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【動画】一度はフェラーリから見放されたコレクターが「再びフェラーリに認められ」、当時売ってもらえなかったラ・フェラーリ・アペルタをガレージに収める

2022/02/20

【動画】一度はフェラーリから見放されたコレクターが「再びフェラーリに認められ」、当時売ってもらえなかったラ・フェラーリ・アペルタをガレージに収める

| 当時のフェラーリはそれまで、そして現在とは異なる限定モデルの販売方針を持っていたようだ |

フェラーリの限定モデルを購入するにはひたすらフェラーリを愛し、愛を目に見える形で示すしかない

さて、ラ・フェラーリ・アペルタをフェラーリから売ってもらえなかったことがニュースになり、その名を世界に知られることになったフェラーリコレクター、デビッド・リー氏。

同氏は米ロサンゼルスに住み、全米で最大規模とされる腕時計とジュエリーの小売店を構え、数々のフェラーリを所有しており、地元ディーラーとの強固な関係はもちろん、フェラーリ本社へ行きドライビングレッスンを受けたり、ワンオフモデルを発注したことがあるほか、クラシックモデルのレストアを依頼したこともある人物。

つまりはフェラーリも認めた人物ということになりますが、2016年に発表された210台限定(当初は209台限定)のラ・フェラーリ・アペルタのオーナーとしては「ふさわしくない」とフェラーリから判断されてしまい、購入権を与えられなかったことが当時のロサンゼルスタイム等にて大きく報じられています。

ちなみにその理由としては「社会的に影響力がない人物だから」だとされており、当時フェラーリが採用していた「インフルエンサー重視政策」にマッチしなかった、ということになりそうです。

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またラ・フェラーリ・アペルタを売ってもらえなかった有名コレクター。フェラーリは個人SNSもチェック

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フェラーリの限定モデルには厳しい購入制限(条件)がある

なお、フェラーリの限定モデルについては「非常に厳しい」購入制限があり、購入が可能なのはF1ドライバー(これは無条件で購入ができる)、そしてフェラーリの開催するモータースポーツプログラムに参加している人、そして世界レベルで活躍するアーティストやスポーツ選手等の著名人、そしてこれまでの購入台数や現在の所有台数が「基準を満たしている」人々。

ちなみに購入台数が多くても「所有台数」が少ないと購入権が回ってこないことがあるといい、フェラーリは「購入後、ちゃんと自社のクルマを維持してくれる人」を重視しているようですね。

そして「維持」の内容についても「クラシックモデル」、「限定モデル」など種別に”基準”を設けているされ、様々なモデルを幅広い年代にて所有していなければならないもよう。

ただ、デビッド・リー氏の場合は288GTO、F40、F50、エンツォフェラーリなどの記念限定モデル、(所有している250GTルッソと同じカラーリングにてオーダーした)812tdfといったスペシャルモデルに加え、クラシックモデルやF1マシンまでもを所有しており、どう考えても条件的にはマッチしていたと思われます。

ただ、ラ・フェラーリ・アペルタを発表した時期のフェラーリはかつてないほど「インフルエンサー(ネット上で価値の高い人物)」を重視しており、デビッド・リー氏のようなコレクターであっても、SNS上の活動が無い人物をバッサリ切っていて(その後同氏はSNSに力を入れるようになる)、同じ理由にてラ・フェラーリ・アペルタを売ってもらえなかったフェラーリコレクター、プレストン・ヘン氏もラ・フェラーリ・アペルタを売ってもらえずにフェラーリを訴え、「ホンダNSXのほうがフェラーよりもいい」という可愛さ余って憎さ百倍のネガティブキャンペーンを展開しています。

プレストン・ヘン氏については、それまでフェラーリの限定モデルを無条件で売ってもらえるほどの重要顧客だったそうで、ラ・フェラーリ・アペルタの購入に関しても、それまでと同様に「小切手をフェラーリ本社に送付し、受注確認を待っていたものの」、貴殿にはラ・フェラーリを売ることはできない(ふさわしい人物ではない)という手紙とともに小切手が返送されてくることになり、プレストン・ヘン氏はこれにいたく腹をたてたわけですね。※同氏は最も価値のあるフェラーリのうちの一台とされる、1964年製フェラーリ275GTB/Cスペチアーレを所有していた(すでに死去)

