2023年8月の輸入車登録台数が公開。ミニとルノーがナゾの「半減」、新車を投入したアルファロメオとマセラティの販売が伸びる。なおBYDはすこぶる好調

｜　今後輸入車は本国の方針と日本市場の嗜好とのミスマッチによって販売を落とすケースが出てきそう　｜

とくに「EVシフト」を進める輸入車メーカーに日本の消費者はついてこないだろう

さて、日本自動車輸入組合による2023年8月の輸入車登録台数が公開。

全体的には前年同月比で99.8％という数字であり、そう悪くは見えないものの、ブランド別に見るとこれまで堅調だったミニが前年同月比40.7％、ルノーも52.8％という”いまだかつてない”レベルに落ち込んでいます。

なお、その理由は「全くナゾ」であり、しかし急にここまで減少するからには特段の理由があったと考えるのが妥当かもしれません。

そのほか落ち込みが大きいのはランボルギーニ（53％）ですが、これはアヴェンタドールの生産が終了してしまい「納車するクルマがない」のでいたしかたなく、しかしレヴエルト含め受注残がたんまりあると報じられているので、中長期的には心配がないと考えて良さそうですね。

これまでのトレンドに若干の変化も

そして同じく「凹んだ」のはヒョンデですが、これはなんと前年同月比で26.3％となっており、需要が一巡したと考えていいのかも。

ただ、BYDが比較的好調に販売を伸ばしているところを見ると（通年だとヒョンデは263台、BYDは700台を売っている）、やはりヒョンデの販売拠点の少なさが問題となっている可能性があり、この状況が続くようであれば、ヒョンデはなんらかの対策を講じる必要が出てきそうです（比較対象としてBYDが存在するだけに、販売方法の差異が明確に台数に現れることになる）。

そのほか、グレカーレを投入したマセラティ、トナーレの販売を開始したアルファロメオの数字が伸びており、これらを見るに新車を投入することの重要性がよくわかり、そしてついにエミーラのデリバリーもしくはデモカーの配備が始まったロータスでも登録台数が一気に増加。

輸入車に関しては本国の採用する戦略と日本市場の特性とがマッチしない場合もあり、なかなか先が読めないことも多いものの、それが落ち着くにはもうちょっと様子を見ないといけないのかもしれません。

ちなみにですが、フォルクスワーゲンはここから「ガソリン車の販売を終了させ、電気自動車のIDシリーズを拡充」することになるものと思われ、しかしこれは日本市場の動向と一致するものではなく、よってここから数年先にかけて、フォルクスワーゲンは（国内市場において）けっこう販売が苦しくなる場面もありそうですね。

2023年8月の輸入車登録台数はこちら

参照:日本自動車輸入組合