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発売後わずか1月あまりで「売れすぎ」のため受注が終了したと言われるフェラーリ・プロサングエ。なぜ「スポーツカーメーカーがSUVを」と批判されず好意的に受け入れられたのか

フェラーリ・プロサングエ

| 今のところ、フェラーリ・プロサングエに否定的、批判的な人は見たことがない |

それはやはり、フェラーリの購買層の「性質」によるところが大きいのだと考えられる

さて、先日はフェラーリにてマーケティング部門を管理するエンリコ・ガリエッラ氏から正式に「受注停止」というコメントが出されたプロサングエ。

受注停止の理由とは「売れすぎ」であり、予定生産台数ぶんの注文を受けてしまったために「もうこれ以上注文を受けることができない」段階に達したからですが、とにかくその人気っぷりには驚かされます。

ちなみにですが、スポーツカー専業メーカーがSUVを発売すると、多くの場合は何らかの批判がなされるものですが、プロサングエの場合は全くそういった批判はなく、非フェラーリオーナー、フェラーリオーナーともに両手をあげて歓迎しているように見え、とくに既存フェラーリオーナーのほうがプロサングエを好意的に受け止めているように思います。

フェラーリ・プロサングエ
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なぜフェラーリ・プロサングエは好意的に受け入れられたのか?

そこでなぜフェラーリ・プロサングエが好意的に受け入れられたのかについて考えを巡らせてみると、ポルシェの例はもちろん、ランボルギーニ、アストンマーティンなど、「SUVを発売したことによって大きく成長を遂げる」スポーツカーメーカーが多く、そういった風潮を理解する土壌が形成されたからなのかもしれません。

ちょっと前だと、スポーツカーメーカーがSUVを発売するとなれば「お金儲けに走った」というように取られがちだったものの、ポルシェもランボルギーニも、SUVで稼いだお金を投資して新しい技術を開発し、より良いスポーツカーを作り、より良い会社になっていっているので(アストンマーティンはこれからだと思う)、SUVを作るということは、そのブランドのイメージを希薄化するのではなく、むしろブランドを先鋭化し競争力を保つ、もしくは強化することにつながるのだと多くの人が考えるようになったからだと考えています。

さらに、フェラーリの購入者の多くは社会的地位が高く、会社を経営していたり、ビジネス界でもトップに立つ人々ばかりなのだと認識していますが、そういった人々は、つねに自分自身、そして自身の経営する会社がライバルに対して競争力を保つために相当な努力を行い、常に時代や社会情勢、市場にあわせて変化し続けてきた人々だと言っていいかもしれません。

フェラーリ・プロサングエ

「変わること」は重要である

よって、そういった人々は変化することの重要性をよく理解していて、むしろ変わらないほうが危険だと捉えている可能性が高く、そのため「フェラーリが変わること」について寛容な姿勢を示しているのだとも考えられます。

「変わらないこと」もある意味では重要ではあるものの、要はその内容と視点次第であり、すでにSUVが(様々な技術の進歩によって)鈍重なクルマではなくなった今、SUVがスポーツカーに劣ると捉えること自体がナンセンスであり、それはもう現代の実情について行くことができていない考え方だともぼくは考えています。

そして、フェラーリにとって「よりサーキットでの競争力があるクルマを作る」ことが不変の原則だとすれば、プロサングエの販売によって得た資金によって、より優れたスポーツカーを作ること、そして速さの追求のためにエレクトリックカーを作ることはむしろその原則に忠実な企業活動であると考えてよく、よって大局的に見ると「フェラーリは変わっていない」と考えることができ、変わった部分があるとすれば、世の中の流れに沿った「その手段」であり、しかし「目的」そのものは不変だとも考えられます。

フェラーリ・プロサングエのお値段は本国価格で5630万円!ウルスやDBX707などライバルとのスペック比較を行ってみるも、やはり最大のライバルはロールス・ロイス?

これについてもやはり企業を経営し、かつ成功している人々が実践していることでもあって、ブレない目的を達成するため、時代や環境、市場の要望に応じて様々な手段を組み合わせて前に進んでいる人々にとって、プロサングエは全く違和感がない存在だとも思うわけですね。

よって、「フェラーリがSUVを」と批判する人がいるとすれば(そんな人は見たことはありませんが)、それは表層だけしか見ていない人なのかも。

いずれにせよ、否定的、排他的な人はいずれ世の中に流れについてこれなくなり、望むと望まざると世の中から置いてゆかれ見捨てられることになり、それをまた他人のせいにするのかもしれません。

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