| 出願が公開されるやいなやネット上では大きな議論が巻き起こる |
メルセデス・ベンツ公式ではなく、どうやら「個人」によるコーチビルドプロジェクトであるようだ
さて、意外と知られていないもののメルセデス・ベンツはこれまでにも裕福な顧客向けに多数のワンオフモデルを制作しており、そのいくつかがこれまでにも中古市場へと登場し話題となっていますが、今回は欧州連合知的財産庁に「クーペボディを持つマイバッハ」の画像が出願されて大きな話題に。
見たところ「Sクラスクーペ」といった印象ではありますが、Sクラスクーペは市場が小さいとして(2021年に)販売が終了されており、よってここでクーペバージョンが登場するのは「かなり意外」です。
この「メルセデス・マイバッハ・クーペ」は一体何者なのか?
今回の画像はCar and Driver経由にて広く出回っており、そして様々な情報を総合するに、どうやら「メルセデス・ベンツ公式ではなく、スイスの建築事務所であるRobu AGという企業によって提出されたもの。
そしてこのパテントは2つのモデルからなる「登録共同デザイン(RCD)」として提出され、そのうち1台目はマイバッハS580ではなく、S63 AMGモデルのフロントバンパーが装着されるデザイン、そして2台目はマイバッハのフロントデザインを採用し、スプリットリアウィンドウを持っています。
なお、この「スプリットリアウィンドウ」はいくつかのクラシックカーに見られるエレガントなデザインで、たとえば1937年のブガッティ57SCアトランティック、1963年のシボレーコルベットC2、そして初期のポルシェ356クーペなどがこのウインドウを持つ代表例。※カーブガラスや広い面積を持つガラスを量産する技術が確立されていなかった時代の過渡的技術としてスプリットウィンドウが誕生したのだと考えられるが、それが今ではエキゾチックなデザインとして認知されている
一方で現代のクルマでこのスプリットウィンドウを持つ例は皆無に近く、よってこの”特別な”デザインはマイバッハクーペにとって理想的な特徴だと考えられ、たとえそのバッジがなくても一目で特別なクルマであることがわかります。
そしてこのパテントを出願したRobu AGという会社は「建築事務所」だとされ、このほかにも欧州連合知的財産庁へと2つの他の出願を行っており、一つは遊園地のアトラクションの商標に関するもので、もう一つはAMG GT Sロードスターをベースにした美しい「Bussink GT S Speedlegend」というクルマのデザインに関するもの。
参考までに、この「Bussink GT S Speedlegend」はクルマの収集家であり遊園地のデザイナーでもあるロナルド・ブシンク氏(Robu AGの創業者)のために作られた特別仕様車で、ドイツのHWA(AMG創業者が立ち上げたレーシングカーファクトリー)によって5台のみが製作されています。
よって、このマイバッハクーペも数台が同氏のために製作される可能性が高く、そう遠くない将来に実車を見ることができるのかもしれません。
もう一つ参考までに、「4ドアをクーペに作り変えた」クルマは過去にも数台が報じられ、ベントレー・ミュルザンヌのクーペ版、テスラ・モデルSのクーペ版、そしてメルセデス・ベンツGクラスやランボルギーニ・ウルスの2ドア板といったカスタムカーも実際に製作されていますね。
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参照:CARBUZZ