーキットを走ると相当に目立つことは間違いなく、もしこの9X8が優勝なぞしようものならば、レーシングカーのトレンドが一気に変わってしまうこともありそうです。
![Peugeot-9X8-12](https://live.staticflickr.com/65535/51295593403_801e4ec81c_c.jpg)
プジョー9X8のコクピットもまた特殊
そして9X8のコクピットもまた外観同様に「およそレーシングカーらしからぬ」デザインを持ち、やはり直線を多様しているようですね。
![Peugeot-9X8-13](https://live.staticflickr.com/65535/51295419226_a06242e924_c.jpg)
ドラポジは「ヒップよりも足を上に上げる」V字腹筋スタイル。
![Peugeot-9X8-7](https://live.staticflickr.com/65535/51296421805_e8448647ae_c.jpg)
後方確認はミラーではなく「カメラ」にて行なう模様。
![Peugeot-9X8-15](https://live.staticflickr.com/65535/51294673357_8ae84f52fd_c.jpg)
このプジョー9X8につき、パワートレーンは最高出力671psの2.6リッターV6ガソリンエンジンと最高出力268psの電気モーターを組み合わせたハイブリッド。
ガソリンエンジンは7速デュアルクラッチトランスミッションを介して後輪を駆動し、900ボルトの電気モーターは前輪を駆動します。
「9X8」というネーミングについては、過去のプジョー製ル・マン用レーシングカーである905と908から「9」を、そして4WWDをあらわす「X」を、「8」はプジョーのロードカーとの関連性を示している、とのこと。
プジョーの9X8ドライバーには、ケビン・マグヌッセン、ポール・ディ・レスタ、ジャン・エリック・ベルニュ、ロイック・デュバル、グスタボ・メネゼス、ミケル・イェンセンなど、モータースポーツ界でのトップレベルの経験を持つドライバーが招集されており、6名の名が上がっているところを見るに、2台が出走するものと思われます。
参照:Peugeot