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ランボルギーニ・ランザドールはなぜ「あの奇抜な」ボディ形状なのか?「現在持たない車種を投入する必要があったが、セダンは2つの理由からNOになった」

ランボルギーニ・ランザドールはなぜ「あの奇抜な」ボディ形状なのか?「現在持たない車種を投入する必要があったが、セダンは2つの理由からNOになった」

| 色々な理由やタイミングが重なり、そこでこのボディ形状が誕生したようだ |

この「新種」を考えだしたのは”さすがランボルギーニ”といったところである

さて、ランボルギーニは「初のピュアエレクトリックカー」としてランザドールを発表していますが、このボディ形状は「ハイライダーの2+2クーペ」。

つまり(ボディ形状としては)スポーツカーでもなくセダンでもなくSUVでもなく、いわば「新種」とも言うべき存在です。

なお、ランボルギーニ初のEVが(フェラーリやロータスのように)スポーツカーもしくはスーパーカー/ハイパーカーでない理由についてはすでに語られており、これは「現在のところ規制の行方が曖昧であり、今すぐエレクトリックスーパーカーを作る必要はないから」、そして「現代の技術では、ランボルギーニが満足できるだけの性能を発揮できるバッテリーが存在しないから」。

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ランボルギーニ・ランザドールはなぜ「あのボディ形状なのか」?

そして今回、ランボルギーニの最高マーケティングおよび販売責任者であるフェデリコ・フォスキーニ氏がカーメディアに対して語ったのが「なぜランザドールはあのボディ形状を持っているのか」。

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スーパーカーである必要がなければ、ランボルギーニ初のピュアエレクトリックカーは「セダン」でも「SUV」でもいいはずで、しかしなぜそれらではなく「2+2のクーペボディ、そしてハイライダーなのか」について触れているわけですね。

ピュアエレクトリックカープロジェクトを始めるにあたり、私たちは、私たちのポートフォリオ(製品ラインアップ)を強化することを考えたのですが、私たちがカバーしていないセグメントが2つありました。ひとつはセダンのセグメントで、もうひとつは2+2のセグメントです。ただ、我々がかつてスーパースポーツに対して追加するラインアップについて、エストーケではなくウルスと決めたのは、「セダンセグメントが縮小し、一方でSUVセグメントが急拡大していたから」です。
2つ目のポイントは、セダンに関しては非常に地域的な議論しかなされないということです。セダンの主要市場のひとつである中国では、ロングホイールベースのクルマ、つまり運転手付きのクルマが必要ですが、これはランボルギーニではありません。ランボルギーニではあってはならないクルマです」。

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かくして「セダンはナシ」「2+2でGO」ということになったようですが、SUVではない理由については触れられておらず、しかし推測するにそれは「ウルスのEV版との競合を避ける」という目的があったのでは、と考えています。

つまりランザドールは限定でもウルスの置き換えでもなく、ランボルギーニのポートフォリオに新しく組み入れられる定番車種であり、フラッグシップスーパーカー(レヴエルト)、ベイビーランボ(ウラカン後継モデル)、SUV(ウルス)に加わる”第四のラインアップ”として機能し、フェデリコ・フォスキーニ氏の言う通りに「カバーできていないセグメントを埋めるための」クルマということに。

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参考までに、ランボルギーニはかつて「ラインアップを5車種にまで増やしたい」と語ったことがあり、その理由は「ランボルギーニ各モデルのモデルライフは10年で、それぞれ中間の5年でフェイスリフトを迎えるため、5つのモデルがあれば、そしてうまく発売時期をコントロールすれば、毎年いずれかのモデルがフェイスリフトもしくはフルモデルチェンジというサイクルが出来上がり、常にフレッシュな製品ラインアップを維持できるから」。

いずれにせよ、ランザドールは「ランボルギーニ欠けているピース」を補うためのクルマであり、そのためにはランボルギーニが現在持っていない種類のクルマでなくてはならず、しかしセダンは様々な理由から「欠けている穴」にフィットしないという判断がなされたようですね。

ランザドールはなぜ「背の高い2+2なのか」

「セダン市場が縮小している」「ショーファードリブンカー(運転手付きのクルマ)はランボルギーニではない」ことからセダンはNOとなり、そしてSUVでないのは「すでにウルスが存在しているから」だとして、であれば2+2として計画が進められていたランザドールのボディ形状は(ベントレー・コンチネンタルGTやメルセデスAMG SL、BMW 8シリーズのような)2ドアクーペでも良かったはずですが、にもかかわらずランザドールは「まさかのハイライダー」。

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そしてこの理由についてはチーフデザイナーであるミッチャ・ボルカート氏が以前に説明しており、ウラカン・ステラートからインスピレーションを受けたことについて述べています。

そのとき、私たちはちょうど、この高い着座位置を持つウラカン・ステラートの開発に取り組んでいました。エクステリアにはクラッディングがあり、かなり無骨に見えます。しかし私は、このウラカン・ステラートを「よりクリーンにすれば」ランボルギーニの新しい2+2に完璧にフィットすると考えたのです。

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加えてミッチャ・ボルカート氏は、以前からこのランザドールについて「宇宙船(スペースシップ)」というキーワードを頻繁に用いており、それには「未来的」「従来の自動車とは異なる存在」という意味を含んでいるものと考えています。

よって同氏はこれまでの概念では捉えることができない新しいクルマを作ろうと考えていたのだと思われ、その意味でも「他に例を見ない」2+2のハイライダークーペというアイデアが同氏の心を捉えて離さなかったのでしょうね。

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参照:Autoblog

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