| まだまだ現段階ではフェラーリのピュアエレクトリックカーがどんなクルマになるのかはわかっていない |
フェラーリは自社でバッテリーやモーターを組み立てるための施設も建設済み、電動化へと一気に加速
さて、フェラーリが2025年頃にピュアエレクトリックハイパーカーを発表するために開発を進めていることはよく知られている事実ですが、今回ブルームバーグがフェラーリCEO、ベネデット・ビーニャ氏へと行ったインタビューにて「すでにプロトタイプが完成している」ことが明らかに。
そして同氏は実際にこのプロトタイプに試乗し、「非常に気に入った」とも述べています。
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現在のフェラーリCEOは「電子業界」出身
ベネデット・ビーニャ氏は自動車業界では非常に珍しい、「(自動車業界ではなく)エレクトロニクス業界」出身の人物で、2018年に急逝した前フェラーリCEO、セルジオ・マルキオンネ氏の後任としてフェラーリに加入しています。
フェラーリはセルジオ・マルキオンネ氏の後任としてCEOを選定する際、自動車業界からではなく「エレクトロニクス業界」もしくは「ラグジュアリーブランド業界」からCEOをスカウトしようと考えていたといい、前者だと(ウワサレベルで)アップルのデザイナー、ジョニー・アイブ氏の名が上がっています。※実際に、フェラーリはジョニー・アイブ氏、マーク・ニューソン氏との共同プロジェクトを立ち上げている
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ラグジュアリーブランド業界からであれば、サンローランやグッチからの重役をスカウトする計画があったようですが、結果的に「エレクトロニクス業界から」CEOを抜擢することになったものの、現在のフェラーリの取締役会のメンバーにはシャネルやディオールの取締役も(兼任として)名を連ねており、フェラーリは「エレクトロニクス業界」「ラグジュアリーブランド業界」に対する強い関心を持っていることがわかりますね。
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なお、「エレクトロニクス業界」への興味については、もちろん商品の電動化、そしてクルマそのものが「走るスマホ」になるであろうことを予想してのことだと思われ、「ラグジュアリーブランド業界」に対し関心を持つのはそのマーケティングや顧客管理の手法を取り入れたいがためだと思われます(スーパーカーはもはや腕時計やバッグと同様の高級嗜好品である)。
それでもピュアエレクトリックハイパーカー発売までには「時間を要する」
それはともかくとして、今回ベネデット・ビーニャ氏はフェラーリ初のピュアエレクトリックハイパーカーの試作車を運転し「とても気に入った」と述べ、すでに走行可能な車両があるにもかかわらず「非常に慎重に開発を行っているため、発売までには、あといくつかの四半期を経ねばならない」とも。
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インタビューではそれ以上のことには触れられておらず、よってこの試作車がどういったスペックを持つのかわからないままではありますが、直近では自社でバッテリーやエレクトリックモーターの製造を行うための「Eビルディング」が完成しており、今後ここでハイブリッド、そしてピュアエレクトリックカー向けのコンポーネントを生産することになり、電気自動車の開発に拍車がかかるのは間違いなさそう。
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一方、フェラーリは少し前に「2026年に販売台数の60%を電動化、2030年までには80%を電動化」するという計画を公表していますが、その後にはEUが「ガソリン車販売禁止には特例を設け、合成燃料(Eフューエル)の使用を認める」ともコメントしており、よってこの計画は少し変更がなされる可能性もあるのではと考えています。
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