| クルマによっては、改造車でなくとも既定値を超えた爆音を出してしまいそうだ |
「騒音レベル」はすなわち文明のレベルを測る尺度だともいうが、今後は同様の例も出てきそう
さて、ニューヨークにて「騒音を発するクルマやバイクを特定することが可能な交通カメラが設置され、すでに71人が”爆音を出したというカドで”違反切符を切られた」との報道。
このカメラはすでに1年の試験運用期間を経ているそうですが、その効果は非常に大きいといい、ニューヨークはこのカメラの設置を拡大するという計画を持つと報じられています。
ニューヨーク市はすでに全米で最も(対象が)広範にわたる騒音条例を制定しており、さまざまな騒音源に対して許容レベルを定めていますが、その制定の背景につき、市議会議員のエリック・ボッチャー氏によると「違法に改造されたマフラーやテールパイプから非常に大きな音を出す車両は、近年ますます増加し、問題になっている」から。
複数回の「騒音」違反者には最高で35万円の罰金も
この騒音条例は「Stop Loud and Excessive Exhaust Pollution Act」(SLEEP法)というそうで、最近になってマフラーや排気装置の違法改造に対する罰金を引き上げており、このカメラと騒音計に記録された違反車は、初回の騒音違反で800ドル(105000円)、3回目の違反聴取を無視した場合には2625ドル(約35万円)の罰金を課せられるとのこと。
ニューヨーク市のエリック・アダムス市長は、”高速道路の騒音と、それに起因する疾病を非難する”最近の記者会見の場において、「外の騒音を聞くと、クラクション、トラック、サイレンがひっきりなしに鳴り響き、これら騒音は眠りを妨げ、慢性疾患のリスクを高めます」とコメント。
どうやらニューヨークは騒音であふれていると見え、この騒音との戦いはマイケル・ブルームバーグ前市長時代に開始されていますが、10年前の時点ですでにアイスクリーム・トラックのチャイムや、飼い主が犬小屋に入るまでの犬の鳴き続ける時間(早朝は5分、日中は10分)など、45ページにわたる規則を発表したこともあるのだそう。
さらに今から100年以上前の1905年にも、ニューヨーク・タイムズ紙は、ニューヨークの騒音を「普通の消火器では手に負えないほど急速に広がっている音の焚き火だ。救済は可能なのか?」という論説を掲載したことがあるといい、この騒音は「昔からのニューヨーク名物」ということになるのかもしれません。
反面、2020年にコロナウイルスによるロックダウンが導入されると一気にその騒音レベルが下がったといい、しかし逆に目立ったのが違法な花火や改造車の爆音で、実際にロックダウン中では違法レースが多発し、大規模な事故もいくつか報じられていますね。
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| 非常に希少なクルマだけにもったいない | https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/49748551031/in/dateposted-public/ ...
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なお、興味深いことに、パンデミック期間中の「騒音による苦情」はパンデミック前の2倍にも増加したとのことですが、この理由としてはロックダウンによって全体の”日常的な”騒音が減少したため、逆に暴走車の音が目立ったこと、ロックダウンによって人々が神経質になり、そして不安になっていたことが指摘されています。
一方では「行き過ぎ」の声も
その一方、「騒音は日常生活の一部である」とし、うるさいクルマを静かにさせようという努力は行き過ぎだと言う人たちもいて、ブロンクスの自動車愛好家、フィリップ・フランクリン氏(30歳)もそのひとり。
実際に同氏はニューヨークの騒音法に抗議するオンライン署名を立ち上げており、「私たちの大半は、騒音が日常生活の一部であるここニューヨークで暮らしています。静かなクルマは、むしろ不注意な歩行者に危険をもたらすでしょう」と述べています。
このSLEEP法で定める騒音が何デシベルなのかは報道にて触れられていないものの、米国疾病対策予防センターによると、120デシベルの騒音は、耳に即座に害を及ぼす可能性があり、70デシベル以上の騒音が長時間続くと、最終的には聴力がダメージを受けるとのこと。
ちなみにランボルギーニ・ウラカンEVO RWDのエンジンスタート(冷間時)時のサウンドは103デシベルです。
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