>トヨタ/レクサス(Toyota/LEXUS)

トヨタ社長が豊田章男からレクサスの佐藤恒治へ!章男氏は会長職へと退くも代表権を維持、今後のトヨタの電動化、スポーツカーはどうなる?

2023/01/26

トヨタ・プリウス

| おそらくは株主対策として電動化を強調し、そしてスポーツカーは電動化とともに強力に開発が進められてゆくだそう |

レクサスは電動化イメージが強く、このタイミングでの交代は理にかなっている

さて、トヨタ自動車が役員の人事を発表し、現豊田章男代表取締役(66)が会長職に就き、あたらしい社長職には佐藤恒治氏(53)が就任するとアナウンス。

この人事は4月1日に行われ、社長交代はトヨタ自動車にとって実に14年ぶりとなっています。

今回の「社長交代」については、トヨタの商品力とブランド価値が高まり、そして収益性が向上したことで豊田章男氏の役割が一定の機能を果たしたという判断のもと、次の世代へとその基盤を受け継ぐことが目的だと見られています。

トヨタ自動車は「世界でもっとも環境問題へと取り組みに熱心ではない自動車メーカー」だとされている

なお、トヨタは現在「世界で最も環境問題に熱心ではない自動車メーカー」だとされており、それは豊田章男社長の方針(マルチパワートレーン戦略)や、「ガソリン車が好き」発言、そしてカーボンフリー実現を主張しながらも実際にはEV発売に消極的であることなどがその理由。

トヨタ
グリーンピースが「トヨタは自動車メーカー中、もっとも環境保護に真剣ではない」と結論づける。なおワースト2 / 3にはホンダ / 日産が入り、日本勢にとって悪夢のような結果に

| やはり日本は様々な意味でガラパゴス化しており、国際化とは程遠いのかもしれない | 日本企業の価値も下がり、ここまでの円安になったことも頷ける さて、グリーンピースが「自動車環境ガイド2022」を発 ...

続きを見る

そしてこういった姿勢はトヨタの株主から大きく批判されることも多く、世の中の動きから大きく乖離した姿勢とともに「好ましくない」と思われていて、今回の社長退任については、体制を一新することにより、こうした世の中の批判をかわす意味があるのではないかと思ったり。

豊田章男
トヨタの株主は豊田章男社長に不満?同氏の「急激な電動化に待った」発言に対し「豊田章男は、世界で何が起きているのかわかっていない」

| 豊田章男社長の「急激な電動化に待った」発言は、トヨタ自動車単体ではなく、日本の自動車産業全体を考えてのものだと捉えるのが正しい | さて、ロイターによると、トヨタの株主が「トヨタが電気自動車に対し ...

続きを見る

実際にはどういった意図があるのかわからないものの、それは新しい「佐藤恒治社長」が4月1日以降に発表するであろう新戦略によっておぼろげながらもわかってくるのかもしれません。

トヨタ
トヨタが経済フォーラムにて「なぜピュアEVに注力しないのか」「現時点ではPHEVが最適」だと改めて主張。言っていることは理解できるが、両手を挙げては賛同できない

| トヨタ同様の意見を述べる会社は他にもあるが、他はちゃんとEVに取り組み、EVを発売している | やはり最低限の「やること」は(間違っていると思っても)やらないと、耳を貸す人も少なくなってしまう ダ ...

続きを見る

ちなみにレクサスは「電動化」を押し出したプロモーションを展開しており、よってこのタイミングで「レクサスの責任者がトヨタの次期社長になる」という事実は、これまでトヨタが電動化に対して及び腰であったという指摘へのカウンターになるものと思われます。

レクサスが電動化モデルの新しいキャンペーン「Like Attracts Like 」を展開!レクサスは多様な人々のライフスタイルから得たインスピレーションで作られているということを視覚化
レクサスが電動化モデルの新しいキャンペーン「Like Attracts Like 」を展開!レクサスは多様な人々のライフスタイルから得たインスピレーションで作られているということを視覚化

| この動画を見る限りでは「エレクトリファイド・スポーツ」が実際に登場する可能性はけっこう高そうだ | レクサスはしばらく前から「ライフスタイル」「若者の文化」を強く意識している さて、レクサスが「L ...

