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まさか実車を見る機会が来ようとは。世界に数台、ランボルギーニ✕ザガート「5-95」「マセラティ・モストロ」はこんなクルマだ

2019/04/19

おそらく今回を除けば一生目にすることはないだろう

さて、コンコルソ・デレガンツァ京都2019に展示されていた車両のうち、比較的最近のクルマを2台、紹介したいと思います。
ひとつはランボルギーニ・ガヤルドベースの「Lamborghini Gallardo 595 Balboni Edition Zagato」、もうひとつはMaserati Mostro Zagato Coupe。

Lamborghini Gallardo 595 Balboni Edition Zagato(2016)

まずはランボルギーニ・ガヤルド595(5-95)バルボーニ・エディション・ザガート。
ザガートがガヤルドLP570-4スーパーレッジェーラをベースに「ランボルギーニ5-95ザガート」を製造したということは知っていましたが、それに「バルボーニ・エディション」が存在したことは全く知らず。

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なお、「バルボーニ」というと「バレンチノ・バルボーニ」を指すと思われ、そしてガヤルドには「後輪駆動でマニュアル・トランスミッション採用」の「ガヤルドLP550-2バレンチノ・バルボーニ」が存在しています。

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そこから推測するに、この ランボルギーニ・ガヤルド595(5-95)バルボーニ・エディション・ザガートは、4WDを採用するガヤルドLP570-4ではなく、RWDのLP550-2バレンチノ・バルボーニをベースとしているのかもしれません(室内を覗いてみると、やはりMTだった)。

そしてこのランボルギーニ・ガヤルド595(5-95)バルボーニ・エディション・ザガートを見てみると、何から何までもが特別製。
単にパネルを置き換えただけではなく、Aピラーやフロントウインドウまでを入れ替えており、「全く別のクルマ」に生まれ変わっています。

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そして「ザガートらしさ」は満載で、ダブルバブルルーフも再現。

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そして「薄いルーフ」、さらには「フローティングルーフ」も最近のザガートの一つの特徴ですね。

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ウインカーもザガートならではの「丸」へ変更され、極力段差を廃したなめらかなボディラインが採用されています。
ガヤルドのボディラインは非常に強いエッジを持っていますが、このランボルギーニ・ガヤルド595(5-95)バルボーニ・エディション・ザガートでは逆に緩やかなラインへと改められています。

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サイドから見ても、「これがガヤルドとは誰も気づかない」レベル。
通常こういったカスタムカーはウインドウ類を残すために「ベース車」の面影が残るものの、この595ザガートについてはウインドウも入れ替えているために大きく雰囲気が変わっています。

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そしてルーフにはエアスクープが設けられ、ここからリアのエンジンルームへと風を導くことに。
そしてやはり「円」というか丸さをモチーフにしたデザインはザガートならでは。

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リアもやはり「円」がモチーフ。
全般的にパネルとパネルとの段差が少なく、かつその隙間も極小であり、非常に高い精度をもって設計・製造されていることがわかるクルマ。

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カラーはマットではあるものの、まるで宝石のような輝きを放つ一台です。

なお、ガヤルドLP570-4ベースの「5-95ザガート」は9台ほどが製造されたと言われますが、こちらの「バルボーニ・エディション」の生産台数はまったく不明。

Maserati Mostro Zagato Coupe(2016)

こちらも2016年に発売された「マセラティ・モストロ・ザガート・クーペ」。
プロジェクトのスタートは2014年、つまりマセラティ100が周年を迎えた時期であり、記念モデルという意味合いを持っています。

そしてその100周年を祝うのにふさわしいと考えられたのが1957年に登場したレーシングカー「マセラティ450Sクーペ・ザガート」。

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そしてそのマセラティ450Sクーペ・ザガートを現代に蘇らせたのが「マセラティ・モストロ・ザガート・クーペ」ということになりますが、このクルマは450Sクーペ・ザガート同様「レースに出場すること」を考えて作られたクルマ(450Sは”モンスター”というニックネームで呼ばれており、今回の”モストロ”もモンスターの意味)。

ちなみに「ディへドラル・ドア」を採用してウインドウの昇降機能は無く、代わりに小さな三角窓(開閉可能と思われる)がサイドウインドウに付与。
これは「レース」を想定していることや軽量化といった側面もあるかもしれず、しかしデザイン上で「フラッシュサーフェスが実現できた」という大きな意味も持っている、と言えそうです。

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マセラティは現在レースに参加するクルマを持たず、よってマセラティ・モストロ・クーペはマセラティの現行車種ベースではなく「新規設計」を選択。

上述のようにレースに出場することを念頭に置き、シャシーはカーボンモノコック、これにダブルウィッシュボーンサスペンションを取り付け、エンジンはフェラーリ由来の4.2リッターV8、トランスミッションは6速MT。※つまり、見た目だけを450Sクーペ・ザガート風にしたものではなく、そのルーツや思想までも忠実に反映している

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なお、この美しいボディもカーボンファイバー製となり、450Sクーペ・ザガート同様のフロントやリアの「流線型」デザインを持ち、現代のザガートが好んで用いる「広いグラスエリア」や「放熱を考慮したサイドスカットル」も再現されています。

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ちなみにぼくがコンコルソ・デレガンツァを訪問した日は生憎の雨でしたが、おかげでこういった美しい「水が流れる筋」を見ることができたのはまさに僥倖。

ザガートのクルマの多くはこんな感じで、「ルーフを起点に、放射線状に水が流れてゆく」という独特の現象を再現し、かつどこにも淀みがないようです。

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ちなみにこの画像はヘッドライトではなくテールランプ。

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こちらがヘッドライト。
そして「レース出場が前提」というだけに牽引フックも装備します。

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そしてやはり「レース」を意識しているためにホイールはセンターロック(19インチ)、ブレーキシステムもレース用。

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こうやって見ると「過去の伝統」と「現在の技術とデザイン」とが見事に融合したクルマだと言ってよく、近代ザガート史においても右に出るクルマはないんじゃないかと思えるほど。

そして驚くことに限定台数はなんと「世界で5台のみ」だそうですが、もはや金額では測れない価値を持つクルマでもありますね。

その他の画像はFacebookのアルバム「Concorso d'Eleganza Lamborghini 595 / Maserati Mostro Coupe」にて保存中。

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