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ピニンファリーナの神通力はどこへ?パリで発表されたベトナム初の市販車が「ピニンファリーナデザイン」とは思えない件

2018/10/03

| とてもピニンファリーナとは思えないデザイン |

ベトナム初の量産自動車メーカー、「Vinfast」がパリ・モーターショーにてその市販車第一号、LUX A2.0セダン、LUX A2.0SUVを公開。
これらの生産はベトナムで行われ、2019年の1月より国内向けに納車が始まる、としています。

両方のクルマとも、ベトナム「Vietnum」、そしてVinfastのイニシャルである「V」をあしらったグリルとエンブレムが特徴で、デザインそのものはピニンファリーナによるもの。

ピニンファリーナのデザイン力は現代では「高くない」?

なお、ピニンファリーナはイタリア屈指のデザインハウスではあったものの経営不振に陥り、倒産寸前のところを現在の親会社、マヒンドラに救済されています。

ピニンファリーナというとこれまでフェラーリの歴史に残るモデルを多く手掛けており、よってフェラーリが吸収するかと思ったものの、フェラーリはピニンファリーナが消えゆくことについては「手助けしなかった」ようですね。
実際のところ最近のモデルではフェラーリはそのデザインをピニンファリーナから自社内製に切り替えており、自社で培ったデザイン力を活用すればピニンファリーナはも不要だと考えたのかもしれません。

そしてぼくが思うのは、フェラーリ488GTBや488ピスタ、ポルトフィーノといった「フェラーリ内製デザイン」のクルマたちは非常にアグレッシブで、それまでのフェラーリ(458やカリフォルニア)よりも格好良いんじゃないか、ということ。

一方のピニンファリーナは、今回のVINFASTのほか、中国企業、香港企業からもセダンやSUVのデザインを請け負っているものの、デザインが「どれも一緒」だと言われており、最新の作品であるプジョー「e-Legendコンセプト」も日産が過去に発表したコンセプトカー「IDx」にそっくりだと指摘されています。

こういった事実を見るに、ピニンファリーナのデザイン業界における役割はもう終わったんじゃないか、そしてそのデザイン力はもう時代遅れなんじゃないかと考えることがあり、それが「フェラーリが見限った」理由なのでは、と考えることも。※ただ、デザインの請負だとピニンファリーナの意向が100%反映されるわけではなく、今回のVINFASTとの協業だと、VINFAST側が保守的なデザインを好んだのかも

LUX A2.0セダンはこんなクルマ

まずLUX A2.0セダンはこういったデザイン。
エンジンは2リッター直4ターボで出力は176馬力と231馬力版をラインアップ。
トラスミッションは8速ATが組み合わされ、オプションで4WDも選択できる、とのこと(標準はなんと後輪駆動!)。

176馬力版の0-100キロ加速は8.9秒、231馬力版では7.1秒、という走行性能。

最近のピニンファリーナは特に「細いヘッドライト」を好むようですね。
ボディサイズは全長4973ミリ、全幅1900ミリ、全高1464ミリ。

LUX A2.2SUVはこんなクルマ

もう一方のLUX 2.0 SUVのエンジンは同じく2リッター直4ターボながらも231馬力バージョンのみ。
これはおそらく車体重量がセダンに比べて重いからなのだと思われます。

それでも0-100キロ加速はセダンと同じ8.9秒、そして4WDを選択すると9.1秒(4WDのほうが遅い)。

ボディサイズはかなり大きく、全長4,940ミリ、幅1,960ミリ、高さ1,773ミリ。

ピニンファリーナにデザインを依頼したこと、イニシャルコストがかかっていること(なんせ最初の生産なので)、装備、そのサイズなどを考えると価格は「けっこう」なものとなりそうで、これをベトナム国内で誰が買うのかは疑問に思うところも。

ちなみにベトナムでは2018年1月から規制が変更され、ASEAN地域内からの輸入であれば、自動車の関税は「ゼロ(以前は30%)」。
ASEAN加盟国以外、たとえば日本や韓国、中国からの輸入には関税が課されるということになり、おそらくは「関税の加算された輸入車」に対抗できる価格設定を想定しているのだと思われます。

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