| 中国には100以上の自動車メーカーがある |
2017年には2500万台近くの自動車を販売した中国。
言うまでもなく「世界ナンバーワン」の自動車市場ですが、生産においても2015年以降世界第一位を記録しています(世界の25%を占める)。
運転免許取得者も爆発的に増えており、その数は中国で登録されているクルマのじつに「倍」。
よってまだまだ車は売れると各メーカーとも踏んでいて、それが「中国重視」の根拠だと言えそうです。
どのメーカーがどれくらいのシェアを持っている?
1位:フォルクスワーゲン
商用車を入れると2900万台の車を販売した中国ですが、その中でもっとも大きなシェアを持つのはフォルクスワーゲン。
1980年代から中国への進出や生産をはじめ、現地でのジョイントベンチャー(上海汽車、第一汽車)を通じて知名度はまさに最大。
2017年位は314万台を販売し、そのシェアは13%となっています。
2位:ホンダ
142万台を販売するなどホンダは急激に中国での存在感を強めており、毎年2桁の成長を続けています。
なおホンダはアメリカでは同期間中に149万台を販売しているとのことですが、2018年にはアメリカを抜いて中国がホンダにとってナンバーワンの市場となりそうですね。
ホンダの提携先は広州汽車と東風汽車。
3位:吉利汽車
メルセデス・ベンツの筆頭株主に躍り出た季書福氏が経営する自動車メーカーで、125万台を販売。
ボルボ、ロータスを所有しており、中国で初めてシェア5%を突破するなど勢いのある会社と言えます。
4位:ビュイック
ビュイックはGMが持つブランドの一つで、もはや日本はもちろんアメリカでも存在感の薄いブランドですが、中国において活路を見出しており122万台を販売。
1990年代から中国へと進出しており、確かにかなりよく見かけるブランドでもあります。
5位:トヨタ
114万台を販売しており、中国専用車としてレビンを投入していたり、C-HRのEV版「イゾア」を投入すると報じられていますね。
なお2016年比で7%の成長を記録していますが、中国の自動車市場全体の成長率は3%。
つまり市場の成長よりも大きく伸びていると言うことになり、その分逆にどこかが「縮んでいる」ということになりそうです(数え切れないほどある、中国の自動車メーカーがそろそろ淘汰されてきているのかも)。
提携先は第一汽車、東風汽車。
6位:日産
日産はインフィニティとあわせて112万台を販売。
東風汽車と提携しており、インフィニティを現地で生産したりと「中国重視」姿勢を打ち出していて、今後上位を狙いそうな勢いがあるブランド。
7位:長安汽車
ベストテンに入ってはいるものの前年比で8%販売が減少。
フォード、スズキ、三菱と提携しており、「中国ビッグ5」の一角をなす自動車メーカーですが、レンジローバー・イヴォークのパクリ車「Land Wind X7」を販売していることで有名。
8位:上汽通用五菱汽車
上海汽車(SAIC)、GM、広西汽車の三社で設立された合弁で、商品力の高さから前年比34%という高い成長を記録しています。
↓トヨタやBMW、マツダなどが混ざった感じ
9位:Harval
85万台を販売。
長城汽車グループに属しており、2017年にかなり販売を落とした(9%)ブランドの一つ。
長城汽車はSUVに特化しようと考えており、そのためにジープブランドを欲しがっている、と伝えられます。
BMWとの合弁にて、MINIのエレクトリックモデルを中国で生産する、と報じられていますね。
10位:フォード
フォードは2017年に84万台を販売。
こちらは12%販売を落としたとされており、かなり深刻な状態(本国のアメリカでも調子は良くない)。
ほかメジャーメーカーの販売状況はこんな感じ
そのほかのメジャーな自動車メーカーだと、アウディは15位(55万台)、メルセデス・ベンツは19位(44万台)、BMWは22位(38万台)、ポルシェは48位(7万台)。
中国には100以上の現地自動車メーカーがあると言われ、そこに合弁や輸入による外国メーカーを入れると150くらいの数になるのかもしれません。
ただし、今回のランキングを見ても「伸ばしているメーカーとそうでないメーカー」との差が大きく、今後は「淘汰」の時代に入るのでしょうね。
米国においても最盛期には「130以上」のバイクメーカーが登録されていたものの、生き残っているのはハーレー・ダビッドソンとインディアン(これは最近復活)くらいだと思うので、中国もそのうち「一桁台」まで現地自動車メーカーの数が減少するのかもしれません(国土や人口を考えると、もっと多く残るかも)。