| フェラーリ・プロサングエのインパクトはあらゆる方面にて市場の予想を超えていた |
超高級SUVセグメントは雪だるま式に成長を続ける
さて、フェラーリはブランド初となるSUV(ただしフェラーリ自身はSUVとは表現してない)、プロサングエを発表し大きな反響を得ていますが、SUVと呼称しないのは「ボディ形状にかかわらず、フェラーリが送り出すクルマはどんなボディ形状やレイアウトであってもフェラーリである」という信念のあらわれであると理解しています。
そしてその価格は当初予想されていた、ランボルギーニ・ウルスやベントレー・ベンテイガと同程度というラインを遥かに超え、ロールスロイス・カリナンよりも高い5630円(本国価格)という設定ですが、これもまた「他と比較してくれるな。フェラーリはフェラーリである」という意思表示なのかもしれません。
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高級SUVマーケットはどんどん拡大している
なお、こういった高級SUVマーケットはどんどん拡大しており、もとはというとカイエンが切り開いたセグメントではありますが、そこからベンテイガが投入されることで一気にその規模が広がり、その後はランボルギーニ・ウルス、そしてロールスロイス・カリナンなど続々参入が見られます。
これらのほかにもメルセデス・マイバッハGLS、アウディQ8、BMW X7といった面々も存在し、このセグメントは成長の一途だと考えてよいかと思われ、実際にBMWが久しぶりの「M専売モデル」を投入するに際しては「スーパースポーツよりも高級SUVのほうがプレゼンスを強化できる(資金を回収できる)」としてXMを選んだほど。
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そこで今回Moro1がこの市場について考察を行っていますが、同メディアはこのセグメントを「プレミアム F-SUVセグメント」だと表現し、ここに存在するのは「ベントレー・ベンテイガ、ランボルギーニ・ウルス、アストンマーティン DBX、ロールスロイス・カリナン」であり、昨年これらを購入したのは14,200人であったという統計を公開しています。
加えてこれらはそれぞれ価格とポジショニングが異なるものの2桁の成長を記録しており、DBXに至っては前年比で400%伸びた。とも(ただしDBXの場合、前年のデリバリーが1年通じてフルに行われなかったのだと思われる)。
やはり高級SUV最大の市場は北米
加えて同メディアはこれらプレミアム F-SUVセグメント最大の市場は北米つまりアメリカとカナダだとしており、全市場の31%を占め、前年比で46%拡大し、台数ベースだと4,400台以上が販売された、と述べています。
なお、2番めの大きな市場は中国(3,700台、前年比23%増)、3番めはヨーロッパ(3,622台、33%増)だとされ、これだけ伸びるのであれば「どうりで各社とも高級SUVを導入したがるわけだ・・・」と納得させられます。※日本市場は道路の狭さ、駐車場問題などインフラの問題でこれら超高級SUVの販売の裾野が広がらないと言われている
ちなみにヨーロッパ市場における構成比だとイギリスの40%がトップ、そして26%のドイツ、6.3%のスイス、5.1%のイタリア、3%のフランスといった並びとなっています。
SUVの市場浸透率(販売したクルマにおけるSUV比率)としてはモナコが4.8%でトップ、シンガポールの0.8%、サンマリノの0.5%、アンドラの0.4%、カタールの0.3%という数値が出ています。
ここへ今回フェラーリがプロサングエにて満を持して参入するわけですが、各モデルの成長、市場の拡大を考慮すると、プロサングエは他モデルと競合せずに独自の顧客を獲得してゆくことになりそうで、さらにはプロサングエに触発されたフォロワーも登場するのかもしれません。
特にマクラーレンにとっては「信念を持って取り組めば、SUVであってもスポーツカーと遜色のないクルマができる」といういい見本になったものだと思われ、現在検討中だという(SUV投入についての)プロジェクトを後押しすることになる可能性もありそうですね。
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参照:Motor1