| ボクはフェラーリ296GTBの残金支払時にビットコインを換金しようと考えていたが |
たしかにフェラーリを購入する余裕がある人は様々な方面に投資を行っている可能性が高い
フェラーリがアメリカにて「フェラーリの購入代金を暗号資産(暗号通貨)にて申し受ける」サービスを開始。
暗号資産(特にビットコイン)は一時期大きな話題となっており、一部ディーラーにてビットコインによる支払いを受け付けを開始したことがあるものの、現在では価格変動リスク、マイニングに関わる環境問題(環境負荷)からその受付を撤回する例が増えています。
テスラも「いったんビットコインの支払受付を開始したが、それを取りやめた」企業の1つであり、しかしフェラーリはこれに逆行する動きを見せたということに。
フェラーリのマーケティング責任者、エンリコ・ガリエッラはこう語る
今回の決定に際し、フェラーリにて最高マーケティング・商業責任者を務めるエンリコ・ガッリエラ氏は今回の決定に際して以下のようにコメントしています。
若い投資家の方々の中には、暗号通貨を中心に資産を構築したケースも少なくありません。また、投資先(ポートフォリオ)を多様化している伝統的な投資家もいらっしゃいます。
もちろん暗号資産の環境負荷については理解していますが、各暗号通貨は新しいソフトウェアの導入や再生可能な資源の導入を通じ、二酸化炭素排出量を削減する努力を続けていますし、我々のバリューチェーン全体においても、2030年までにカーボンニュートラルを達成するという目標は絶対的に揺るぎません。
現在の世の中の流れに逆らっての決定は非常に(フェラーリとしては)珍しいことだとは認識していますが、今回の決定は「フェラーリの顧客の多くが暗号に投資していることに起因し、市場やディーラーからの要望に応えるものである」こともあわせてアナウンスされており、実際に”暗号資産で支払いたい”という要望が強かったのかもしれませんね。
エンリコ・ガリエッラ氏は現時点でどれくらいの顧客が暗号資産を用いて支払いを行う見込みであるかについては語っていないものの、今回の試みがある種のテストであることも認めており、フェラーリの顧客以外にも「現在我が社の顧客ではなくとも、フェラーリを購入できる余裕を持っている可能性がある人々の注意を喚起するであろう」ことにも言及しており、新たな顧客の獲得も視野に入れている可能性もありそうです。
具体的にどうやって暗号資産でフェラーリを購入するのか?
そこで気になるのは「どうやって暗号資産でフェラーリを購入するのか」ということですが、アメリカだと暗号通貨決済処理最大手のひとつであるBitPay(ビットペイ)を通じ、ビットコイン、エーテル等での取引を可能にする予定であることにも言及していて、これによって価格変動リスクと犯罪からフェラーリを守ることとなるもよう(顧客の暗号資産をBitPayがフェラーリの車両代金分だけ法定通貨へと換金し、フェラーリのディーラーに渡すことになるのだと思われる。ディーラーがビットコインのまま受け取るわけではない。顧客としては自身で暗号資産を換金した後に銀行口座へと移し、そこからフェラーリへと送金するという手間を省略できる)。
なお、直接顧客と代金をやりとりするのはフェラーリ本社ではなくディーラーとなりますが、現在アメリカでは「大半」のディーラーがこの手法を取り入れることに合意しており、残りのディーラーも「まもなく契約書にサインする」見込みなのだそう(ディーラーからするとなんらデメリットはないので、これを拒否する理由はない)。
参考までに、エンリコ・ガリエッラ氏は「欧州でも同様の需要を確認できます」と述べており、欧州、ひいては暗号資産が法的に認められている国や地域において、今回のアメリカ同様の支払い方法を取り入れることについても言及ずみ。
もう一つ参考までにですが、ぼくはビットコインにも投資しており、そのぶんはフェラーリ296GTBの車両代金支払い時に現金化しようと考えていたものの、もしその時になって「日本のフェラーリディーラーでもビットコインによる支払いを受ける」ことになっていれば、”ビットコインでフェラーリを買って”みようかと考えています。
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参照:Reuters