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ポルシェの希少モデルを販売するとして顧客から2.8億円をだまし取った正規ディーラー元副社長がついに逮捕。その手口は意外と単純だった

2019/04/11

まったく詐欺に加担していない正規ディーラーは大きな迷惑

昨年、全米最大のポルシェ正規ディーラー副社長が「顧客のお金を持ち逃げする」という前代未聞のスキャンダルが生じていますが、ついにその黒幕が逮捕されることに。

逮捕されたのはShiraaz Sookralli容疑者(44)で、アメリカ西海岸を中心に展開する「チャンピオン・モータース」の当時副社長。※チャンピオンモータースのサイトはこちら

顧客のお金は架空の会社へ

なお、顧客のお金を持ち逃げした手口としては下記の通り。

1.まずはチャンピオンモータースとよく似た名前の会社、「チャンピオン・オートスポーツ」を設立
2.顧客に「911GT3 RS」などの入手困難モデルを販売できると案内
3.申し込みのあった顧客に自身の「チャンピオン・オートスポーツ」へと保証金を振り込ませる
4.「生産にはしばらく時間がかかる」と顧客に連絡し、その間にトンズラ

そしてお金を騙し取られた顧客は30名にものぼり、被害総額は約2億8000万円だとされ、容疑者はこのお金を宝石や高級車の購入、ナイトクラブやレストランでの散財に充てたとのこと。

容疑については「メール詐欺」「送金詐欺」「マネーロンダリング」とのことですが、もちろん正規ディーラーのチャンピオン・モータースポーツも容疑者を訴えており、顧客からだまし取ったお金を容疑者から回収しようとしている、と報じられています(しかし容疑者に弁済能力は無いと思われ、どうしようもないのかも)。

なお、Shiraaz Sookralli容疑者は事件の前にもアメックスからカードの未払い請求(2000万円くらい)を受けており、もともと私生活においては金遣いが荒かった模様。
こういった借金が嵩んで今回の詐欺に及んだのだと思われますが、希少車を求める人々の心理を利用した卑劣な犯罪だと思います。

ちょっと疑問なのは、振り込む側も「口座の相違に気づかなかったのか」ということですが、容疑者は優れたセールスマンという評価を受けており、顧客からの信頼が厚かったとも報じられているので、そこは言葉巧みに騙したのかもしれません。

自動車の売買においては、詐欺が発覚しやすく、よってこれまでにこういった詐欺行為をはたらくケースはあまり聞かないものの、「修理のために入庫した、顧客の希少車を勝手に売却」といった例は過去にいくつかある模様。

ただし、そういった「所有者に無断で転売」の場合だと名義変更は難しく、よって海外にクルマを流したりするのかもしれません。

そのほか、高級車が絡む詐欺だと、高級車をレンタルして羽振りが良いように見せかけての結婚詐欺、投資詐欺などが多数あるようです。

数こそは少ないものの、高級車やスーパーカーを無理して購入し、スーパーカーイベントに参加することでスーパーカーオーナーと近づき、そのコネクションを利用してお金を稼ごうとする人もいると報じられたことがあり、やはりお金が集まるところにはなんらかの欲望が絡むということなのでしょうね。

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