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フィンランドにて「自動車保険史上、最高額」の補償支払いが生じる。その額8470万円、対象車種はフェラーリSF90ストラダーレ

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| 保険会社は「修理か全損か」につき時間をかけて調査を行い、結果的に全損扱いとなったようだ |

オーナーはこの保険金を受け取った後、新しくマクラーレン・アルトゥーラを購入しスーパーカーライフを満喫中

さて、フィンランドにて「同国の自動車の保険金おいて、過去最高額の支払いが生じた」とのこと。

支払の対象となったのはフェラーリSF90ストラダーレで、実際に事故が生じたのは2023年秋だそうですが、極めて構造が複雑なハイブリッドスーパーカーの損傷を見分し修理金額を見積もるまでに数ヶ月を要することとなり、しかし先日ようやく「全損」という判断がなされ、その所有者に53万ユーロ(現在の為替レートにて約8740万円)が支払われたのだそう。

その事故はこうやって起こった

まず今回の事故について触れておくと、事故が発生したのはある雨の日だと報じられており、オーナーがこのフェラーリSF90を走行させていたところ、道路の轍に水たまりができていて、その上に乗ってしまったことによりハイドロプレーニング現象を起こしてクラッシュに至ったようですね。

なお、事故時の速度は「法定速度内」であったとされ、この事故に違法性はなく、加えてオーナーが十分に減速した後にガードレールに突っ込んだため(幸いにも)生命に影響はなく、さらにはエアバッグが展開しないほどの「低速」であったとされています。

ただ、いかに低速といえどもその損傷範囲は見ての通り小さくはなかったようで、フロントバンパーは跡形もないほど破損してフロントフードやフロントフェンダーにも被害が及び、フロントホイールに至ってはサスアームごと外れてしまっているもよう。

保険会社はフェラーリSF90を「修理するか全損扱いにするか」で大きく迷う

その後オーナーは、保険会社へとこの事故に関連する保険金を請求することになるのですが、上述の通り(保険会社は)この調査に多大な時間を要し、被害の全容の把握、修理代金の算出、そして「修理したほうが安いのか、全損にしてバラ売りした方がいいのか」を見極めるのに要したのがこの数ヶ月。

結果的に保険会社は「全損」を選びオーナーへと53万ユーロを支払うこととなったものの、オーナーがこのフェラーリSF90ストラダーレを購入した金額は75万ユーロ(約1億2400万円。どんなにカスタムしてもここまで価格は上がらないと思われるので、高額な税金などが課されているのかも)なので、購入金額と同等のカバーはなされないといった判断となっています。

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しかしながらすでに走行53,000kmを超えていることもあってかオーナーはこの支払額にも十分に満足しているといい、この保険金で容易に購入ができるマクラーレン・アルトゥーラを入手して「ミドシップ・ハイブリッドスーパーカー」を楽しみつつ、すでに注文を入れているフェラーリ296GTBの納車を待っている状態なのだそう。

今回事故に遇い損傷したフェラーリSF90ストラダーレについては現在「部品取り車」としてオークションにかけられているそうですが、保険会社が「修理が困難」と判断した理由にはパーツの高額さ(フロントフードのみで500万円くらい)が影響しているといい、しかしフロントにエレクトリックモーターやインバーターを搭載するという構造上の特殊性が関係していることも想像に難くありません。

今後ますますスーパーカーの価格は(インフレやハイブリッド化で)上昇し、それだけでも保険に入るためのコストが増加することになりますが、さらにハイブリッドモデルでは「修理が困難」というおまけがついてくるため、ますます維持のための費用が上昇することになりそうですね。

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参照:Carscoops, Fanpage.it

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