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BMWが工場内で「車両の自動運転」を導入。完成から検査、積み込みまでをドライバー無しで勝手に走行、大幅な人員削減に成功する見込み

BMWが工場内で「車両の自動運転」を導入。慣性から検査、積み込みまでをドライバー無しで勝手に走行、大幅な人員削減に成功する

Image:BMW

| つまりBMWとミニの車両は「実際に自律運転が可能なスペックをもっている」と考えていい |

まさか工場内にてこういった使い方があったとは

さて、日米欧ではほとんど重要視されていない「自動運転(自律運転)ではありますが、中国市場では非常に高い需要があるといい、となるとこれを無視できないのが昨今の自動車メーカーです。

よって中国依存度の高いメルセデス・ベンツそしてBMW はかねてより自動運転技術の開発に多大な労力を注いでいますが、今回BMWが「完全自動運転に一歩近づいた」としてプレスリリースを発信することに。

その内容としては「(公道の上ではないものの)世界で最も複雑で忙しい運転環境の一つだとされる生産施設内でこれを実現し、この技術によってBMWやミニの新しい車両が自動で工場内を走行できるようになり、大幅な効率向上を実現できるようになった」というもの。

この「自動運転」を実現したのは自社の最大規模の工場2つでのみですが、このプロジェクトはすでにBMW上層部の認証を受け、他の工場でも自動運転システムの導入を開始する予定である、とアナウンスされています。

BMWはこれにょって生産コストを大幅削減

新車は車両組立工場で多くの場所を移動することとなりますが、工場内の狭い空間において作業員、ロボット、工作機械、数百台の新車、部品などが詰め込まれている中での運転は非常に難しく、したがって、車両は通常、高額で複雑なコンベアシステムによって扱われ、このシステムではいくつかのモデルしか処理できないため、BMWいわく「さらに多くの投資と複雑さを必要とする」。

そこでBMWが考えたのが「車両が自動で工場内を走行できるなら、その複雑さを省けるのでは」ということで、その過剰に過密な環境の中で人間が運転する際のストレスも軽減できると述べています。

現在この実験を行っているのディンゴルフィング工場で、ここではBMW5シリーズと7シリーズを7用いた試験を行っていて、現在はライプツィヒ工場にも拡大しており、ここではミニ・カントリーマンやその他のBMWモデルが製造されています。

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Image:BMW

BMWの生産担当取締役であるミラン・ネデリコビッチ氏は「工場内の自動運転は、私たちの生産プロセスを最適化し、物流において大きな効率向上をもたらします。そのため、この技術を私たちの生産ネットワーク全体に迅速に導入していきます」と説明し、BMWによれば、ディンゴルフィン工場では、車両が完全自動運転で(つまりセーフティドライバーなしで)2つの組立ホールの1つから約1キロを走行し、短いテストコースを経て仕上げエリアに到達するとのこと。

ただしこの区間を自動にて走行するにはインフラ側のサポートが必要であり、BMWはそのルートにセンサーを設置することにより、「的確な誘導」を行っているようですね。

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Image:BMW

このネットワークは「ヨーロッパで最大のLIDARインフラ」とも呼ばれ、システムは外部の動作プランナーと外部で生成された環境モデルにも依存しているそうですが、BMWは、ライプツィヒ工場で生産される車両の約90%が自動運転技術を使用すると述べ、レゲンスブルク(ドイツ)工場とオックスフォード(英国)工場でも2025年に導入されるほか、ハンガリーの新しい工場では、初日から自動運転技術が使用されることについても言及しています(つまり、いずれの車両も、それがアクティブになっていないにせよ、ポテンシャルとしては自動運転が可能ということを意味する)。

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Image:BMW

さらにBMWは、将来的に生産の他の部分にも自動運転技術を導入する計画を示しており、これには、車両テストゾーンや、車両がトラックや列車に積まれるのを待つ屋外エリアでの自動運転も含まれ、BMWは今後数年間で「数百万キロのテスト走行」を記録し、そのデータが道路上での自動運転技術の進展に役立つであろうとコメントしていて、路上での自動運転技術の実用化に向けて大きく前進したと考えていいのかもしれません。

なお、今回の自動運転にかかわらず、BMWは自社工場に「強化外骨格」を取り入れ、将来的にはロボット作業員を導入する試みを進めており、何かと生産環境の改善に熱心な企業ということになりそうですね。

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