生産わずか2,500台、希少なポルシェ911ダカールで「3ヶ月間、32,000キロ」の過酷な旅を走り抜いたオーナー。「今までどの911でも到達できなかったところを走りたかった」

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｜　おそらくは「もっとも距離を走った」「もっとも過酷な地形を走った」ポルシェ911ダカールでもあるだろう　｜

これこそがポルシェの望んだ「911ダカールの使い方」である

さて、ポルシェは長年待たれていた911のサファリ版「911ダカール」を発売していますが、生産がわずか2,500台に絞られていることを考慮するといずれのオーナーも「普通に乗ったり」「オフロードを走らせる」ことはほとんどないかもしれません。

しかしながら今回、実際に「ダカール」の名をそのまま示すかのように、過酷極まりないオフロードを3ヶ月、32,000キロにわたって走らせたひとりのユーザーが話題に。

このポルシェ911ダカールはチベット、そしてゴビ砂漠を走る

このポルシェ911ダカールのオーナーはグエン・ホアン・アイン氏なる人物で、しかもこの911ダカールは文字通りの特別仕様（納車までに1年を要している）。

そして同氏はこの911ダカールが納車されてすぐ、まずは「2日間、1,200マイル」ものテスト走行を開始することになりますが、この911ダカールはベトナムで最初に販売されたもので、おそらく唯一の個体、そして、このような冒険に出かけた”間違いなく唯一の”911ダカールです。

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そしてテスト走行を終えた後の2023年9月19日、グエン・ホアン・アイン氏は新たなる冒険を決断し友人2人（1人はピックアップトラック、1人はSUVに搭乗）とともにホーチミン市を出発してベトナムの海岸線を北上することになりますが、そこからラオスに入国し、さらに中国の国境を越えることに。

しかしグエン氏が目指したのは上海のような中国の現代的な大都市ではなく、彼は冒険を求めてさらに西へ。

「私の目的地は、他の911がこれまで走ったことのない風景です。必ずしも道路があるわけではないし、最短ルートが最速ルートであるわけではない。」

その旅はなんと「3ヶ月」にもわたる

チベット高原を越えた後、グエン・ホアン・アイン氏とその911ダカールはゴビ砂漠に入り、彼は車の後ろに花火を装着して発火させながら走行したとも説明され、これは（違法行為ではなく）この地域では一般的な行動なのだそう。

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さらにその後、グエン・ホアン・アイン氏と友人たちはパキスタンのクンジェラブ峠を越えて15,000フィートの高度に到達し、（凍結のため）道路が冬季閉鎖される前にその峠を越えることとなったようですね（走行するにはあまりに過酷ではあるものの、景色の美しさでも知られている）。

さらにその先のモンゴルではタイヤのバーストに見舞われつつも走り続けつつも”中国で最も寒い都市”であるモヘへと到達し、そこからロシアとの国境を越え、雪に覆われた土地を走り抜けたのち、同じルートを走って出発からの3ヶ月後の12月4日、ようやくホーチミン市に戻ります。

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この3ヶ月にわたる冒険にて911ダカールが走った距離は20,000マイル（約32,000キロ）にも及んだそうですが、この距離は多くの911ダカールのオーナーがその所有期間を通じても達成できないほどの距離かもしれません。

ただ、グエン・ホアン・アイン氏の旅はまさに「ポルシェが期待した目的通り」だとも考えられ、素晴らしい冒険であることは間違いなさそうですね。

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