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フェラーリが「あまりに奇抜すぎる」特許を出願。エンジンは直6で水素かつ上下逆に搭載、さらには電動スーパーチャージャー装備など現行モデルとの共通性が全く皆無

フェラーリが「あまりに奇抜すぎる」特許を出願。エンジンは直6で水素かつ上下逆に搭載、さらには電動スーパーチャージャー装備など現行モデルとの共通性が全く皆無

| ある意味でこの構成は「革命」に近い |

ただしフェラーリのメカニックにとっては「整備が非常に困難」なシロモノとなりそうだ

さて、これまでにもフェラーリは様々な特許を出願していますが、今回はそれらの中でもとびっきり奇抜な特許が出願されています。

その内容はひとくちに言えば「直列6気筒の水素燃焼エンジンを上下逆に積んでスーパーチャージャーで加給して後輪を駆動し、前輪はエレクトリックモーターで駆動する4輪駆動」。

「車体後部に積んだガソリンエンジンで前輪を駆動し、後輪はエレクトリックモーターで駆動する」ケーニグセグ・ジェメラほど常識外れではないものの、これを出願したのが「フェラーリ」であることを考慮すると、やはり驚かざるを得ない内容です。

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今回出願された特許はこんな感じ

この特許はフェラーリ、そしてフェラーリに24年間務める「車両およびパワートレイン アーキテクチャ イノベーション マネージャー」、ファブリツィオ・ファヴァレット氏との連名にて出願されており、順番にその「特異さ」を見てゆきたいと思います。

まず最初の特異さは「直列6気筒」という最近のフェラーリには例を見ないエンジン型式で(ただし過去にはランプレディV12ユニットを縦に割って6気筒としたことがある)、しかもこれもまたフェラーリでは前例がない「水素」、さらにはスーパーチャージャーというフェラーリらしからぬ要素、そして極めつけは「上下逆に搭載する」という方法。

直6そして水素というところは「まず置いとく」として、このエンジン逆さまというのは完全に常識を超えており、しかしフェラーリがこれを行う目的は”これによってトランスミッションの位置を上げたいから”。

その理由としては、トランスミッションを持ち上げることで「より深い」ディフューザーをもたせることができ、そうでもしなければ「フェラーリが求める効果を発揮できるディフューザー」を車体に与えようとしたとき、車体後部が「長く」なってしまうため。

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もちろんこれによって車体の重心が(しかもリヤで)高くなってしまうものの、フェラーリはそれよりも「ディフューザーの獲得するダウンフォース」と「コンパクトな全長」を重視している、ということに。

なお、「逆さま」に搭載するということはクランクシャフトが上、シリンダーヘッドが下を向くことになり、オイルの循環など色々な問題が生じるにようには思いますが、もちろんフェラーリはオイル循環システム、さらに冷却水の循環についても問題を解決しており、つまりこのエンジンは「もともと逆さまになるように」設計されているわけですね。※昔の戦闘機では「逆さエンジン」が存在するらしい

そこまで全長を短くしたいのであれば、296GTBでそうしているように「V6でいいのでは」とも考えたりするのですが、この特許には「直6でなければならない理由」があり、それは縦に長いエンジンの両脇に水素タンクを積むためで、V6だと(幅が広いいので)当然ながらこの配置は不可能となります。

さらにフェラーリは「電動スーパーチャージャー」を搭載することを想定

そして「スーパーチャージャー」について触れてみると、これはエレクトリックモーターの軸両側に取り付けたコンプレッサーによって加給がなされ、そしてこのモーターは前輪駆動用エレクトリックモーターが(ブレーキングの際に発生する)回生によって電力を賄うもよう。※ただし特許においては熱回生(MGU-H)の可能性、デュアルクラッチ・トランスミッションのひとつの軸からパワーを得る可能性についても言及しており、空気の圧縮の手段を復数検討していることがわかる(しかしいずれもスーパーチャージャーであることに変わりはない)

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こうやって見ると、この新しい特許は現在フェラーリの持つレイアウト、コンポーネントと基本的になんら関連性を持たず(共通性があるとすれば、フロントタイヤをエレクトリックモーターで駆動するハイブリッドというくらい)、かつフェラーリの伝統を反映しているわけでもなく、よって一部では「フェラーリにとって不浄かつ冒涜的な、憂慮すべき内容である」という見方もあるもよう。

ただ、その時代にマッチした技術を採用して新しい可能性を探るという野心的な挑戦は「フェラーリらしい」ものだと考えており、過去に(必要以上に)固執したり、安易な方法でハンパな電動化をおこなうよりはよほどいいんじゃないか、という気もします。

ただ、この特許が実現した場合、フェラーリを整備するメカニックにとって「頭痛の種」が増えることは間違いなく、プラグ交換一つとっても、おそらくはかなり困難であると思われます。

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参照:Motor1, Autoguide

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