>フェラーリ

フェラーリが「従業員を250人増員」「持ち株制度スタート」「従業員の子どもも無料で健康診断を受けることができるように」と発表。ホワイト企業へとまっしぐら

2023/11/18

フェラーリ

| フェラーリは様々な意味で「現代的な」企業へと変革を遂げつつある |

エンツォ・フェラーリは横暴なように見えて忠誠を誓った人には優しかった

さて、フェラーリが新規採用や従業員向けの株式取得プログラム開始、社内的な福利厚生強化についてのプレスリリースを発行。

これらはいずれも「将来のフェラーリを成長させるため」に行われることで、従業員一人ひとりに”フェラーリに対する帰属意識”をもってほしいという願望に基づくものだとアナウンスされています。※2024年上半期までに250人の新規採用を予定している

フェラーリ
フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレン、ポルシェのようなスーパーカー/スポーツカーメーカーではどういった求人があるのか?やっぱり語学スキルは必須、けっこうハードルは高い

| スポーツカーメーカー、スーパーカーメーカーで働こうと思うならば、日本語の他に二か国語は話せないと難しそうだ | ただしインターンであればもうちょっとハードルは低い さて、ときどきぼくが検索するのが ...

続きを見る

フェラーリの「自社株取得」プログラムはこうなっている

そしてまずは従業員による自社株取得制度ですが、これは2024年から開始されるといい、各従業員には、フェラーリの株主になれるというオプションが与えられ、最大で500ドル相当の株式が1回限り無料で付与されるのだそう。

さらには従業員が少なくとも36か月間株式を保有する場合、最初の割り当て額の最大15%を付与するといい、これはけっこう太っ腹な制度であると考えられます。

ちなみにですが、フェラーリの株価はこんな感じで継続して上がっており、ぼくのポートフォリオの中ではテスラ、そしてエヌビディアと並んで主力銘柄として活躍しています。

4

そのほか、フェラーリは会社としてこういった試みも

加えてアナウンスされたのが「競争力賞(Premio di competitività)の更新契約」。

これは労働組合組織および社内労働組合代表取締役会との間での契約締結であり、優れた従業員にこの賞が授与され、その報奨金は最大で17,000 ユーロを超える可能性があるとされています。

加えて、受賞者は報奨金のうち年間最大3,000 ユーロまでをフェラーリの株式に変換できるそうですが、フェラーリ株の今後の値上がりを考慮するに、フェラーリ株に変換しておいたほうが貯金よりもずっと割がいいのかもしれません。

L1002287

そのほか、フェラーリは、20年以上にわたってフェラーリの従業員とその家族の健康を守ってきた「フォーミュラ・ベネッセーレ」プログラムを延長することを決定、来年からとなるものの、従業員は臨床検査や専門家よる”年に一度の健康診断”を無料で利用できるようになる、とのこと( フェラーリはマラネロ本社の近くに医療施設を建設しており、間もなく正式に開設される)。

加えてフォーミュラ・ベネッセーレ・ジュニア・プロジェクトもその対象範囲が広がり、現在5歳から15歳までの(フェラーリ従業員の)子供を対象としているものの、4歳から18歳までの年齢層に拡大されることもアナウンスされています。

フェラーリは地域に根づいた「人材サーキュレーション」を確立している

参考までに、マラネロには「国立フェラーリ工業学校」なる学校があり、ここではもちろん自動車に関する技術を教えているのですが、現在は国によって運営されているものの、設立したのはもちろんフェラーリ。※会社としてのフェラーリよりも古い1945年に設立され、1965年に国立化されている

そしてフェラーリは優秀な人材を確保するためにこの学校を立ち上げ、技術を習得した人材をフェラーリへと招き入れていたわけですが、入社後に研修として教えると給料を支払う必要が出てくるのに対し、「学校」として教えれば逆に学費を取ることができるので、これは賢い方法だと言えそうです。

L1004833

さらにフェラーリに入った後、(ものの本によれば)フェラーリは昇給を抑えることで人材を排出していたといい(一定年齢になり、結婚して子どもができるとフェラーリの給料では生活が難しいので転職することになる)、しかし「フェラーリで働いていた」という金看板があれば、地元の自動車関連企業だとどこでも有利な条件で就職できたといいます。

かくしてフェラーリは安価な労働力を確保し、賃金を高騰させないまま人件費を抑えることに成功し、一方でフェラーリ周辺の会社、そしてサプライヤーは「フェラーリ出身者」が多くを占めることになり、そして彼らはフェラーリに忠誠を誓った者たちなので(転職したとしても、フェラーリと喧嘩別れをしたわけではなく、転職時にはフェラーリのバックアップも得ている)、フェラーリは周囲の企業と協調関係を築くことができているのだそう(書籍名は失念)。

現在は「給料打ち止め」になるようなことはないかと思いますが、このあたりはエンツォ・フェラーリが言った「工場は機械でできている。フェラーリは人でできている」という言葉の通りなのかもしれません。

あわせて読みたい、フェラーリ関連投稿

【動画】フェラーリが75周年記念ロゴを公開!エンツォの言葉「フェラーリは何よりも人でできている」をあらためて強調する
【動画】フェラーリが75周年記念ロゴを公開!エンツォの言葉「フェラーリは何よりも人でできている」をあらためて強調する

| フェラーリの歴史は1947年の「125S(レーシングカー)」から始まった | プロサングエ、296GTSなどすでに2022年の新型車がスタンバイ さて、2022年を迎えるにあたり、フェラーリはその ...

続きを見る

フェラーリ
フェラーリがビットコインなど暗号資産による支払受付を開始。「我々のお客様には、暗号資産に投資している方もいらっしゃいます」。ちなみにボクもその一人である

| ボクはフェラーリ296GTBの残金支払時にビットコインを換金しようと考えていたが | たしかにフェラーリを購入する余裕がある人は様々な方面に投資を行っている可能性が高い フェラーリがアメリカにて「 ...

続きを見る

エンツォ・フェラーリは自分宛ての手紙にすべて返信していた!エンツォの死の直前に手紙を送った当時の子供達が40年近くを経てフェラーリ本社に招かれる
エンツォ・フェラーリは自分宛ての手紙にすべて返信していた!エンツォの死の直前に手紙を送った当時の子供達が40年近くを経てフェラーリ本社に招かれる

| フェラーリは排他的であり続ける一方、”ファミリー”に対しては献身的だ | 当時夢見たF1マシン、そしてフェラーリのロードカーと対面を果たす さて、毎年このクリスマスシーズンになると各自動車メーカー ...

続きを見る

参照:Ferrari

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->フェラーリ
-, , , ,