続きを見る

今回の役員人事は3名が対象

そして今回トヨタが発表した役員人事は3名で、その内容は以下の通りです。

  • 現トヨタ自動車代表取締役社長 / 執行役員 / CEO、豊田章男氏が代表取締役会長へ
  • 現代表取締役会長、内山田竹志氏が代表取締役へ
  • 現執行役員 / Chief Branding Officer / Lexus International Co.(President) / GAZOO Racing Company(President)である佐藤恒治氏が執行役員 / 社長 / CEOへ
20230126_01_01_s

これを見るに、佐藤恒治氏は社長といえども代表権を持たず、豊田章男氏が変わらず代表権を持つということもわかりますが、佐藤恒治氏は見ての通りレクサス・インターナショナル、ガズー・レーシング・カンパニーのプレジデントを努めている人物であり(トヨタでは事業部の長をプレジデントと呼ぶ)、フェイクMTの開発を主導しているとも報じられていることからも「スポーツカーに関しては、豊田章男氏と同様の考え方を持つ人物」だと考えてよく、となると今回の人事については、トヨタが路線を変更するということではなく、あくまでも豊田章男氏にもっとも近い考え方を持つ人物を次期社長に据えると捉えていいのかも。※佐藤恒治氏の公式プロフィールはこちら

レクサスがEV用「フェイクMT」について公式に言及!設定変更で様々な車種のフィーリングを楽しむことができエンストも発生、「ガソリンの匂い以外は全部再現した」【動画】
レクサスがEV用「フェイクMT」について公式に言及!設定変更で様々な車種のフィーリングを楽しむことができエンストも発生、「ガソリンの匂い以外は全部再現した」【動画】

| EVとMTというのは(理論的に)完全に無意味ではあるが、トヨタがそこにコストを投じることができる会社になったことは喜びたい | 一方、ホンダはフェイクMTについて「ピュアではない」と否定的 さて、 ...

続きを見る

そうなると、電動化についてはちょっとした方向修正があるかもしれないものの、スポーツカー路線については(ガソリンであってもエレクトリックであっても)現在のまま継続される可能性が高いものと考えられます(なんだかんだで、代表権のある豊田章男氏の影響力は今後も社内において絶大だと思われる)。

そして一方の豊田章男氏(良くも悪くも、ここまで注目されたトヨタ自動車の社長も過去にいないだろう)については、トヨタの舵取りを後続に託すことによって「身軽」になる可能性もあって、今後はモータースポーツなど自身の好きなことを追求する時間ができたり、またその発言においても自由度が増すのかもしれません(もう社長ではなくなるので、メディアもさほど注目しなくなるかも)。

合わせて読みたい、トヨタ関連投稿

トヨタ
豊田章男社長さらに激白!「EVは自動車業界の唯一の未来ではない。皆そう思っているのに、自分以外は誰も声をあげようとしない」。たしかに理解はできるものの・・・

| まずトヨタは他社に対抗できるEVを発売してから言うべきだと思う | さらに、EV以外の手段を実現させてから言うべきだとも思う さて、トヨタはタイにて「ハイラックスのピュアエレクトリック版」を発表し ...

続きを見る

豊田章男
豊田章男社長の役員報酬が6億8500万円だったことが判明!ただし他の自動車メーカーのCEOに比較すると高くはなく、ボクは「もっともらってもいい」と考えている

| 豊田章男社長の功績を考えるとこれ以上の金額をもらっていいと思う | トヨタよりも利益額、利益率の低い自動車メーカーのCEOでもずっと多くの報酬をもらっている さて、2022年3月期における豊田章男 ...

続きを見る

今度は環境団体が欧州の「広告をジャック」。トヨタとBMWを対象に400枚のネガキャン広告を貼りまくる。とくにトヨタに対しては「二枚舌だ」と厳しく非難
今度は環境団体が欧州の「広告をジャック」。トヨタとBMWを対象に400枚のネガキャン広告を貼りまくる。とくにトヨタに対しては「二枚舌だ」と厳しく非難

| それぞれの広告を見ていると、風刺が効いていてなかなかに面白い | もっと正当な手段にて、誰にも迷惑をかけない抗議活動を行えば耳を貸す人も増えそうだ さて、このところ何かと派手な抗議活動が報じられる ...

続きを見る

参照:TOYOTA

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->トヨタ/レクサス(Toyota/LEXUS)
-, , , ,