新型メルセデスAMG GTクーペは「より高級に、より洗練され、より上質に」
ここまで大きくキャラクターの変化が与えられるスポーツカーも珍しい
さて、メルセデス・ベンツが待望の第二世代AMG GTを発表。
正確には（セダンとの混同を避けるためか）「メルセデスAMG GT "クーペ"」という名称が与えられています。
ご存知のとおり新型メルセデスAMG GTクーペはAMG SLとの共同にて開発がなされていますが、それによる大きな変化は（AMG SL同様の）リアシートが備わったこと。
さらには4WDすなわち4MATICが装備され、初代AMG GTとは大きく性質が異なるクルマとなっています。
新型メルセデスAMG GTクーペはこんなクルマ
そこで新型メルセデスAMG GTクーペについて見てみたいと思いますが、一見しての印象は先代と大きく変わらず、しかしこれは「意図的なもの」だと判断すべきだと考えていて、つまり初代がポルシェ911を強くライバルとして意識していたことから推測するに、911同様「初代のデザインを守り続けることで伝統を作ってゆきたい」と考えているのかもしれません。
ただし初代AMG GTは（おそらく）メルセデス・ベンツが期待したほどのヒットには至らなかったものと思われ、よって二代目メルセデスAMG GT"クーペ"では若干のキャクター変更を行うことにした可能性が高く、「後部座席」という911の持つアドバンテージ、そしてやはり911で高く評価される「4WD」を持ち込んだのではないか、と（ぼくは）捉えているわけですね。
ただし（もちろん）その外観が全く変わっていないわけではなく、先日フェイスリフトを果たしたAMG GT 4ドアクーペ同様、パナメリカーナグリル下に「ヒゲ」が追加され開口部が大きく見えるように。
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リアだと左右テールランプが連結して「ワイドに」見えるようになり、デイタイムランニングランプ同様に「3つの」発光エレメントを基本とした構成に。
加えてリヤスカート部分はより大きく、そして立体的な構造を持ち、バンパーとのデザイン的マッチングが向上しているように思います。
当初投入されるメルセデスAMG GTクーペは「GT63」「GT55」の2モデル
まず投入されるのは「メルセデスAMG GT63クーペ」「メルセデスAMG GT55クーペ」の2グレードで、これらはいずれも4リッターV8ツインターボエンジンを搭載しています。※のちに2リッター4気筒エンジンを積む「43」が追加されるかどうかは不明
トップレンジであるメルセデスAMG GT 63クーペは、585馬力と800 Nmのトルクを発生させ、この数字はAMG SL63と同一ではあるものの、0-60マイル（96.6km/h）加速は3.1秒をマークし、これはAMG SL63よりも0.4秒速い数字です。※最高速は315km/h
メルセデスAMG GT55クーペには475馬力と700 Nmを発生するエンジンが搭載され、これもSLの同等モデルと同じ数字。
0−60マイル加速は3.8秒だとアナウンスされており、こちらはAMG SL55と同じタイムとなっています。※最高速は295km/h
搭載されるトランスミッションは両方とも9速オートマチックトランスミッション（トルクコンバーターに代わるウェットスタートオフクラッチが採用）、そして駆動方式は両者とも全輪駆動（後輪のみに駆動力を分配することも可能）。
ちなみにいずれのモデルにもアクティブエンジンマウントが標準にて搭載されています。
そのほかの装備としては電子制御LSD、後輪操舵、コンポジットブレーキ、油圧式た”セミアクティブ”スポーツサスペンション、アダプティブショックアブソーバー、そしてノーズを30mm持ち上げるフロントリフトシステムなど。
新型メルセデスAMG GTクーペのインテリアはこうなっている
そして新型メルセデスAMG GTクーペのインテリアに目を移すと、SLと同時開発されただけあって初代に比較し「素材、仕上げ、そして細部へのこだわり」が大きく向上しており、メルセデス・ベンツいわく「AMGのハイパフォーマンススポーツカーのDNAを巧みにデジタル世界に移し替え、一貫して進化させました」。※一見するとAMG GTとは思えないほど高級化している
機能的かつ視覚的な中心は、11.9インチのマルチメディアタッチスクリーン、そして表示のカスタムが可能なデジタルメーター。
インフォテイメントシステムは最新のMBUX（Mercedes‑Benz User Experience）ソフトウエアを備え、5つの表示スタイルをもってAMG固有のコンテンツを提供しますが、「AMGパフォーマンスメニュー」では、ドライバーはさまざまなアイコンをタップすることで、出力、トルク、横G、全輪駆動のパワー配分、タイヤの空気圧やオイルや冷却水の温度、現在の車両状態ま、フロントとリアのホイール角度やアクティブロールスタビライゼーションシステムの油圧といったデータを呼び出せるのだそう。
オプションのヘッドアップディスプレイは実際の運転状況と環境において、3次元で関連情報とアクションを表示するといい、つまりはAR表示がなされるということだと思われますが、いくつかの表示スタイルを選択できるほか、アンビエントライトにリンクしたカラーの表示も可能だとされています（アンビエントライトは64種類から選べる）。
そしてインテリアにおける最大のトピック、リヤシートはこんな感じ。
なお、メルセデス・ベンツによると「身長150センチまでの人に適している」とのこと。
リアシートは分割では倒れないようですが、いったん倒してしまえば広々としたスペースが出現します。
現時点では新型メルセデスAMG GT55クーペ、AMG GT63クーペの価格について公開されておらず、SLより高価になるのかどうかも不明です。
参考までに、SL55の価格は141,300ドル、SL63の価格は183,000ドルから。