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トヨタ「スープラにはハードコアモデルを用意。毎年改良を行う」。それに際してはBMWとの協業がプラスに働く場合、逆にマイナスの場合も

2019/08/15

| 色々な意味でスープラの仕様変更は難しい? |

新型トヨタ・スープラの発売については「成功」といって良いかと思われますが、一部ではやはり「BMWと同じ」という批判が存在する模様。
加えて、北米のみだと思われますが、「Z4と同じ車体やエンジンを持つ割に、Z4よりも出力が低い」という不満もあるようですね。

なお、「Z4よりもスープラのほうが出力が低い」のは北米市場特有の問題であり、というのもZ4については北米市場のみが「380馬力」、しかしその他の国は(日本含めて)340馬力。
これは北米市場が「まだ規制がユルい」ためで、締め付けもまたユルいため(そのぶん馬力を絞らなくても規制をパスできる)。

しかしながらスープラの場合は「世界共通で340馬力」なので、北米の人にとっては「なんで」ということになっているようですね。

スープラは「毎年性能アップ?」

それはさておき、新型トヨタのチーフエンジニア、多田哲哉氏がAutoblogのインタビューに対して語ったところでは、「スープラにはハイパフォーマンスバージョンが登場し、毎年バージョンアップ」。

ハイパフォーマンスバージョンについては以前にも報じられたことがあり、登場する可能性は高そう。
ただ、新型スープラはBMWとエンジンを共有しており、スープラ単独のパワーアップはBMWが許さない可能性があり、となるとZ4にも現在の「M40i」より上のモデルが登場しない限りは「スープラにもハイパフォーマンスバージョンを投入できない」可能性もありそうです。

なお、BMWはZ4について「M40iが最上位モデル」であること、「Z4 M」はないことを明言しており、理由としては「それを作ったとして、価格を考慮すれば、実際に買う人は少ないであろうから」。

となると、Z4が「イヤーモデル」にてパワーアップを果たさないことにはスープラもパワーアップは望めないということにももなりそうですが、「BMWがM部門の手によるエンジンをスープラに供給する」可能性もあるようで、このあたりはナントモ、というところ。

「イヤーモデル制」といえば、これは日本ではあまり馴染みのない概念。
ただし欧米ではかなり一般的で、というのも自動車に使用されるパーツを「年単位で」購買契約を結んでいるためで、つまり年が変われば使われるパーツが変わる可能性があり、もちろん意図的に変更する(改良する)ことがあるため。

よって、年単位の購買契約を更新する際に「新しいパーツや仕様に」変更することになりますが、これがいわゆる「モデルイヤー」という概念ですね。

もちろんBMWもこの「モデルイヤー制」を採用しているので、これにあわせてスープラを”バージョンアップ”させてゆくのは間違いないと言えそうです。

トヨタは年々「スープラにおけるトヨタ色を強める」?

そしてその他に可能性があるのは、トヨタは年々「スープラからBMW色を抜いてゆく」、つまりトヨタ色を強めてゆく可能性があること。
これは以前に多田哲哉氏が希望として語っていたように思いますが、BMW Z4との共有場所を減らしたいという意向を持っている模様。

じゃあなんで最初から共同開発したの?ということですが、これはコスト(お金、時間)の問題としかいいようがなく、しかしスープラの成功が現実となり、今後一定の台数が出るのであれば、トヨタはそこにコストを投じる理由があり、トヨタが独自に開発したコンポーネントやパーツを組み込んだりする可能性もあるのでは、と考えています。

ただ、スープラとZ4とは同じ工場(オーストリアのマグナ・シュタイヤー)の同じラインで製造されており、「仕様を分ける」ことについてはある程度の制限、そして限界はあるのかもしれません。

逆に気になるのはコストダウン

そして、ちょっと気になるのは「コストダウン」。
BMWはときに、発売した後に「コストダウン」することがあり、たとえばアルミ製だったドアがスチール製になったり、カーボン製だったプロペラシャフトがスチール製になったり、それまでホイールが左右「専用」であったものが左右「共通」になったりするわけですね(特に販売台数の少ない車種を継続させるために行われることが多い)。

そしてそれらは知らないうちに行われる事が多く、スープラも「BMWと同時にパーツ調達がなされるのであれば」そのようなコストダウンが行われるのでは、というのがちょっと心配。

ただ、トヨタはそういったコストダウンを良しとする会社ではないと思っていますし、もしトヨタとBMWが別々にサプライヤーとの交渉を行い、個別にパーツを仕入れているのであれば、これは杞憂に終わるのかもしれません。

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