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ちなみに訴訟の内容としては「職業差別」だとしており、フェラーリが自身の職業(自動車修理や改造車の製造・販売)について好ましくないと判断した」ことが差別に当たると主張したと報じられています。

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ただしその後は状況が変化

なお、フェラーリがインフルエンサーを重視したのには、「顧客層の若返りを狙い」、そして若い顧客を引き込むために(若い人々に人気のある)インフルエンサーを活用しようと考えたからだと思われますが、そのため今までフェラーリの購入経験がない人にもラ・フェラーリ・アペルタを販売してしまい、しかしこういった人々はフェラーリに対する忠誠心や愛があるとは限らず、一部のオーナーがラ・フェラーリ・アペルタにて違法行為をしたり下品な改造をしたり、それが広く拡散されることでかえってフェラーリのイメージが下がってしまうことに。

そしておそらくですが、フェラーリは「やはり限定モデルはフェラーリに忠誠を尽くしてくれる顧客に渡すべきだ」と考えたのか、その後の限定モデルは旧来のフェラーリコレクターに対して優先的に購入権が与えられることになったといい、ここでデビッド・リー氏とフェラーリとの関係が修復されたのか、同氏は488ピスタ・スパイダー(2019年発売)を新車にて購入することが許されています。

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ただ、それまでの間、さすがのデビッド・リー氏もフェラーリを許せなかったのか、フォードに対して「フェラーリからフォードに寝返る」という材料を用いて交渉を行い、まんまとフォードGTの購入権を手に入れた、とも(自身で)語っています。

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しかしながら上述の通り、現在ではデビッド・リー氏は関係性を修復していて、その後も続々とフェラーリが同氏のガレージへと納車されており、そして今回もまたラ・フェラーリ・アペルタがそのコレクションに加わったということになりますが、これからは優先的に限定モデルを(フェラーリから)回してもらえるのかもしれませんね。

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デビッド・リー氏はこうやって財を成した

なお、デビッド・リー氏は現在でこそ「腕時計とジュエリー帝国」のトップに座る人物ではありますが、この稼業は父親が行っていた小さなビジネスを受け継いだものがベースとなっています。

ただし父親の代は小売ではなく「修理と卸売」を中心に行っていて、父親の夢も「ロレックスを購入すること」だったそうなので、規模としては比較的小さく、個人事業の範囲を出ていなかったのかもしれません。

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デビッド・リー氏は1990年にUSCビジネススクールを卒業したのちに父親の仕事を手伝うようになりますが、その直前に経験したブラックマンデーによって稼業は壊滅状態に陥ってしまい、そこで同氏が考えたのが「卸売業をやめて小売業に転身すること」。

その理由としては「環境を自身でコントロールできること(直接消費者に働きかけることができ、行動することで何かを変えることができるが、卸売や修理は”待ち”のビジネス)」、「キャッシュフローが改善すること」だといい、果たしてこれが奏功した、ということになりそうですね。

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さらには「通常、20年くらいかかる」とされるロレックスの正規ディーラー権をわずか数年で獲得し、これが対外的な信用獲得に繋がり、今ではロレックスの他にもショパール、ロジェ・デュブイ、ブライトリング、リシャール・ミルなど数多くの腕時計ブランドを取り扱うまでに成長しています。

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今回納車されたラ・フェラーリ・アペルタはもちろん新車にて購入したものではなく、「中古」ということになりそうですが、動画を見る限りでは(これまでにも同氏の自宅にやってきた)フェラーリ正規ディーラーのトレーラーに積まれて納められており、ラ・フェラーリ・アペルタの入手にあたってはフェラーリ(のディーラーもしくは本社)が便宜を図ってくれたのかもしれません。

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フェラーリコレクターが「再びフェラーリに認められ」ラ・フェラーリ・アペルタをガレージに収める動画はこちら

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参照:Ferrari Collector David Lee

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