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フェラーリが2023年の業績を発表。販売台数は+3%なるも利益が17%伸び、「パーソナリゼーションによる販売単価の増加」が大きく貢献

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| さらにフェラーリは従業員へと高額ボーナスを支給、2024年には3つの新型車を発売すると言われるが |

現時点でフェラーリに「死角はない」と考えていいだろう

さて、フェラーリは「2025年からルイス・ハミルトンをスクーデリア・フェラーリに迎える」という電撃発表を行い世間を驚かせていますが、今回は2023年の実績を発表し、いくつかの興味深い数字を示しています。

まずは販売台数だと13,663台を記録し、これは前年比で3.3%増加となっており、これは最近だとけっこう控えめな数字にとどまっています。

一方でフェラーリの利益は大きく伸びる

ただしフェラーリの純収益は59億7,000万ユーロとなってこれは前年比17.2%増、EBITDA(特別損益、支払利息、減価償却費を考慮)は16億1,700万ユーロだと発表されており、これは前年比で31.8%の増加です。

つまりフェラーリでは販売台数よりも売上、そして利益のほうが大きく伸びており、つまり「1台あたりの販売価格が上昇し、それよりも1台あたりの利益が伸びた」と考えていいのかもしれません(フェラーリには他の収入源もあるので、一概にそう結論づけるのは早計ではあるが)。

なお、今回の力強い結果を受け、フェラーリCEO、ベネデット・ビーニャCEOが発したコメントは以下の通り。

2023 年は非常に成功した年であり、この年に当社は数多くの取り組みを通じてブランドを強化しました。その成果は前例のない財務結果に反映され、初めて純利益が34%という高い上昇率を示すこととなりました。
ビジネスプランは、慎重に計画された道筋に沿ってスケジュールどおりに継続され、2023年の記録的な結果、2024 年に向けて私たちが抱いている野心と、受注残が示す卓越した可視性により、より強い自信を持って(中期計画である)2026年の上限目標を見据えています。

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販売地域別に見てみると、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)では6,063台を販売(+3%)し、アメリカでは3,811(+11%)、香港と台湾を含む中国では1,490(+4%)を販売、残りのアジア・パシフィック地域では2,299(+2%)、そのうち日本は1,395台でこれは前年比-2%という数字です。

なお、これら販売の増加はプロサングエによってもたらされ、2023年後半には296GTB/GTS、SF90ファミリーのデリバリーが増加しており、第4四半期にはローマ・スパイダーが投入された代わりに2023年いっぱいでF8ファミリーの生産が終了することに。

そのほか812コンペティツォーネ、デイトナSP3といったスペシャルモデルの納車も進み、2023年に販売されたラインアップとしてはガソリン車が11モデル、ハイブリッドが4モデル、そしてそれぞれの内訳は56%と44%。

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収益源について見てみると、「自動車およびスペアパーツ」では51億1,900 万ユーロ (+18.5% )で、やはり販売台数(+3%)よりも大きく伸びており、フェラーリによると「パーソナライズ(つまりオプション)が大きく貢献している」。

そのほかスポンサーシップ、コマーシャル、およびブランドライセンスによる収益は14.6%増加して5億7,200 万ユーロ(F1からの収入増、新規スポンサー獲得、ライフスタイル製品の販売増加による)。

エンジン販売の収益は18.4%減少して1億2,700万ユーロですが、これはマセラティへの供給が段階的に減少している影響です(2023年末で供給契約が切れる)。

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参考までに、「自動車およびスペアパーツ」で得られた収益を販売台数で割ると「1台あたり約6000万円」という数字が出てきますが、もちろん(車両価格から判断するに)そこまでの利益があるわけではなく、よって「自動車およびスペアパーツ」においてはスペアパーツの販売が結構な比率を占めているのかもしれません。

もうひとつ参考までに、ベネデット・ヴィーニャ最高経営責任者(CEO)は、今回の記録的な2023年の業績を受け、従業員には推定1万3500ユーロ(約217万円)の賞与が支払われる、とアナリストとの電話会議にて述べたことが報じられています。

フェラーリの2024年には何が起きるのか

フェラーリは2024年の具体的な計画については述べていないものの、ウワサでは今年登場するニューモデルは「少なくとも3つ」。

ひとつはラ・フェラーリの後継(F250)だと目されており、F40以降でははじめてV12エンジンを搭載しない可能性が指摘されており、296GTB / 296GTS、296GT3、499P耐久レーシングカーから派生したプラグインハイブリッドV6ツインターボになると見られていますが、もしそうなるとこれはこれで衝撃的。

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これについてはクーペを599台、オープンを199台、そしてXXモデルを30台生産すると言われており、今年発表されるのはクーペのみ、生産開始も今年になるというウワサです。

そしてオープンモデルの発表は2028年にずれ込み、こちらはXXモデルとともに2030年に製造が開始されるとも。

このほか812スーパーファストの後継モデルも「ほぼ確定」だと見られていますが、3つ目のモデルについては情報がなく、新しいICONA、プロサングエの派生(V6ハイブリッド?)、はたまたローマの後継モデル、あるいは296GTB / 296GTSやSF90ストラダーレ / SF90スパイダーの後継モデルなどが考えられるかもしれません(ワンオフモデルの登場もあるかと思われるものの、これは市販車ではないのでノーカウント)。

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参照:Ferrari

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