| マクラーレンのマークにはこんな意味があった |
「マクラーレンのエンブレムにおける由来と意味」という動画がカーフェクションによって公開。
ちなみにMP4-12C時代、(フロントフード上の)エンブレムは「Mclaren」という文字の入る細長い四角いものか、ナイキのスウォッシュマークのようなものかを選択できたように記憶していますが(今はMP4-12Cのカーコンフィギュレーターが終了しているので確認できない)、メーカーの「顔」でもあるエンブレムが選べるとういう、これは非常に珍しい例。
スウォッシュはもともとマルボロマークだった
スウォッシュではなくマクラーレンの四角いエンブレムの場合でも「Mclaren」の「n」の上にスウォッシュが配置されることになり、そしてこのスウォッシュ(の原型)が使用されるようになったのはマールボロ(Marlboro)とのパートナーシップが始まった頃からだそう。
マルボロはもともと四角の下部分を三角に切り取ったようなマークを用いていますが、これとマクラーレンの文字とを併記する段階で「マールボロのマークがどんどん小さくなり」、そして市販車を発売するとなったとき、さらにバランスよく調整が図られて現在のスウォッシュマークになった、と説明されています。
これが
こうなって
スマートになり・・・。
さらにこう。
なんでスウォッシュ?
そしてなぜマルボロマークっぽい「カクカクした」ものではなく「スウォッシュになったのか」ということですが、マクラーレンによると、これはウインドトンネルでテストを行う際にできる、車体後部の「渦」をイメージしたものだとコメント。
しかしながら今回カーフェクションでは異なる見解を主張しており、それはマクラーレンの設立者、ブルース・マクラーレン氏に起因するものだ、と述べています。
同氏はもともとニュージーランド出身のレーシングドライバーでありニュージーランドの国鳥でもあるキーウイを好んで自身のマシンに使用していたことでも知られ、この「スピーディー・キーウイ」がどんどん簡略化されてマクラーレンのスウォッシュになった、という推測ですね。
そのスピーディーキーウイですが、最初はこんな感じだったものが・・・。
最後の方ではこんな感じに(画像左側の黒いマーク)。
なお、この説はカーフェクション独自のものでマクラーレン公式ではなく(マクラーレンは”渦”だとコメント)、しかし動画ではこう締めくくられています。
「”渦”をイメージしたマークだと考えるよりは、ブルース・マクラーレンという一人の男が愛したシンボルが今も生きていると考えたほうが素敵だと思わないかい?」
ちなみにマクラーレンのカンパニーカラーは「パパイヤオレンジ」。
これもブルース・マクラーレンが決定したもので、母国のナショナルカラーであるオレンジを1968年に採用したのがはじまり。
ただし本人はニュージーランド出身ながらも、チームそのものの国籍は英国だったので、本来ならば(当時の慣習にて)マシンのカラーはブリティッシュグリーンであるべきですが、あえてその慣わしを(自身のチームを目立たせるため)無視した、とされています。
その意味でもやはりオレンジ同様、スウォッシュマークはブルース・マクラーレン自身の「想い」が起源だと考えたほうがすんなり受け入れることができそう。※マクラーレンのプレスリリースにおいて、このスウォッシュは”スピードマーク”と表現され、やはりスピーディーキーウィとの関連性が強いように思う
それでは動画を見てみよう
こちらがカーフェクションが独自の見解を解説する動画、「What Does The McLaren Logo REALLY Mean? - Carfection」。
ぼくもカーフェクションの見解に賛成です(そのほうが夢がある)。
これだけじゃない、自動車業界の謎
なお、こういった「諸説」あるのはマクラーレンだけではなく、ほかにもいくつか。
たとえば悪名高いレクサスの「スピンドルグリル」はトヨタのルーツでもある紡績業に使用していた糸巻きをイメージしたものだと言われていましたが、デザイナーが「下が広がっているのは、エアを効率よく取り込むためで、糸巻きをイメージしたのではない」と主張。
ですが、ぼくとしてはレクサスの「伝統を重んじる」という姿勢、一族が脈々と経営を担うトヨタの性格を考えると、やはり「糸巻き」なんじゃないかと思うのですね。
他に有名なのは「フェラーリのエンブレム」。
フェラーリのエンブレム「跳ね馬」は有名ですが、その馬はポルシェのエンブレムにある馬と同じ、というもの。
ポルシェのエンブレムはシュトゥットガルト市の紋章をベースにしているものの、これについても「撃墜王説」ほかいくつか見解があります。
これは今となっては調査不能で事実は闇の中ですが、アブダビのフェラーリ・ワールドには「撃墜王説」が明示されており、これがフェラーリの公式見解なのかもしれません。
もうひとつフェラーリと言えばライバルの「ランボルギーニ」ですが、この会社設立のいきさつについても「エンツォに無下にされた」という説が有名。
しかしながら夫人や息子、はたまた一緒に働いていた人の意見はこれと異なり、これも諸説ある模様。
ただ、当時の母体であったトラクターや家電の宣伝にスーパーカーを起用したこと、自社のクルマでフェラーリを抜かしてそのドライバーにランボルギーニを売り込んでいたことなど、もろもろの状況を鑑みるに、ぼくはフェラーリの名を起業に”利用した”説が正しいと考えています。