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これって本末転倒?レクサスが「RZ450eの航続距離の短さをカバーするため、ガソリンモデルのレクサスの無料貸し出しを行う」と発表

これって本末転倒?レクサスが「RZ450eの航続距離の短さをカバーするため、ガソリンモデルのレクサスの無料貸し出しを行う」と発表

| トヨタ / レクサスのEVは根本的に性能的・価格的な競争力が高くないことが指摘されている |

もちろんトヨタもそれは十分に理解しており、現在対策中だと思われるが

さて、レクサスは初の(限定ではない)EVとしてRZ 450eを発売していますが、今回はRZ 450eのオーナーを対象にした無料レンタカーサービス、「レクサス・リザーブ・プログラム」が新たに米国にて開始されたと報じられています。

このプログラムは、EVのRZ 450eのオーナーが、3年間のうち30日間、ガソリンエンジンを搭載するレクサスを無料で予約・利用できるというもので、その意図としては「特定の地域の充電ステーション不足を緩和するため」だとされています。

まさにこの対応は本末転倒

ちなみにトヨタは「カーボンフリーを実現する」ために様々な手段を用いるとしていますが、一方でCO2を大量に排出するSUVを販売するなどの矛盾した側面を持っており、これが「二枚舌」だと避難されることも。

今回の件についても、EVを発売したものの、そのEVが不便なのでガソリン車を貸し出すという矛盾する内容を持っており、こういった状況を見るに、二枚舌だと言われるのもムリはないのかもしれません。

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トヨタのEVはそもそもガソリン車の代替になりえない

なお、トヨタは声高らかに「EVだけがカーボンフリー達成のための手段ではない」と主張しており、たしかにぼくもそう思うのですが、トヨタの場合は「魅力のあるEVをリリースせずにEVを批判」しているところに違和感を感じます。

トヨタのように「EV偏重の傾向は危険」だとする自動車メーカーとしてはステランティス、BMWがあるものの、これらはちゃんとEVに取り組んでいて、ステランティスだとプジョーやシトロエンブランドからは普及価格帯のEV、アルファロメオからはプレミアムEV、そしてマセラティからはハイパフォーマンスEVを発表もしくは発売し、BMWは早くからEVに取り組んでいて、2025年には新生代のEV「ノイエクラッセ」を発表する予定です。

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一方のトヨタはといえばbZ4X、そしてレクサスRZのみにとどまり、かつbZ4Xについては「そのEVとしての性能が話にならない」レベルだと報じられ、様々なテストにおいては「惨敗」を喫しているもよう。

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そしてレクサスRZ450eについては、米国スペックにて一回の満充電当たり航続距離が355キロ、20インチホイールを装着すると315キロにとどまり、今回レクサスが発表したプログラムについては、表向きは「充電器のない地域向け」ではあるものの、実質的には「ライバルに比べて航続可能距離が短い」レクサスRZの欠点をカバーするもので、さらに言えばライバルよりもずっと高いその価格(アメリカでは6万ドル)を納得させるためのエクスキューズだとも考えられます。※ポルシェも同様のサービスを展開しているが、こちらは有料である

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ただ、このプログラムにはレクサスそして消費者側にもメリットがあり、それは「いろいろなレクサスを試す機会を提供できる / 得られる」ということ。

レクサスとしては、そのオーナーに別のレクサスに乗ってもらうことで、別途借りたレクサスの追加購入や乗り換えを促進でき、オーナーとしても別のレクサスの体験をすることが可能となるわけですね。

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たとえば、レクサスRZのオーナーが「休日のために」レクサスLCを借りることができたり、LSやLXを借りてラグジュアリーな体験をするといったこともでき、利用方法次第では魅力的なプログラムとなり得るかもしれません(30日間を使い切ってしまうと、あとは有料であっても対応してもらえない)。

ただ、レクサスRZ450eそのものの競争力が高くないことも事実であり、上述のような航続距離の短さや価格の高さに加え、(米国では)公共充電が無料でないこと、家庭用充電器が無料でないこと、米国で製造されていないために税額控除の対象外であることなどがディスアドバンテージだとして報じられており、もしトヨタ / レクサスが本気で米国市場にて戦おうと思うならば、これらの根本的な問題を解決してゆく必要があるのかもしれません。

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参照:Carbuzz

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