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ランボルギーニ「ランザドールは奇抜に見えますが、新しい価値観を提案しています。ウラカン・ステラートも最初はみんなクソだって言ってたけど、今は大好きでしょう?」

ランボルギーニ「ランザドールは奇抜に見えますが、新しい価値観を提案します。ウラカン・ステラートも最初はみんなクソだって言ってたけど、今は大好きでしょう?」

| たしかに、予想の範囲内に収まるようなブランドには誰も惹かれないだろう |

過去を破壊し、新しい価値観を構築しながら進んでこそランボルギーニである

さて、ランボルギーニは初のピュアエレクトリックカーを示唆するコンセプト「ランザドール」を公開したばかりですが、このランザドールには様々な挑戦があり、ランボルギーニの未来を定義する様々な要素が隠れているようです。

ランボルギーニは1963年の創業以来、ずっとV12エンジンをラインアップし続けてきたスポーツカーメーカーであり、しかしランザドールは「V12はおろか、内燃機関を搭載しないことを前提としているクルマ」。

そしてランボルギーニは「V12を搭載しないランボルギーニがどのようなブランドであるべきか」をランザドールによって示そうとしているわけですね。

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ランザドールは「新しいランボルギーニ」であり「新しい顧客」の獲得を目指している

ランボルギーニ・ランザドールは見ての通り「新しいボディ形状」を持っており、クーペともSUVとも表現できるクルマではありますが、新しいのはそのスタイルのみではなく、機能やコンセプト、それによってもたらされるドライビングプレジャーに至るまでが「新しい」。

出力は1メガワット(1,361馬力)以上であることが明かされていますが、ランボルギーニのチーフテクニカルオフィサーであるルーヴェン・モア氏によれば「性能目標を追い求めることは、このクルマにとって最も難しい課題ではない」。

ランザドールはとても速く、0−100km/hまでを「1.7秒で駆け抜けること」も可能だと述べ、しかし「1.7秒で100km/hまで加速するのと、1.8秒、2.1秒で100km/hまで加速する」違いをドライバーが実感することはほとんど不可能であり、加速性能は単なる数字にしか過ぎず、課題は「どう加速するか」であるとも語っています。

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EVの性格はソフトウエアによって定義される

そしてランボルギーニは上述の通り、このランザドールにて「これから何ができるのか」を示そうとしており、しかしここで重要となるのは「エレクトリックモーターはガソリンエンジンほど個性的ではない傾向があるため、ランボルギーニ初の市販EVの個性の多くはソフトウェアによって定義されることになる」という事実。

そしてルーヴェン・モア氏はこの問題について以下のように語ります。

「正直なところ、これは私たちの最も重要な開発目標のひとつで、どうやってランボルギーニの電気的挙動を再定義するかが課題です。人々は、ランボルギーニがもう少し無骨で、もう少し、言ってしまえば、あまりスムーズではないことを期待しているのです。多くの電気自動車は高いパフォーマンスを持っていますが、電動化時代における加速性能は差別化ではありません。現時点では、まさにこの”ランボルギーニらしい”振る舞いをどうやって電動化時代に再定義し、ランザドール、ひいてはそれ以降のEVに与えるかこそが差別化であり、我々のブランドを定義するに際し重要な要素となります。そしてそれについてはて、多くのアイデアを持っています。

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ランボルギーニは、この「電動化時代の挙動を決定する」新しいソフトウェアをランボルギーニ・ダイナミカ・ヴェイコロ・インテグラータ(LDVI)と呼んでいますが(この名称とベースとなるコンセプトはウラカンEVO発表時に登場しているが、エレクトリック時代でもそれを継続するようだ)、LDVIは、センサーとアクチュエーターを駆使して、ドライバーの記憶に残るような体験を作り出すことを目的としており、ランボルギーニのエンジニアたしはそれを際立たせるため、ドライバーに可能な限り多くのコントロールを与えることに取り組んでいるのだそう。

参考までに、ランボルギーニ初のPHEV車であるレヴエルトでは(普通のクルマであれば3〜4つのところ)13ものドライブモードがあるといい、これは上記のような考え方を実際に取り入れているという証左なのだと思われます。

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EVでは、ガソリン車にできないことができる

そしてルーベン・モア氏は「私たちはエレクトリック化によって初めて、内燃機関搭載車では考えられないような機能を実装することができるのです。例えば、私たちはすでにトルクベクタリングに取り組んでおり、パドルシフトを使って、走行中にトルクベクタリングに影響を与えることができます。これはひとつの機能にすぎません」と語っており、さらには「たとえ今はよくわからなくても、こういった機能こそが顧客をそのブランドに惹きつけることになる要素となりうるのです」とも。

この言わんとするところは、スティーブ・ジョブズの言った「顧客は、目の前にそれを出されてはじめて、それが自分の欲しかった商品であると知ることになる」という主張とよく似ており、要は「ドライバーが想像もしなかったような運転体験を提供することで、ドライバーを虜にする」のだと思われます。

実際のところ、人であってもブランドであっても、自分が知らなかったことを教えてくれたり、自分が思いもよらなかったことを経験させてくれた場合に心動かされたりファンになったりするので、ルーベン・モア氏の考えることはランボルギーニのようなハイエンドブランドにとって「まったくもって正しいこと」なのでしょうね。

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そして最後に、ルーベン・モア氏はこのランザドールの「他に類を見ない」ボディ形状についても言及しており、これもまた「既存の価値観に収まらない提案の一つ」だとも。

ほとんどの人たちが、このランザドール発表前には、ちょっと背の高いGTカーをイメージしていたと思います。しかし、私たちは(ちょっと勇気が必要なことでしたが)自分たちを信じており、この新しいボデイ形状を採用したのです。例えば、ウラカン・ステラート。こんなクルマは誰も求めていなかった。最初はみんな、『おいおい、これは何だ?これはクソだ。これで何をするんだ?』しかし今では、特にすでにドライビングを体験した人たちは、このクルマが大好きになっていますよね。

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ランボルギーニCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏は「我々は歴史をリスペクトしていますが、過去にとらわれず前を見て進みます。我々に必要なのは小さなバックミラー、そしてより先を見渡せる大きなフロントガラスなのです」とコメントしたことがありますが、まさにこのランザドールは「ランボルギーニが過去に絶望的に囚われることのない、新しいスタイルを創造するためにデザインされた」クルマだということになるのかも。

そしてランボルギーニは、新しい価値を創造し提供し続けることで新たな顧客を獲得し続け、自らの手で未来を切り開いてゆくのでしょうね。

参照:Road & Track

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