| BMWのマニュアル・トランスミッションはあと10年は継続 |
BMWは以前に「新型M3とM4にはマニュアル・トランスミッションはない。現行M2が最後のトランスミッションを持つMモデルになる」と発言していますが、どうやら新型M3とM4にはMTが存在する模様。
今回BMWの役員、クラウス・フローリッヒ氏がRoad adn Track誌に語ったところでは「実際のところ、ATをパドルシフトで操った方がよほど速い。とくにニュルブルクリンクではATのほうがずっと正確でスポーティーだ。よって全体的なポートフォリオだと、マニュアル・トランスミッションは消滅する。それは間違いのないことだ。ただし、M4はマニュアル・トランスミッションと切り離せない。そして、継続できる限りM4にはマニュアル・トランスミッションを継続する」とのこと。
結局いつまでマニュアル・トランスミッションは継続?
そうなると気になるのが「いつまでM4にマニュアル・トランスミッションが搭載されるのか」。
クラウス・フローリッヒ氏によると「時期M4にはマニュアル・トランスミッションが設定される」ことを約束しており、そして次期M4は2027-2028年まで継続の予定だとされ、つまり「あと10年くらい」はマニュアル・トランスミッションが選べるということになりますね。
なお、BMWがマニュアル・トランスミッションを廃止する理由としては、効率やコストの面からだけではなく、「現代の車は年々パワフルになってきていて、これがマニュアル・トランスミッションの存在を難しいものにしている」とのこと。
ただ、この「難しい」というのはドライバーの操作についてではなく「近年の高トルクに対応できるトランスミッションを用意すること」が難しいという意味だそうで、最近のターボエンジンに対応するには「これまでのマニュアル・トランスミッションだと対応できず、その開発コストを捻出することが難しい」と捉えるのが正しいようです。
なお、BMWは「トルコン式AT」に大きな可能性を見出していて、かなり速い段階から「トルコン式ATがベスト」との見解を示していますが、この方向性によると、現在ラインアップされている「DCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)」はそのうち姿を消すことになるのかもしれませんね。
なおDCTとトルコン式ATは同じ「自動変速機」ではあるものの、根本的にその作動原理が異なり、DCTはマニュアル・トランスミッション同様の「ギア」を用いたもので、これを採用するのはポルシェ、マクラーレン、フェラーリ、ランボルギーニ、メルセデスAMG GT、BMW M2/M3/M4など。
ダイレクトなドライブフィールが得られ、パワーロスが少ないかわりに、動きがギクシャクしたり、というデメリットがあります。
そしてトルコン式ATを採用するのはAMG GT以外のメルセデス・ベンツ、最近のBMW Mシリーズ、アストンマーティン。
「滑り」が問題となった時期もありましたが、BMWによると「それは過去の話」でもあり、大トルクに対応できる、小型化が可能となった、多段化も可能というメリットの方が大きい、としていますね。
正直いうとぼくはあまりトルコンATが好きではなく、MTもしくはDCTを好みますが、今後スポーツカーにもトルコンAT採用が広がりそうで、この傾向に対してはちょっと懐疑的でもあります。