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フェラーリが2022年の業績詳細を発表!販売台数と利益は過去最高、1台あたりの売り上げもオプション装着率向上にて9000万円超へ、さらにF1からの収入も増加

2023/02/03

フェラーリ

| 販売台数は13,221台ヘ18.5%増加、そして2023年にもさらなる増加が期待される |

フェラーリの販売地域別構成、利益獲得構成は「バランスよく」分布している

さて、フェラーリが株主向けに決算報告を行い、予期していた通りに「2022年は素晴らしい年となった」もよう。

まず、その概要は以下のとおりです。

  • 総出荷台数は13,221台、対2021年比18.5%増
  • 純売上高は前年度比19.3%増の5,095百万ユーロ
  • EBITDA(税引き前利益)は、前年度比15.8%増の1,773百万ユーロ
  • EBIT(税引前当期純利益+支払利息-受取利息)は1,227百万ユーロで、前年度比14.1%増
  • 当年度のEBITDAマージンは34.8%、EBITマージンは24.1%
  • 当期純利益は 939 百万ユーロ、希薄化後 EPS(1) は 5.09 ユーロ
  • インダストリアル・フリー・キャッシュフロー(の創出は 758 百万ユーロ

2022年のフェラーリの業績はこういった内容だった

フェラーリが新たに発表した決算の詳細を見てみると、販売台数については2021年の11,155モデルに対して2022年では13,221台を納車して販売記録を更新し、純利益も9億3900万ユーロと過去最高を記録したすることに。

販売地域別では、最大の地域は欧州・中東・アフリカ(EMEA)で、その納車台数は5,958台となり(昨年は5,492台)、アメリカ大陸での販売台数は3,447台(昨年は2,831台)、中国本土、香港、台湾のバイヤーは、は1,552台(昨年は899)、その他のアジア太平洋地域(APAC)市場では2,264台(昨年は1,933台)となっており、つまりはすべての市場で成長しているということになりますね。※他ブランドとは異なり、中国やアメリカが突出していない

2022年の総収入は50億9500万ユーロで前年比19%増、このうち車両とスペアパーツの販売で43億4100万ユーロ(+22%)、エンジン供給は1億5500ユーロ(-18%)、ブランドライセンス供与およびスポンサー契約は4億7900万ユーロ(+11%)、その他では1億2000ユーロ(+54%)という数字となっていますが、エンジン供給についてはマセラティへの供給が(契約によって)減少しているため(マセラティはフェラーリからV8エンジンを購入する契約を延長せず、自社開発によるV6へと切り替えている)。

フェラーリの車両あたり利益は大きく向上

なお、ここで注目すべきは「車両販売(台数)が18.5%増であったのに対し、車両販売によって得られた利益が22%増だった」ということで、つまりは車両1台あたりの販売単価が上昇したということになりますね(車両本体価格も上昇したが、オプション装着率も高くなっている)。

計算上だと1台あたりの販売単価は648,365ユーロ、つまり現在の為替レートだと約9080万円という恐るべき価格となっていますが、これはモンツァSP1/SP2、デイトナSP3のような「億」を超えるモデルの販売、そしてSF90ストラダーレ/SF90スパイダーのような高額モデルの販売比率が高くなったことに起因しているのかもしれません(車両+スペアパーツの売り上げを販売台数で割った数字なので、実際はここからスペアパーツの売り上げを引かなくてはならず、よって実際の車両販売単価はもうちょっと低くなる)。

ブランドライセンス供与・スポンサー契約の売り上げ上昇については、F1でのランキングが上昇したこと(分配金が増える)、フェラーリストアなどのライフスタイル事業の拡大によってもたらされた、と説明されています。

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フェラーリはかく語る

今回の素晴らしい業績について、フェラーリCEOであるベネデット・ヴィーニャ氏は「世界的に高い需要が続く当社製品に支えられ、2023年はさらに好調な業績を収めることができました。複雑なグローバル・マクロシナリオにもかかわらず、私たちは大きな自信をもって前を見据えており、進化するフェラーリの多くの兆候と成果に励まされています。そして、脱炭素の目標に近づいていることにも改めて触れておかねばなりません。これらはすべて、コラボレーション、進歩への意志、継続的な学習、集中力、そして自信のおかげです」とコメントしています。

ちなみに2022年の出荷台数13,221台のうち、純粋なガソリンエンジン搭載モデルは9モデル、ハイブリッドは3モデルにて構成され、出荷台数ベースだと78%/22%となっており、出荷台数の増加を牽引したのはポルトフィーノMとSF90ファミリー。

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一方296GTBと812コンペティツィオーネは納車が開始されたところで、モンツァSP1、SP2は納車のピークを超えたために前年度比で減少し、デイトナSP3が少数納車されています(296GTB,296GTSの納車が進むとハイブリッド比率が一気に上昇することになる)。

フェラーリは、2023年は2022年よりもさらに良い年になると予想しており、レースやライフスタイル活動からの収入増を含め、純収益は57億ユーロ程度になると見込んでいるようですね。

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参考までに、ちょっと前には、2022年において「エネルギー及び原材料費のインフレ」が大きく影響し、そのためフェラーリはこのコストを吸収するために値上げを行うといった報道もなされているので、インフレが改善しない限り、フェラーリは今後も大きな値上げを複数回にわたって行う可能性もありそうです(もちろん、これはフェラーリに限ったことではないのだけれど)。

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参照:Ferrari

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