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インテリアには「オンドル暖房」、ボディカラーは「韓国の夜空」をイメージ。ヒョンデの上級ブランド、ジェネシスが過去最大のNEOLUN(ネオルン)コンセプトを発表

インテリアには「オンドル暖房」、ボディカラーは「韓国の夜空」をイメージ。ヒョンデの上級ブランド、ジェネシスが過去最大のNEOLUN(ネオルン)コンセプトを発表

| ここ最近のヒョンデ、そしてジェネシスはなかなかに優れたデザインやコンセプトを持つクルマを発表している |

このネオルン・コンセプトが「これに近い姿と機能で」発売されれば、大きな競争力を発揮するだろう

さて、韓国ヒョンデのプレミアムブランド、ジェネシス(GENESIS)がニューヨーク・オートショーにて「NEOLUN(ネオルン)」コンセプトを発表。

これはジェネシスでも過去最大級のサイズを誇るSUVで、Bピラーレスのコーチドア、シームレスな表面を持つデザイン、韓国の伝統的な「オンドル」からインスピレーションを得た輻射暖房システムを特徴とし、革新性と高級感の融合を体現したクルマです。

ジェネシス「NEOLUN」はこんなクルマ

そこでこのNEOLUNコンセプトの詳細を見てみると、ジェネシスいわく「最先端の技術機能を多数搭載し、ジェネシスの究極のホスピタリティを表現した、ジェネシス初のフルサイズエレクトリックSUVコンセプト」。

このNEOLUNという名称はギリシャ語の「neo」(新しい)とラテン語の「luna」(月)に由来してており、これらは共に、従来の価値基準を超えるジェネシスの技術革新を要約し、ブランドの将来のビジョンを示すものだと紹介されています。

そしてこのネオルン・コンセプトに発表に際してジェネシスのチーフ クリエイティブ オフィサー、ルク・ドンカーヴォルケ氏は「ネオルン コンセプトは、韓国の象徴的な月の形をした磁器の壺からインスピレーションを得たもので、それは時代を超越したデザインと洗練された職人技の典型です」とコメントしており、ジェネシスのデザインは欧米コンプレックスが根底にあるのではなく、韓国独自の価値観に基づくものであることを強く主張することに。

Genesis (2)

このネオルン・コンセプトの外観は、不必要なディテールを意図的に排除した、クリーンで洗練されたラインを特徴とする「リダクティ部(還元的)デザイン」の原則を中心に展開され、外観上の最大の特徴は車体とルーフを繋ぐ”Bピラーのない”特徴的なコーチドア(観音開きドア)です。

従来の車両構造と比較して、このレイアウトははるかにオープンな車内空間を提供し、乗客のアクセスの利便性を最大限に高めることになりますが、それだけに多くの(ジェネシスに限らず)多くの自動車メーカーがコンセプトカーにこの構造を採用し、しかし強度や製造難易度の観点からいずれも「市販モデルでは普通のドアになってしまう」という傾向も。

ただしジェネシスはついにこのコーチドアを「量産車への適用が可能なレベルにまで設計を昇華させた」とコメントしていて、おそらくは他社の高級SUVとの差別化要素としてこれを取り入れてくることになるのかもしれません。

Genesis (3)

なお、電動サイドステップはドアオープン時に自動で展開し乗降を容易にし、ドアが閉まるとサイドステップが車両に組み込まれシームレスな外観デザインが維持されることになるとも説明されており、さらに”シームレス”という点はボディ一体型ランプ、ポップアップ式ルーフラックというところにも現れています。

ちなみにですが、ネオルン コンセプトのボディカラーは「ミッドナイト ブラック」と「マジェスティック ブルー」と呼ばれる魅惑的なツートンカラーで構成され、これは韓国の穏やかな夜空をイメージしているのだそう。

ジェネシス・ネオルン・コンセプトはこんなインテリアを持っている

ネオルン・コンセプトのインテリアに目を移してみると、Bピラーを排除したことで広がる空間は「韓国独特のおもてなし文化を現代的に再解釈したもの」だとされ、そのテーマは「快適さとリラクゼーション」。

上述の通り韓国の伝統的な「オンドル」からインスピレーションを得た輻射暖房システムが採用され、これはダッシュボード、ドアトリム、フロア、シートバック、コンソールの側面に貼り付けられた加熱フィルムによって車両全体を効率的に加熱することが可能です(オンドルは床下の直接熱伝導を利用して暖かさを提供する韓国の暖房方法で、全国の伝統的および現代的な住宅でよく見られる)。

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フロントシートの回転機能は乗客のスペースと実用性を最大限に高め、調整可能な大型ディスプレイ スクリーンと後部座席のヘッドライナーから展開されるフレキシブル ディスプレイによって多彩なコンテンツを楽しむことができるように配慮されていますが、この回転シートはさすがに市販モデルでは導入されないかもしれません。

なお、インテリアには「ロイヤル インディゴ」の色合いを持つカシミア、有機顔料で自然に染色されたヴィンテージ風の「パープル シルク」レザー、そして本物のウッドによるフロアパネルによって真のラグジュアリーが演出されており、ツイーター、ミッドレンジ スピーカー、ウーファー、サブウーファーを最適に配置する高度な「サウンド アーキテクチャ」によって臨場感と没入感溢あふれる音響体験を実現すること、そしてスピーカーが作動すると「ドライバーと車の間に感情的なつながりを生み出すように設計された」フロントのクリスタルが回転し、ツイーターに転じるといった演出についても触れられています。

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これまでジェネシスはどうしても「日米欧のプレミアムカーブランドの二番煎じ」といった印象が強く、積極的に購入する理由を見出すことが難しいブランドではありましたが、ここ最近のクルマを見るに、韓国文化に根ざしたデザインや機能を採用し、他とは全く異なるコンセプトやデザイン言語を採用することで独自性あふれる世界観を演出しているようにも思えます。

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参照:Genesis

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