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え?2116万円のスープラ?トヨタが出力430馬力、280kg軽量化されたレーシングカー「GRスープラGT4」を発表!

2019/10/30

| まずは欧州にて先行発売、日本では2020年10月から購入可能 |

トヨタが「GRスープラGT4」の市販スペックと価格を公開。
GRスープラGT4の発売自体はすでにアナウンスされていたものの、今回はその詳細が公表された、ということになりますね。
なお、販売開始は欧州だと2020年3月から、北米では8月から、日本・アジアでは10月から。
現時点では欧州での価格のみが公開されており、175,000ユーロ(邦貨換算では約2116万円)という値付けです。

なお、GT4クラスは規定によって改造が制限され、市販車にかなり近い仕様を持つのが特徴。
ほかメーカーからではポルシェ718ケイマンGT4、アウディR8 LMS GT4、マクラーレン570S GT4、アストンマーティン・ヴァンテージGT4、アルピーヌA11 GT4といったクルマも発売されており、GRスープラGT4はこれらと競うことになりそうですね。

GRスープラGT4はこんなクルマ

そこでGRスープラGT4ですが、開発と製造を担当するのはトヨタモータースポーツ有限会社(TOYOTA Motorsport GmbH=TMG)。
搭載されるエンジンは3リッター直6ターボなのでロードゴーイングバージョンの「スープラRZ」と変わらず、しかし出力は340馬力から430馬力へと大幅向上。
なお、レースに参加するにあたって施される性能調整(BoP)はUSBスティックにて簡単に行えるようですね。※ECUはマニエッティ・マレリ製

トランスミッションは8速ATから7速パドル付き7速スポーツオートマティックトランスミッションへと変更され、駆動輪はもちろん後輪のみで、機械式LSD(レース用)を備え、ドライブシャフトもレース用へと換装済み(GKN製)。
エキゾーストシステムは開発パートナーでもあるアクラポヴィッチ、油脂(オイル)類はラベノールです。

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面白いのは、フロントスポイラーとリアウイングには天然繊維コンポジットを採用したことで、これはポルシェ718ケイマンGT4クラブスポーツ同様。
ポルシェ718ケイマンGT4クラブスポーツの場合、ドアやリアウイングにこの素材を使用し、主原料は麻や亜麻で、「ナチュラルファイバー・コンポジット」と紹介されています(そしてカーボンファイバーと同等の軽さを誇る、とも)。

GRスープラGT4に使用される天然繊維コンポジットであっても軽量性は同様と見え、トヨタによると、この素材の採用によって(これだけではないと思いますが)車両重量は1,350kgまで軽量化(ロードカーのスープラRZの車体重量は1,630kg)。

サスペンション形式もロードバージョンのスープラと同じくフロントにマクファーソンストラット、リアにマルチリンクを採用しますが(ショックアブソーバーはKW製の調整式)、ブレーキについては強化されフロント6ポット、リア4ポットと大型化。

ホイールはOZ製の11×18インチ、タイヤは前後とも305/660-18サイズ(ピレリ製)です。※なんと前後のタイヤサイズが同一で、フロントタイヤがかなり太い。最近のレーシングカーはダンフォース含め、フロントのグリップ重視傾向が強い

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GTスープラGT4のボディサイズは全長4,460ミリ、全幅1,855ミリ、全高1,250ミリ。
ロードバージョンのGRスープラのボディサイズは全長4,380ミリ、全幅1,865ミリ、全高1,290ミリなので、長く、低くなっていることがわかりますね。

標準装備されるのは電動パワステ、トラクションコントロール、ABS、データロガー、8インチディスプレイ、消化器、エアジャッキ。
オプションだとリヤビューカメラ、タイヤ空気圧センサー、サスペンションセンサー、点灯式カーナンバー(最近よく見られるようになった)、ドリンクシステム、認定耐久パッケージ。

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GRスープラGT4は「トヨタディーラー」では買えない

なお、GRスープラGT4はレースに参戦するカスタマー向けに一般販売されるとはいえ、トヨタディーラーでは購入することはできず、日本だと車両の販売やサポート(部品供給)は「株式会社トヨタカスタマイジング&ディベロップメント」が行う、とのこと。
もちろん公道走行はできない競技専用車両ですが、北米あたりではこれを公道仕様にコンバートするオーナーも出てくるのかもしれません。

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GRスープラGT4のインテリアは「完全レース仕様」

そのほか、インテリアだと剛性と安全性確保のためにロールケージを装着し、レーシングバケットシートに6点式シートベルト(ハーネス)を装備。
もちろん内装パネルの多くは剥がされ、必要な場所にはカーボン製パネルが与えられ、ステアリングホイールとディスプレイもレース専用スペックに。

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なお、GT4クラス参戦用車両にはけっこう価格差があり、今回のGRスープラGT4が2116万円くらい、そしてポルシェ718ケイマンGT4クラブスポーツが1620万円くらい、アウディR8 LMS GT4が2989万円。
ポルシェ718ケイマンGT4クラブスポーツが安いのは、「もともとポルシェは、市販車とレーシングカーでも共通のパーツを多く使用しており、レーシングカー化するにあたっても作り直す部分が少ないため」とも言われます。
同じ理由で、レースに参加するにあたっての(パーツなど)維持費が安く、「レースをするなら、もっとも安上がりなのはポルシェ」というのも通説であるようですね。

VIA:TOYOTA

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