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ポルシェが26年前に発売された「初代GT3」である996世代のGT3をワルター・ロールとともに振り返る。「その本質は今日のGT3に至るまで変わるところはありません」

ポルシェが26年前に発売された「初代GT3」である996世代のGT3をワルター・ロールとともに振り返る。「その本質は今日のGT3に至るまで変わるところはありません」

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| さらに996世代の911GT3は「初めてニュルで8分を切ったポルシェ」でもある |

軽量化、車体の強化、固定式リアウイングなど、現在の911GT3の特徴はすべて初代で確立されている

さて、ポルシェが「GT3」と名がつくクルマをはじめて発売したのは1999年のことですが、今回はポルシェのアンバサダーにしてもはや生ける伝説となったレーシングドライバー、ワルター・ロールが「996世代の911GT3」を振り返ることに。

そしてポルシェが用意したこの機会にあわせ、ノガロブルー、ラピスブルー、レインフォレストグリーンメタリックなどの珍しいボディカラーを含む初代GT3モデルが7台集合し、その中には希少なクラブスポーツバージョンも含まれます。

初代ポルシェ911GT3はこんなクルマ

なお、これら初代ポルシェ911GT3はドイツ本国の「FL8WERK(フラットエイトワークと読むようだ)」なるポルシェ911愛好家にて構成されるグループで、今回この「クラブスポーツ」のオーナー、そして同クラブの共同設立者であるアレックス・シュワデラー氏によれば「製造された約1,900台のうち、わずか20%しかクラブスポーツバージョンとして工場から送り出されていない」とのこと。

この911GT3 クラブスポーツは「サイドエアバッグなし、センタートンネルにはバッテリーマスタースイッチ設置、ノーメックス製バケットシートに固定式ロールケージ装着」といった特徴があり、6点式ハーネスと消火器は標準装備。

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加えて目に見えないもう1つの特徴は、エンジンとトランスミッションとをつなぐクラッチにはデュアルマスフライホイールではなく、シングルマスフライホイールが用いられるということ。

「これにより、加速時にエンジンがより速く反応するようになります。そして、エンジンがアイドリングしているときによくあるガタガタ音の原因です。ただ、これによってクルマに組み込まれたレーシング体験を実際に感じることができます。しかも、日常の運転にも適しています。このバランスをうまく取れるのはポルシェだけです。」

アレックス・シュワデラー(FL8WERKメンバー)

「特に、初代911 GT3の素晴らしいところは、ダイレクトで純粋なドライビング エクスペリエンスです。車体は細身で軽量、エンジン設計は本来の目的に完璧、すべてがバランスよく整い、ステアリング ホイールの動きひとつひとつがダイレクトなフィードバックを提供します。今日のアシスタンスシステムがなければ、クルマのコントロールは主に運転技術の良し悪しににかかってくるのです。しかし、それがまさに私たちが好きなことです。」

クレト ディ パオロ(FL8WERKメンバー)

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ポルシェは、1997年に911カレラ(996)の第5世代(初の水冷式)においてスポーツカーの快適性、安全性、効率性に関する新しい基準を設定したといっても過言ではなく、1999年に登場したGT3は超スポーティなドライビングを好む顧客に焦点を合わせたスパルタンモデルで、そのモデル名は、対応するモータースポーツバージョンが使用されるGT3レーシングクラスに由来しています。

「当時、私はポルシェでローランド・クスマウルと一緒に仕事をすることが多かったのです。彼と他のエンジニアには、公道走行も可能なレースカーを開発するという明確なビジョンがありました。」

ワルター・ロール

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そしてこの超スポーティな911派生型のこのコンセプトはポルシェに成功した伝統を確立させ、今日に至るまでその魅力をまったく失っていませんが、それ以来、GTモデルはすべての911世代の”スポーツ面でのフラッグシップ”モデルであり続けているわけですね。

この初代996GT3は「300馬力から360馬力」という20%もの大幅な出力増加、シャシーとボディの強化へと的を絞った調整、軽量化のための快適機能の排除などにより、ベースとなる996とは一線を画しており、固定されていた突出したリアウィングと同様に、すべてのGT3世代に通じる典型的な特徴を確立しています。

なお、当時のポルシェのカタログには「最後の1ミリまで最高のパフォーマンスを発揮できるように設計されています」「GT3に関しては、形状は機能に従います。そして、機能の次には運転の興奮が続きます。モータースポーツから直接派生した運転体験です」という記載があるそうですが、自身が開発に携わった初代911GT3の発売から25年が経過しようといういま、あらためて初代911GTへと乗り込み(身長が197センチあるそうだが、それでもロールケージがはりめぐされた車内に慣れた様子でするりと滑り込むようだ)、「まるで自宅にいるかのようにくつろいだ気分」だとも。

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そしてイグニッションを回すと、シングルマスフライホイール特有の”なカタカタ”という音が再び聞こえ、ワルター・ロールは笑いながら「その音の理由を知らなかったら、エンジンが壊れると思ったかもしれませんね」と語り、こう続けます。

「私たちは、ニュルブルクリンクの北コースで、996世代のGT3によって、ある記録を樹立しました。7分56秒です。これは、公道走行可能な911が8分台を破った初めてのことでした。当時、この車クルマはセンセーションを巻き起こしたのです。そして、それは今日まで変わりません。」

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