| 思ったよりも新型BMW 2シリーズ・クーペには力が入っているようだ |
BMWはもうガソリンエンジン車には興味がないと考えていたが
BMWがついに長い沈黙を破り新型2シリーズ・クーペを発表。
ざっと見た印象では、現行のBMWとはかなり異なる(しかし一部では共通性のある)ディティールを採用してきたなというもので、同じクーペである4シリーズとは大きくそのデザインを変えてきたようですね。
なお、4シリーズとは異なり、巨大なキドニーグリルが存在しないため、胸をなでおろしているファンも多いかもしれません。
そのシルエットはある意味では古典的
なお、この新型2シリーズ・クーペについて、(後部座席を緊急時用と割り切ってのことなのか)キャビンを後ろの方へと全体的に移動させており、そのため「ロングノーズ、ショートデッキ」という古典的な印象も。
フロントタイヤがかなり前に出ているという印象もあり、そして前後フェンダー付近のプレスライン含む処理は全く新しいものだと思います。
サイドステップはいったん上に、そして奥に入り、ブラックのアクセントを用いているため、前後とくにリアフェンダーの張り出しが大きく見え、いわゆる「コークボトルシェイプ」を強調しているようですね。
ドアハンドルは驚くべきことにi4などのエレクトリックモデルで採用される「フラッシュマウント」。
このあたりはコストをかけている部分であり、2シリーズ・クーペは「4シリーズ・クーペの廉価版ではない」ということを暗に主張しているのかもしれません。
新型2シリーズ・クーペはディティールも「新しい」
そして新型2シリーズ・クーペが新しいのはそのシルエットのみではなく、ディティールも。
たとえば、キドニーグリルのフレームは「2ピース」となっていて、M240iだとセリウムグレーのインナーフレームに加え、グロスブラックのアウターフレームも。
リアディフューザー含むリア周りもシャープかつ立体的そして装飾的。
BMWはここ最近までこういった「機能に関係のないデザイン」を好まない傾向にあったと認識していますが、M3/M4以降はややその方向性が変わっていて、パーツの造形やカラーによって、なんらかの視覚的効果を演出する方向へと動いているようですね。
ヘッドライトの内部構造、そしてデイタイムランニングランプも新しい構造へ。
BMWはかつて「レーザー」を次世代ヘッドライトとして捉えていた時期があったようですが、LEDヘッドライトに関する技術が向上したためか、最近ではレーザーを使用しなくなったように思います。
テールランプも立体的な構造を持っており、こちらは新型X3/X4とも通じる意匠ですね。
なお、テールランプについても「OLED」をあまり見なくなったような気も。
新型M2のボディサイズは全長4,547ミリ、全幅1,839ミリ、全高1,392ミリ、ホイールベースは2,741ミリ。
これは先代に比較するとそれぞれ109ミリ、66ミリ、25ミリ、51ミリ大きくなっているということを意味します(一応、後部座席の居住性は改善されているらしい)。
参考までに、この「リアエンドにつき、下に行くにつれ広がってゆく形状」はメルセデス・ベンツが好んで採用する手法でもありますね。
新型2シリーズ・クーペの出力は大幅向上
新型2シリーズに積まれるエンジンについて、北米だと255馬力の2.0リッター4気筒ターボエンジン(230i)、382馬力の3.0リッターツインパワーターボ6気筒エンジン(M240i xDrive)の二種が用意され、0−100km/h加速は全車だと5.5秒、後者では4.1秒。
トランスミッションは両方とも8速ATですが、240i xDriveにはM Sportリアディファレンシャルを備えたリアバイアス方式の四輪駆動システムが組み合わされています。
加えて、欧州では181馬力版の2.0リッター4気筒ターボエンジン、187馬力の2.0リッター4気筒ディーゼル+マイルドハイブリッドも選択可能。
そのほか、新型BMW 2シリーズでは、静的なねじり剛性を最大12%向上させ、トラックを広げることでスポーツ走行時のロール、タイヤ接地面の変化を最小限に抑えており、新型ベアリング採用によって摩擦レベルを最大45%低減するとともに、従来よりも約2.7kgの軽量化に成功した、とアナウンスされています。
足回りについても、バネ下重量を軽減するために多くのアルミニウム部品が採用され、オプションではMスポーツ・サスペンション、電子制御式ダンパーを備えるアダプティブMシャシーを選択できる、とのこと。
これらを見るに、新型2シリーズでは相当なパフォーマンスアップが期待でき、これから登場するであろうM2についても、かなりな戦闘力を期待できそうですね。
新型BMW 2シリーズ・クーペのインテリアも大幅進化
そしてBMWは新型2シリーズのインテリアも大きく改善しており、高品質な素材と加工、そして洗練されたデザインを与えています。
部分的には「iX」にも通じる意匠も見られ、(フラッシュマウントのドアハンドルともども)この2シリーズ・クーペが特殊な位置にあることもわかります。
標準仕様ではアナログメーターに8.8インチサイズのインフォテイメントシステムを有するそうですが、オプションではそれぞれ12.3インチのデジタルメーター、10.25インチのインフォテイメントディスプレイへとアップグレードが可能(ただしソフトウエアは1つ前のiDrive 7OS)。
インフォテインメントシステムについては、ワイヤレスにてApple CarPlayとAndroid Autoに対応し、インテリジェント・パーソナル・アシスタントは、自然言語によるリクエストへの応答が可能となったほか、駐車場に到着すると運転席の窓を自動的に下げるなどの対応が可能だとアナウンスされています(おそらくはGPSをベースにした動作となるはずで、日本では未対応だと思われる)。
北米バージョンの2シリーズ・クーペでは本革巻きスポーツステアリングホイール、デュアルゾーンオートマチッククエアコン、パワーフロントシートを標準装備し、ステアリング・ホイール・ヒーター、アンビエント・ライティング・システム、カラー・ヘッドアップ・ディスプレイ、フロントシートヒーター、14スピーカー+Harman Kardonプレミアムオーディオシステムなどがオプションとして用意されています。
運転支援システムについては、「前面衝突警告」、「車線逸脱警告」、「リアクロストラフィックアラート」、「アクティブブラインドスポットディテクション」、「スピードリミットインフォメーション」が標準、そして「ストップ&ゴー機能付きアクティブ・クルーズ・コントロール」や「バック・アップ・アシスタント」、カメラにて最大40秒の動画を撮影する「ドライブレコーダー」等がラインアップ。
日本への導入時期や価格についてはまだ発表されていないものの、北米だと230iが36,350ドルから、M240i xDriveが48,550ドルからという設定です。
参照:BMW